すうじかるた 100かいだてのいえ すうじかるた 100かいだてのいえ
作: いわい としお  出版社: 偕成社 偕成社の特集ページがあります!
かるた以外の遊び方もたくさん! 絵本から生まれたあたらしいかるた
りおらんらんさん 30代・ママ

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実は猫好きではなく……苦手でした。

───鈴木さんの絵本デビュー作は、何にでも姿を変えるふしぎな猫が出てくる『ぼくのにゃんた』(ブロンズ新社)。この絵本はどのような発想で誕生したのですか?

『ぼくのにゃんた』は、ぼくがTwitterで発表していた「#猫描き」をベースに作った作品なんです。「猫描き」とは、「猫」と「描」という字が似ていると発見したことではじめた遊びで、『ぼくのにゃんた』にもでてくる、「バニャニャ」や「ニャワー」なんかを紙に描いて配信していました。

───「ネッコレス」や「ニャドカリ」「スニャ」「ニャイス」……にゃんたが変身するものがこれでもかと出てきて、言葉遊びとしてもとても楽しめました。こんなに猫についての言葉が出てくるなんて、きっと鈴木さんは猫好きに違いない!……と思ったのですが……。

子どものころは猫が苦手でしたね。実家がスーパーなのですが、お店と家を行き来する道の隙間からよく猫がシュッて飛び出してくることがあって。特に夜は、目が光っているから、余計に不気味。犬を飼っていたこともあってか、猫より断然、犬派でしたね。

───それなのに、なぜこんなにユニークな猫を描いたのですか?

仲良しだった友だちが猫好きで、猫についてのエピソードをいろいろ教えてくれたのが良かったのかもしれません。気づいたら、猫がすごく不思議な存在になっていて、子どものころに抱いていたような恐怖心も消えていました。
今は、ほかの猫好きの皆さんと同じように、Twitterで子猫の動画とかが流れてくると見て、癒されています(笑)。
ただ、『ぼくのにゃんた』で描きたかったのは、猫ではなく、にゃんたが変身した「もの」の方。「もの」と人と猫とを区別しない世界を表現したいと思いました。

───だから絵本の表紙のデザインも、「にゃ本」になった、にゃんたなんですね。

そうです。よく見ると、みんなの本棚に並んでいる絵本の中にも「にゃ本」になったにゃんたがいるかもしれません……。『ぼくのにゃんた』は、ものの見方の面白さや、ものに宿っている“何か”を感じてほしいと思って、作りました。

───いつもぼくと一緒にいたにゃんたですが、友だちから「きみのめには ねこがいるね」と言われたことを境に、どこかへ行ってしまいます。
この場面からさらにグッとストーリーに引き込まれていきました。

子どものころ、ずっと近くにいたものが、あるときを境に、自然と距離ができてしまうことってあると思います。ぼくは、ものと自分の境界がとても曖昧だった子ども時代から脱却し、成長する過程で、そんな風に感じることがありました。

───ご自身の経験が、物語に反映されているのですね。

最初のころは、単純ににゃんたが変身することだけを見せるおはなしにする予定でした。しかし、沖本さんとやり取りを繰り返す中で、ぼくの中のものに対して抱いていた思いと、絵本の中のにゃんたがひとつになって、おはなしが固まってきました。

───大事にしていたものがいつのまにか、なくなってしまうという喪失感は、誰もが経験することだと思います。『ぼくのにゃんた』を読んでいると、身の回りにあるものに「にゃん」や「ねこ」という言葉をつけて、にゃんたを探してみたくなりますね。

探してもらえたら嬉しいです。もともと、『ぼくのにゃんた』と『りんごとけんだま』はほぼ同時期にアイディアが生まれて、制作を進めていたものなんです。どちらもアイディアの種は、過去に制作した作品の中にありましたが、あらためて絵本という媒体で表現してみたいテーマでした。

───どちらを先に出版するか、悩みはありませんでしたか?

悩みました……。正直、今でもこの順番で良かったか悩むときもあります(笑)。でも、先に『ぼくのにゃんた』を読んでくれた方が、「鈴木康広ってどんな人なんだろう……?」って興味を持ってくれて、ぼくのアート作品を見てくれる。すると『りんごとけんだま』を読んだとき「あのアート作品が、この絵本にも登場している」と気づいてもらえるのではないかと思いました。

───絵本とアート作品を行ったり来たりすることで、より深く鈴木さんの作品のことを知ることができそうです。今回、『ぼくのにゃんた』『りんごとけんだま』と絵本を作ってきて、鈴木さんの中で、絵本に対して意識が変わったことなどありましたか?

そうですね。どのジャンルもそうなのですが、むやみにほかのジャンルを超えてはいけないという暗黙の了解のようなものが、最近の風潮としてあるような気がしているんです。だから、今回、現代アートの世界にいるぼくに絵本を作るチャンスをいただけたことは、とてもラッキーなことだと思うんです。
幸運なことに、ぼくが「絵本」を作るきっかけを与えてくれたヨシタケシンスケさんもイラストレーターという、他ジャンルから絵本に飛び込んで、その風潮を打ち破ってくれた存在ですよね。そういう存在がいて、今回、ぼくが絵本を作らせてもらって、ぼくの中の絵本に対する思い込みが、ちょっと外れたような感じがしています。

───今後も読者の空想する力を刺激するような作品を作っていきたいと思いますか?

機会があれば、ぜひチャレンジしてみたいですね。ただ、今回お話させていただいて分かるように、『ぼくのにゃんた』と『りんごとけんだま』は、今まで作ってきた作品を、絵本にしたものという認識が強いんです。
もし、ゼロから絵本を作ってくださいと言われていたら、ぼくは正直、困っていたと思います。
だから今は、絵本のことをより深く理解して、またぼくにしか描けないものが見つかれば、絵本にしてみたいと思います。

───鈴木さんの次回作もとても楽しみです。今日は本当にありがとうございました。

「鈴木康広 始まりの庭」

鈴木康広さんの作品、約71点が一堂に会した展覧会が現在、箱根 彫刻の森美術館で開催中です。

会期:2017年8月5日(土)〜 2018年2月25日(日)
会場:彫刻の森美術館 本館ギャラリー / マルチホール(〒250-0493 神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121)
開館時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:なし(年中無休)
入館料:大人1,600円 / 大・高校生1,200円 / 中・小学生800円
URL:http://www.hakone-oam.or.jp/specials/2017/spontaneousgarden/

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異才発掘プロジェクトROCKET

東京大学先端科学技術研究センターと日本財団が共同で行っているプロジェクト。
強い個性やユニークさ故に、いまの学校になじめない子どもたちを集め、中邑賢龍教授を中心としたROCKETの研究員たちが、新しい学びの場所や自由な学びスタイルを提供しています。
鈴木康広さんも、ROCKETに研究員のひとりとして携わっているそうです。
URL:https://rocket.tokyo

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鈴木康広(すずきやすひろ)

  • アーティスト。1979年、静岡県浜松市生まれ。
    2001年、東京造形大学デザイン学科卒業。日常の見慣れたものを新鮮な感覚でとらえ直す数多くの作品を制作。
    代表作に「ファスナーの船」「まばたきの葉」「空気の人」「りんごのけん玉」などがある。
    2014年、水戸芸術館で個展を開催。2016年、「ロンドン・デザイン・ビエンナーレ2016」に日本代表として公式参加。2017年、箱根彫刻の森美術館で個展を開催。
    2014年、毎日デザイン賞受賞他受賞多数。作品集に『まばたきとはばたき』『近所の地球』(共に青幻舎)、絵本に『ぼくのにゃんた』『りんごとけんだま』(ブロンズ新社)がある。
    武蔵野美術大学空間演出デザイン学科准教授、東京大学先端科学芸術センター中邑研究室客員研究員。

作品紹介

りんごとけんだま
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作:鈴木 康広
出版社:ブロンズ新社
ぼくのにゃんた
作:鈴木 康広
出版社:ブロンズ新社
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