貝の火 貝の火
作: 宮沢 賢治 絵: おくはら ゆめ  出版社: 三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
親子のひばりは、沢山おじきをして申しました。 「これは貝の火という宝珠でございます。 王さまのお伝言ではあなた様のお手入れ次第で、この珠はどんなにでも立派になる
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宇宙人は子どもが描いたデザインを採用しました。

───四角いフォルムの電車のイメージを生かしながら、ジェットコースターや潜水艦など、違う乗り物のフォルムに変えていくのは大変ではなかったですか?

そうですね。まじめさんがどんなふうに変身していくかは、かなり何度も描き直しました。ジェットコースターなど、いくつかの絵は、絵を仕上げた後で、さらに描き直したものもあります。

───原画を描き直したのですか?

はい。最初の原画では、四角いフォルムを生かしたジェットコースターだったんです。でも、もっと変身させた方が面白いと思い、顔の部分だけ描き直して、原画に貼り付けました。

───原画にさらに手を加えるなんてすごいですね。ほかに原画の段階で修正したところはあるのでしょうか?

いわおとこの場面も、最初はもっと線路でぐるぐる巻きになっていたんです。でもちょっとぐるぐるに巻きすぎていると編集者さんに言われて、線路をシンプルにしました。

───絵本を拝見すると、岩の質感や、海の中の光の加減などが、すごく印象に残りました。ここはどんな描き方をしているのですか?

岩の部分は、セロファンのような透明なフィルムに色を塗って、もう一枚フィルムを重ねて剥がして作っています。何回も剥がしていくと、こういう岩の絵のような質感のフィルムができるんです。海の中のグラデーションは塩を使いました。


岩の質感にもこだわりが……。

───塩ですか?

はい。先に色を塗って、絵の具が乾かないうちに上から塩をまくと、塩が水分を吸収して、周りだけ白くなるんです。

───そういうテクニックはご自身で研究するんですか?

そうですね。いろいろな絵本や古い海外の画集を読んで、気に入った描き方を見つけると、それがどうやって描かれているかを調べて、試してみます。塩を使うのは、水彩画の技法のひとつなのですが、どの塩とどの画材を組み合わせるのがいいのか、水の量は、塩をふるタイミングは……など、納得するまで何回も試してみて、自分の中に技術をしみこませていきます。

───1枚の絵の中にも、いろいろな技法が使われているのですね。

フィルムを使った素材などは、山ほど素材を用意して、その中から、絵にピッタリの部分を探して使っています。

───仕上げるまでに、たくさんの習作を作っているのですね。さて、たぬきのおかげでいろいろな乗り物に変身できて、次第に楽しくなってしまうまじめさん。途中から顔もなんだか優しくなってきた気がします。

物語の最初のころは、真面目一徹。何があっても曲げませんという表情でしたが、おはなしが進むにつれ、ちょっとフォルムも柔らかく感じられるようにして、優しい雰囲気が出るように表情も変えました。

───そして、ロケットに変身して宇宙へ! ついにまじめさんは「でんしゃに もどりたくなくなりました。」というくらい、宇宙が気に入ってしまいます。この宇宙のシーンも、とてもきれい。

ありがとうございます。

───ゆっくり宇宙を楽しんでいる、穏やかな場面……と思って、ページをめくると宇宙人の大迫力! ここのギャップも子どもたちは大好きですよね。

この宇宙人もどんなビジュアルにするか、かなり悩みました。最初はページの右上にいる宇宙人が集団で登場する場面だったのですが、かなり怖くなってしまい……(苦笑)。最終的に、うちの子どもたちに「ちょっと宇宙人を描いてみて!」と頼んで、上の子の宇宙人を採用することにしました。


ピンク色の宇宙人が、お子さんが描いた宇宙人なのだそう。

───この中に、お子さんが描いた宇宙人が入っているんですね。自分が描いた宇宙人が絵本に載っていると知ってどんな反応をしていましたか?

すごく嬉しそうにしていました。絵本を二人に見せたら、下の子はずーっと大笑いしてました。

───宇宙人たちの登場はビックリしますが、とてもカラフルなので、怖い印象はあまり感じませんね。

ありがとうございます。今回、特に開いた画面の色彩を考えて、それぞれテーマカラーをイメージして絵本を作ったんです。

───おばけだこのページは赤、だいだらぼっちのページは茶色という感じですね。

はい。そうすることで、ページをめくったときの印象がガラッと変わって、インパクトも出てくるかなと思いました。

───青い鳥がずっと電車を追いかけています。これって子どもは、気づきますよね。

そこに気づいてもらえると、とても嬉しいですね。メインストーリーとは関わっていませんが、青い鳥も、たぬきやまじめさんと、一緒に冒険をしているので、見つけてみてください。

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田中 友佳子(たなかゆかこ)

  • 東京生まれ。幼少期を、自然に恵まれた神奈川県津久井郡で過ごす。 武蔵野美術大学卒業。在学中はリトグラフに熱中。 趣味は読書とランニング。特に自然の中を走ることが大好き。 作品に『こんたのおつかい』『かっぱのかっぺいとおおきなきゅうり』『にげだしたてじなのたね』『こんた、バスでおつかい』(徳間書店)などがある。

作品紹介

たぬきがのったら へんしんでんしゃ
たぬきがのったら へんしんでんしゃの試し読みができます!
作・絵:田中 友佳子
出版社:徳間書店
全ページためしよみ
年齢別絵本セット