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笑顔になる!しあわせいっぱい赤ちゃん絵本『ばあ〜っ!』石津ちひろさんインタビュー

「リサとガスパール」シリーズ(ブロンズ新社)をはじめとする海外絵本の翻訳、なぞなぞあそびや言葉あそび、創作絵本など数えきれないほど多数の作品を手がけていらっしゃる詩人・絵本作家の石津ちひろさん。このたびは、くもん出版の赤ちゃん絵本シリーズの新作『ばあ〜っ!』出版をきっかけにお話をうかがうことができました。ちょうど “孫のような存在”とおっしゃるユウキくんもご自宅に遊びにきていて、明るい笑い声が絶えないインタビューになりました。

ばあ〜っ!
ばあ〜っ!の試し読みができます!
作:いしづ ちひろ
絵:くわざわ ゆうこ
出版社:くもん出版

いつもいっしょにいる、くまさんのぬいぐるみは「どこ どこ?」 くるまのおもちゃは「どこ どこ?」  はじめは少し不安だったり不思議だったり、そんな表情を見せる主人公の赤ちゃん。そのあと、「ばあっ」という言葉とともに隠れていた物が登場した時には、とびきりの笑顔を今回も私たちに見せてくれます。 そして、お話の最後には主人公の赤ちゃんが大好きなママとパパが登場します! 同じシリーズの『に〜っこり』『おいし〜い』『おやすみ〜』『ぷっぷっぷ〜』と同様、いしづちひろさんのリズミカルで心地よい言葉と、くわざわゆうこさんのかわいらしく温かいタッチの絵で展開します。 家族みんなでとっても幸せな気持ちになれる一冊です。

あかちゃんの笑顔がしあわせをくれる

───まあるいほっぺ。ちょこんと立っている髪の毛。『ばあ〜っ!』のあかちゃんの絵が本当にかわいいです。さっそくお膝で読んでもらっている、ユウキくんの目もキラキラしています(笑)。絵本が大好きなんですね。


石津ちひろさんと0歳7か月のユウキくん(石津さんの姪のお子さん)。はじめて読んだ絵本が『ぷっぷっぷ〜』だったそう。

絵本を見るとぱっとすぐ手が出て、ページをめくるのが大好きですね(笑)。
私自身の子は娘1人なのですが、“孫のような存在”(姪、甥の子どもたち)はみんな男の子ばかりです。6人全員男の子! 抱っこしてみると、やっぱり男の子は手足の力が強いし元気ですねえ。


「ふわふわくまさんどこどこ? ばあっ」読んであげながら、「本、好きだもんねえ」と話しかける石津さん。

───ページをめくりたい!とハッキリした意思を感じます。こんなに小さくても絵本に夢中になるんですね。

このあいだ愛媛の実家で、1冊読み終わったあと他の本を読んであげようとして「別なのをもってきて」とそばにいた娘に言ったら、茶道を教えている私の母…つまりこの子のひいおばあちゃんが「そんな、どっち読んだって、わかるかね〜(まだ小さいしわからないでしょう)」と笑ったんですが、そんなことない! 『に〜っこり』のあと『おいし〜い』を読んだり『ぷっぷっぷ〜』を読んだり、1冊終わっても別の本があるのがうれしいみたいですよ。

───『に〜っこり』『おいし〜い』『おやすみ〜』『ぷっぷっぷ〜』『ばあ〜っ!』と5冊ありますものね。シリーズならではの楽しみですね。
以前、絵を描かれたくわざわゆうこさんにインタビューさせていただいたとき、出版社の編集長さんが絵のあかちゃんを「小籠包(ショウロンポウ)ベイビー」とよんだとお聞きして「かわいい!」と笑ってしまいました。顔の形がたしかに小籠包そっくり(笑)。このシリーズは、読者からのハガキがたくさんもどってくるそうですね。

そうみたいです。家族で読んでいるとか、出産祝いのプレゼントにしていただいていると聞くと嬉しいなと思います。


読者から届いたたくさんのハガキ。「読むと子どもがよく笑うので、私も笑顔になって、家族みんな笑顔になっています」「うちの子に似ています!」という声多数。「おねえちゃんが描いた小籠包ちゃんです」とかわいいイラストが添えられたハガキも。

───イラストがすごくかわいいことも、このシリーズの特徴ですよね。

くわざわゆうこさんの絵は、出版社の事前リサーチでも評判がよかったそうですよ。太い線であかちゃんの表情が大きく描かれていて、あかちゃんが身近に感じられる、あかちゃんに寄り添う絵本ができあがったなあと思いました。

に〜っこり
に〜っこりの試し読みができます!
作:いしづ ちひろ
絵:くわざわ ゆうこ
出版社:くもん出版

赤ちゃんの笑顔を見ているだけで、 まわりにいる大人たちもとってもしあわせな気持ちになりますが、 そんな赤ちゃんが好きなものに接して 「にっこり」する様子を絵本にしました。 この絵本を赤ちゃんに読み聞かせして、 親子で一緒に「に〜っこり」。

───そもそも最初に『に〜っこり』の文章をかくきっかけは何だったのでしょうか。

出版社の編集長さんが、じつは落語仲間でおつきあいがあって。あかちゃん絵本のテキストを書いてほしいと依頼がありました。
その頃、従弟のところに子どもが生まれてちょうど写真が送られて来たんです。あかちゃんの笑顔を見たらなんともいえないしあわせな気持ちになって。ああ、あかちゃんの笑顔ってこんなにしあわせな気持ちにしてくれるんだなと思いました。震災からまだそう年月も経っていないときで…、そういう気持ちもあったかもしれません。「笑顔をテーマにしたあかちゃん絵本を作りたいんですよね」と言ったら、出版社としてもそういう絵本を作りたかったとおっしゃって。それで『に〜っこり』を書くことになりました。

───テーマは“笑顔”。そこが出発点のシリーズだったのですね。

人にとって、幼いときの体験や環境っていちばん大事だと思います。あかちゃんたちがしあわせを感じられることが、あかちゃんにとっても大事だし、そういう世の中ならば、きっといい世の中になるはずですし。
いいあかちゃん絵本ができれば簡単にパッと世の中がよくなるわけじゃない。そんなに単純じゃないけれど、大人が怒りたい気分のときも 『に〜っこり』っていう笑顔の絵本が目の前にあることで、少しでも笑顔が増えれば、めぐりめぐってしあわせな世の中になるんじゃないかなあ…という思いがありました。
あかちゃんの笑顔って何物にも代え難いですよね。世の中、いろんなことが起こるけれども、“笑顔”がやっぱり必要だ!という気持ちがあったのかもしれないですねえ。

───最初からシリーズの予定だったのでしょうか?

最初は2冊のつもりで、『に〜っこり』と『おいし〜い』を書きました。3冊目を書くことになってじゃあ『おやすみ〜』でおしまい、と思っていたんです。

おいし〜い
おいし〜いの試し読みができます!
作:いしづ ちひろ
絵:くわざわ ゆうこ
出版社:くもん出版

ころころおにぎり、ほくほくのかぼちゃ、とろんとろんのスープ・・・。いろんなごはんを口にして「おいし〜い」の笑顔がたっぷり!最後には、ママの手作りで、みんなが大好きなものが登場しますよ。ママ・パパみんなでおいし〜い!家族みんなでとっても幸せな気持ちになれる一冊です。

おやすみ〜
おやすみ〜の試し読みができます!
作:いしづ ちひろ
絵:くわざわ ゆうこ
出版社:くもん出版

くもん出版より2013年刊行の『に〜っこり』、2014年刊行の『おいし〜い』に続く、石津ちひろさん作、くわざわゆうこさん絵による絵本の3作目です。 はみがきをてつだってくれるハブラシさんや、おそらでひかるおほしさん・・・。赤ちゃんが一日のおわりに、自分の身の回りにあるものに対して「おやすみ〜」とあいさつする様子を絵本にしました。お話の最後には、大好きなママやパパも登場します。 前作に続き、石津ちひろさんのリズミカルで心地よい言葉と、くわざわゆうこさんのかわいらしく温かいタッチの絵で展開します。 家族みんなでとっても幸せな気持ちになれる一冊です。

───表紙の色が、黄、赤、青の3冊ですね。

ええ。たべものも大事だし、あかちゃんにとって寝ることも大事だし、それぞれ生活に身近なテーマですよね。そしたら「あと1冊書いてください」とお声かけいただいて、また「あと1冊」と(笑)。
『ぷっぷっぷ〜』と『ばあ〜っ!』は最初の3冊とはちょっと違って、音のおもしろさとか、言葉への欲求、楽しみみたいなものがテーマになっています。


『ばあ〜っ!』の中で石津さんお気に入りの場面。「アヒルさんとこの子の、2人の感じがとても自然で、好きです」とのこと。


「ママもパパもいない…」こちらの場面も子どもたちに人気。(『ばあ〜っ!』より)

『ばあ〜っ!』は、娘とのある思い出がきっかけになっています。まだ娘があかちゃんのとき、私が何かで落ち込んで一人で泣いていたことがありました。そしたら小さな娘がピアノのかげから顔を出して、「ばあ〜っ!」と言って笑ったのです。何度も「ばあ〜っ!」と笑顔で顔を出してくれて、しあわせな気持ちになりました。将来どんなに迷惑をかけられても、このことを思い出して我慢しようって思ったくらい(笑)。

泣いていた理由は思い出せないくらい些細なことだったんですが、子どもが小さい時期はあまり自由に動けないし、感じやすくなっていたのかもしれない…。新米のママはそういうことがあるんじゃないかしら。

───娘さんの「ばあ〜っ!」を想像するだけで、ぐっときてしまいます。ママがなぜ泣いているのかわからないけど、いないないばあの楽しい気持ちを、ママにわけてあげたいと思ったのかもしれませんね。

2013年に『に〜っこり』が出版されたのですが、その少し前から姪っ子甥っ子の子どもたちが次々生まれて、いちばん上のリュウくんからいちばん下のユウキくんまで、幼い子どもたちが身近にいることが新鮮でした。“孫みたいな存在”ができたことと、子育て時代を思い出したこと。いろいろなことが混じり合って、このシリーズは生まれました。

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石津ちひろ(いしづちひろ)

  • 1953年愛媛県生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。3年間のフランス滞在を経て、絵本作家、翻訳家として活躍中。『なぞなぞのたび』(フレーベル館)でボローニャ児童図書展絵本賞、『あしたうちにねこがくるの』(講談社)で日本絵本賞、『あしたのあたしはあたらしいあたし』(理論社)で三越左千夫少年詩賞を受賞。訳書に『リサとガスパール』シリーズ(ブロンズ新社)他多数。

作品紹介

ばあ〜っ!
ばあ〜っ!の試し読みができます!
作:いしづ ちひろ
絵:くわざわ ゆうこ
出版社:くもん出版
に〜っこり
に〜っこりの試し読みができます!
作:いしづ ちひろ
絵:くわざわ ゆうこ
出版社:くもん出版
おいし〜い
おいし〜いの試し読みができます!
作:いしづ ちひろ
絵:くわざわ ゆうこ
出版社:くもん出版
おやすみ〜
おやすみ〜の試し読みができます!
作:いしづ ちひろ
絵:くわざわ ゆうこ
出版社:くもん出版
ぷっぷっぷ〜
ぷっぷっぷ〜の試し読みができます!
作:いしづ ちひろ
絵:くわざわ ゆうこ
出版社:くもん出版
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