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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  親子のためのおたすけ絵本第二弾!『すききらい、とんでいけ! もぐもぐマシーン』 翻訳家・野坂悦子さんインタビュー

夫の転勤と、子育ての中で見つけた翻訳家の仕事

───翻訳家の中でも、野坂さんはオランダ語の児童文学や絵本を日本に広める活動をされていると思います。オランダ語の翻訳家になろうと思ったきっかけを教えてください。

もともと、日本の作品を海外へ紹介する、出版エージェントの仕事をしていたのですが、夫の転勤でオランダに行くことになったんです。せっかくオランダに住むのなら、オランダ語を勉強しようと決心し、現地の語学学校へ通いました。その後、フランスへ転勤になって、そこでも語学学校に通いました。それから日本に帰国して、出版エージェントの会社に復職したのですが、子育てをしながら働くのがとても難しくなってきて……それで、今の私に勤めること以外に何ができるかを考えて、海外で暮らしていたときに身につけた語学を生かして、翻訳の仕事をしようと思いました。

───ご主人とお子さんがいたから、翻訳家の道に進まれたのですね。

翻訳を仕事にすることは、大学時代からの夢でした。でも英語の翻訳をされる方はたくさんいらっしゃいますよね。それで、日本でまだ紹介されていないオランダ語の本を紹介できたらいいなと思いました。幸運なことに、出版関係の仕事をしていたときのつながりで、オランダで出会った絵本を持ち込める編集者の知り合いもいたんです。

───日本に帰国されてから、すぐに翻訳家の仕事がスタートしたんですか?

いえいえ。当時は、オランダ語の絵本なんてどこも取り合ってはくれませんでした。出版社をまわるうち、英語の本のリーディングや翻訳の仕事が舞い込むようになり、そのうち、少しずつオランダ語の翻訳の仕事が来るようになりました。

───はじめて翻訳家としてデビューした絵本を覚えていますか?

フランスに住んでいたときに、オランダ語の本を一冊、翻訳して出すことができました。『レナレナ』(現在は品切れ中)という絵本で、五味太郎さんや村上康成さんが取り上げてくださり、「オランダの絵本は面白い」と評判になったのを覚えています。その経験もあったので、オランダの絵本の面白さをもっと伝えたいと思い、帰国して作品の持ち込みをはじめました。その後『レナレナ』は、『絵本を抱えて部屋のすみへ』(新潮社)の中で江國香織さんも紹介してくださいました。

───絵本はどのような形でチェックしているのですか?

翻訳をはじめた当初は、オランダに住んでいるとき買い貯めた作品を持って回っていました。それからはボローニャ・ブックフェアで、新作を見つけることもあれば、今回の『すききらいとんでいけ! もぐもぐマシーン』のように、出版社さんから依頼を受けることもあって……。いろいろな形での出会いがあります。

───『すききらいとんでいけ! もぐもぐマシーン』の翻訳のおはなしを伺うと、一口に「翻訳絵本」といっても、それぞれの国の文化や生活、言語の違いがあることを感じました。野坂さんはオランダ絵本を日本に伝える仕事をされている中で、オランダの絵本の特徴をどのように感じていますか?

説明がやや複雑になりますが、「オランダの絵本」と「オランダ語の絵本」というのは、厳密には違うものなんです。「オランダの絵本」はオランダで出版された絵本のことですが、「オランダ語の絵本」というとベルギーで生まれたものも含まれます。『すききらいとんでいけ! もぐもぐマシーン』を出版したクラヴィスはベルギーにある会社なので、この絵本は、オランダ語圏の作者とフランスの画家による、「オランダ語圏のベルギーの絵本」ということになります。

───すごく国際色豊かに感じますね。

私の感覚ですが、「オランダ語圏のベルギーの絵本」は、物語のテーマが観念的で、絵のタッチもグラフィカルで挑戦的なものが多いようです。子どもを意識して創られた絵本ももちろんありますが、芸術作品としての完成度の高い、アート的な作品に特徴があります。いっぽう「フランス語圏のベルギーの絵本」は、色彩がソフトで線も優しく、日本の子どもたちにも受け入れやすい絵本が多く出版されているように思います。そんな中で、この『すききらいとんでいけ! もぐもぐマシーン』を出版したクラヴィスという出版社は、両方の特徴を兼ね備えていて、子どもの側に立って、子どもが楽しめるものでありながら、アートとしても面白いものを作ろうという姿勢のある会社なんです。

───なるほど。同じ国の出版社でも、やはり個性的な出版社は存在するんですね。

そうですね。クラヴィスはもともと小さい出版社だったのですが、自国のみにとどまらず、世界中で愛されるユニバーサルな絵本を作りたいという思いが強いと思います。

───ユニバーサルな絵本。まさに、子どもの好き嫌いに関する親の悩みは世界共通、それに対するカウンセラーの方の回答も世界共通なんだと思いました。


巻末には小児心理カウンセラーである著者からのメッセージが載っています。

「外国」というと、遠いと感じますが、家族単位で見てみると、同じ悩みを抱えているんだと少しホッとしますよね。日本の子どもたちもこの絵本を読んで、「レナって私みたい」「ぼくみたい」と共感し、絵本の世界の生活を味わって、楽しんで、レナと同じように好き嫌いがなくなるといいですね。お母さんたちも、子どもの好き嫌いは日々頭を抱える問題だと思います。でも、この絵本を通して、食べることの楽しさを子どもと共有できるようになればいいなと思っています。

───この絵本が、いろいろなご家庭の「おたすけマシーン」になるかもしれないですね。

そうなってくれたら嬉しいです。

───今日は本当にありがとうございました。

よみきかせ&インタビュー動画 公開中!

インタビュー・文: 木村春子
撮影:所靖子

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野坂悦子(ノザカエツコ)

  • 東京に生まれる。オランダ語を中心に、海外の絵本や児童書を数多く紹介している。主な翻訳作品に、 『だいすき そんなきもちをつたえてくれることば』(共訳・金の星社)、『第八森の子どもたち』(福音館 書店)、『きつねのフォスとうさぎのハース』(岩波書店)、『おとうとのビー玉』(大月書店)、 『シェフィーがいちばん』(BL出版)、伝記の翻訳に『かえるでよかった−マックス・ベルジュイスの生涯と仕事−』(セーラー出版)など。2001年、「紙芝居文化の会」の創立に加わり、日本の文化としての紙芝居を 海外に広める活動もつづけている。

作品紹介

すききらいとんでいけ!もぐもぐマシーン
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作:イローナ・ラメルティンク
絵:リュシー・ジョルジェ
訳:野坂 悦子
出版社:西村書店
おたすけなみだとおじゃまなみだ
おたすけなみだとおじゃまなみだの試し読みができます!
文:イローナ・ラメルティンク
絵:リュシー・ジョルジェ
訳:野坂 悦子
出版社:西村書店
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