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作・絵: ヨシタケシンスケ  出版社: PHP研究所 PHP研究所の特集ページがあります!
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描き上げた原画を、すべて描き直しました。

───おはなしの部分や、各ページの小さいイラストは手描きで描かれていますが、文様はデザインを使って描かれていますね。

普段はあまり異なる手法で描くことはないので、カチッとしたデザインの文様と手描きの絵のバランスを取るのはなかなか大変でした。
ただ、最初からこの形に決まっていたのではなく、何パターンかタッチの候補を描いてみて、作品に合ったものを模索していきました。

───そして、今の手描きとデジタルの描き方に落ち着いたんですね。

私は普段、イラストのお仕事をするとき、線画の部分を手書きで描いて、そのあと、スキャナーで取り込んで、彩色はデジタルでという形で進めることが多いんです。今回の絵本も、何回かタッチを模索する中で、イラストレーションと同じスタイルで行こうと決めていて、一度、全てのページを描き上げました。
でも、描き終わった後、改めてみたとき「なんだか違うな……」と感じてしまって……。そこで、編集者さんと相談して、手描きで全部描き直すことにしました。

───一度、描き終わったのにですか?

はい。どうしても絵の中に人が暮らしている感じの気配が感じられなかったというか、もともと、かなり力強い絵を描くタイプだったので、なかなか、この絵本のような柔らかい色を使ったタッチを描くことに抵抗があって、最初はそこに舵を切ることができなかったんです。
でも、デジタルで描いた作品に納得がいかず、一度完全に煮詰まってしまって、描けなくなって……。それで、しばらく絵本を寝かせて、ほかのイラストの仕事を進めたりしていました。
結局、手描きで行こうと決めて、描きはじめることができたのが、去年の12月ごろでした。

───どのくらいの期間、制作がストップしていたのですか?

半年くらいかな……。でも、その期間に「どういう絵で、私はこの『文様えほん』を描きたいんだろう……」と、ずっと考えていました。
そのとき浮かんだのが、江戸時代の日本の風俗絵などのタッチ。すごくシンプルな線、シンプルな色なのに、対象としているもののニュアンスが伝わる。そういう絵を描きたいとイメージできるようになりました。
そこでイメージが固まったので、再開してからは迷いも吹っ切れて、あっという間に描き上げることができました。

───それでも、文様の世界地図があったり、各ページのイラストカットがあったりと、かなりの点数、描き上げなければいかなかったんですよね。

そんなに大変じゃなかったと言うと、語弊はありますが、描けば描いた分だけ完成に近づいている実感がありましたから、クリアしていく感じというか、とても充足感がありました。
文様の世界地図も、「こう描きたい!」というイメージが自分の中にあったので、すごく楽しかったですね。むしろ、狂言回しである人物達が登場するシーンの方が、難しいと感じていました。

───では、最初の場面や最後の場面が大変でしたか?

はい。より絵本的に感じるところの、ちょっとしたさじ加減は、絵本を編集されている編集者さんと密に相談しながら、進めていきました。


原画の一部を見せていただきました。

───原画を見せていただいているのですが、かなり大きく描かれていて、迫力がありますね。

細かく描かなくてはいけないですからね。どのページのイラストも、絵本のサイズよりも、1.5倍以上大きく描いています。

───やわらかい色も、温かみを感じます。どんな画材を使って描いたのでしょうか?

題材によって、テクスチャーは色々変えているのですが、基本は色鉛筆と、アクリルガッシュを使っています。
アクリルガッシュの中に「ジャパネスクカラー」という、顔彩のような色味のシリーズがあって、今回は、この画材しか絵具は使わないと自分の中で決めていました。和の風合いが出て、自分の中でも気に入っています。

───文様についていろいろ調べて、絵本にまとめていく中で、特にお気に入りの文様などはありましたか?

どうでしょう……。もうどれも思入れが深くなりすぎて、全部お気に入りです(笑)。この絵本も、私が文様について全く知らない状態から調べてまとめたからか、私が「文様って面白いんだよ」「こんな成り立ちで、この文様が生まれたんだよ」という驚きや興奮がそのまま詰まっているような感じがするんです。

───読み進めていくと、文様が特別なものではなく、私たちのとても身近なところにあるということを知ることができました。

今も昔も、身近な生活の中に、文様があるんだよということは、伝えたかったことのひとつですね。


文様の世界地図のページと、その原画。

───文様の世界地図から、文様の旅の地図までで、一気に文様の世界的な広がりを紹介した後に、また日常の生活の中にある文様に戻ってくる。
季節や行事を感じさせる文様のページは、子どもたちになじみ深い、ひな祭りやこどもの日にゆかりのある文様が紹介されていて、とても楽しかったです。

ひな祭りのひな人形や、子どもの日に飾る兜やこいのぼりの中にも文様はたくさん描かれています。
これからの季節はやはりお正月。新年などのおめでたいお祝いには「吉祥文様」と呼ばれる文様が欠かせませんので、家族みんなで文様を探してみてもらえたら嬉しいですね。

───これだけ、文様が身近にあると感じられると、紙と鉛筆を手に、文様を描きたくなってしまいます。

それ、面白いですね。きっと、昔の人たちも、そうやって先人の作った文様を真似する中で、何か別のものを作ったりして、どんどん広がっていったと思います。その心意気を面白いと思えるのが、文様の懐の深さなんですよね。

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谷山彩子(たにやまあやこ)

  • 1966年、東京生まれ。セツ・モードセミナー卒業。HB Gallery勤務の後、フリーのイラストレーターに。「暮らしの手帖」(暮らしの手帖社)、「クウネル」(マガジンハウス)などの雑誌や、「グレアムグリーン」シリーズ(早川書房)などの書籍の装画、様々な企業広告、また、昨今はテキスタイルなども手がけている。

作品紹介

文様えほん
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作・絵:谷山彩子
出版社:あすなろ書房
全ページためしよみ
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