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お正月が やってくる

お正月が やってくる(ポプラ社)

お正月かざりを売るなおこさん一家の年末年始をとおして、人びとの暮らしに息づくお正月を迎えるよろこびを描いた絵本。

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まほうのさんぽみち

まほうのさんぽみち(評論社)

絵本が大好きな女の子とパパの、幸せであたたかいお話。

絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  知ってる? おなら&おしりのこと。『おしりをしりたい』『おならをならしたい』 鈴木のりたけさんインタビュー

おしりのくぼんだ線やプリプリに隠されたひみつとは…?

───『おならをならしたい』では、細かい描き込みの部分、セリフのやりとりの部分、お腹の中の様子をデザイン的に紹介している部分など、絶妙なバランスで緩急が付けられていて、何度読んでも新しい発見があるように思いました。そこは『おしりをしりたい』から変わらずこだわった部分でしょうか。


『おしりをしりたい』は1冊目でもあったので、『おならをならしたい』よりも完成までにやりとりが多かったと思います。例えば、よつんばいになるとなくなるおしりの線の説明も、最初の構成では、サルから人間になるまでを結構壮大に描いていたんですよ。でも、それだと説明しすぎてしまうので、もっと軽くしなければ……とどんどん肩の力を抜いていきました。

───人間が二足歩行をするようになったから、足を引き上げる筋肉「大臀筋(だいでんきん)」ができて、おしりが誕生したというエピソードは、かなり新鮮でした。

これは、うちの息子がちょうどはいはいからよちよち歩きをしはじめた時期を見ていて、発見したんです。歩き始めたばかりって、がに股で、おしりもプリッとしていないんですよね。もしかして、筋肉が発達していないから歩きもぎこちないんじゃないか……と仮説を立てて調べてみたら、まさにぼくの読み通りで。絵本の協力をしていただいた東京大学総合研究博物館の遠藤秀紀先生からも「良く気づきましたね」とほめられました。

───大臀筋は座るときにも体重を支えてくれる働きをしているなど、おしりについて詳しくなる部分もしっかりおさえてありつつ、「しり」を使っただじゃれやことわざ満載のページもあって……。本当に内容が盛りだくさん。こんなにたくさんのだじゃれやことわざを、よく思いつかれるなぁ……と感心しました。


こういうのを考えるのは全然大変じゃないんですよ。ぼくの脳から、ポンポンポンポン出てきますから(笑)。

───「おしリーダー」「おみそしり」「からしりれんこん」……見返しにも「しり」がつく言葉があふれていますね。

たぶん、大人の方は「しり」がつく言葉を考えようとしても、恥ずかしさが出てしまって、ストッパーがかかっているんだと思います。でも、絵本で描いたように、私たちをいつも支えてくれるおしりのことを、忘れないようにたまには家族で、「しり」のつく言葉を言い合うのも良いと思いますよ。

───たしかに、見返しのように、「しり」のつく言葉を言い合えるような家族はきっと笑いが絶えないですよね。『おしりをしりたい』の中にも、絵を見て楽しむ部分がたくさんありますよね。特に、おしりを見て、誰のおしりか当てるのは盛り上がると思いました。

これだけいろいろな形のおしりが並んだ絵本も少ないと思います。あえて答えは載せていませんが、顔の形や表情から考えてみてください。

───こんなにおしりが並ぶと圧巻ですね。そして圧巻といえば、最後の見開きページ。あっちにもこっちにもおしりがあって、さらに絵本の中に登場したキャラクターが全部出てきている。「おしりをペンペンされた子がココにいる!」「クロコダイルにおしりを“まるかじり”されている人、発見!」と探すのが楽しかったです。



絵本に出てきた人たちが大集合!

こういう探し絵のページを描くのは、とても大変で、毎回「どうして、こんな細かくしちゃったんだろう……」と描きはじめるたびに思っているんです。でも、こういうページがないと自分の本という気がしないのも確かで……。結局、どの本にも、読者に見つけてもらう絵を入れてしまうんですよね。「こんなところにもおしりがある!」とおしりを見つけて楽しんでもらえたらいいですね。

───新刊『おならをならしたい』と前作『おしりをしりたい』、2冊の表紙を並べると、インパクト抜群ですよね。

ありがとうございます。実は『おならをならしたい』の方は、表紙が決まるまで、何度か違うバージョンも考えました。でも、最終的にシリーズであることを一目で分かってほしいと思い、今のデザインに落ち着きました。

───表紙と裏表紙の微妙な変化も、気づくと笑ってしまいます。とくに、『おならをならしたい』の方は、衝撃ですよね。

ズボンが破けてしまっていますからね。これも『おしりをしりたい』と対になるように考えて、これしかないだろう……と(笑)。

───「おしり」「おなら」とシリーズが進んで、3冊目の構想もすでに考えているのでしょうか?

いえいえ、何の予定もないんです。『おならをならしたい』が出版されたばかりなので、また一からゆっくりテーマを考えようと編集者さんとも話しています。インパクトのあるタイトルが思い浮かぶと良いのですが……。

───一緒にタイトルを考えたくなりますね(笑)。最後に、絵本ナビのユーザーさんに『おしりをしりたい』『おならをならしたい』のメッセージをお願いいたします。

この絵本は、子どもと一緒に読み聞かせをするライブ感、コミュニケーションをイメージして作りました。静かにお行儀よく絵本を読むのも良いですが、恥ずかしがらずにノリノリになって、大笑いしながら家族で読んでもらいたいですね。そして「おしり」や「おなら」のすごさが、くだらなさの合間に少しでも子どもたちの頭の中に残ってくれたらいいなと思います。

───だじゃれの部分やノリツッコミの場面など、お父さんが子どもと一緒に読むのも盛り上がりそうですね。

お父さんが作っていますからね。あとは学校の先生に読んでもらって、教育現場の少し堅い雰囲気を崩すお手伝いができたり……(笑)。この絵本の持つ笑いの力が、色々な壁を崩す推進力になってくれたら本望ですね。

───ますます多くの人に、読んでもらいたいですね! 今日は本当にありがとうございました。

編集後記

絵本ナビでは『す〜べりだい』と『ぶららんこ』(PHP研究所)以来のインタビューとなる鈴木のりたけさんでしたが、その間にも『たべもんどう』『ケチャップマン』(ブロンズ新社)などを出版され、インタビューのときも、机の上には新作絵本の原画が進行中という、大活躍ぶり。そんな忙しい中でも、作品ひとつひとつに対して真摯に取り組み、新しい描き方に挑戦する姿が、並んでいる画材や整理されたスケッチブックから感じられました。これからも私たちがアッと驚く作品を作りつづけてくださると思うと、楽しみの余韻もひとしおのインタビューとなりました。

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インタビュー・文: 木村春子(絵本ナビライター) 

撮影:所靖子

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鈴木のりたけ(スズキノリタケ)

  • 1975年、静岡県浜松市生まれ。会社員、グラフィックデザイナーを経て、絵本作家に。『ぼくのトイレ』(PHP研究所)で第17回日本絵本賞読者賞、『しごとば 東京スカイツリー』(ブロンズ新社)で第62回小学館児童出版文化賞を受賞。
    主な作品に、「しごとば」シリーズ(ブロンズ新社)、『かわ』(幻冬舎)、『おしりをしりたい』(小学館)、『そだてば』(朝日新聞出版)などがある。

作品紹介

おしりをしりたい
おしりをしりたいの試し読みができます!
作:鈴木 のりたけ
出版社:小学館
おならをならしたい
おならをならしたいの試し読みができます!
作・絵:鈴木 のりたけ
出版社:小学館
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