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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  切なくてあたたかい、小さな「わすれもの」の気持ち『わすれもの』豊福まきこさんインタビュー

やり直しがきかない。透明水彩の潔さが大好きです。

───緑色のみずみずしさや、雨が降っている場面のしっとりとした雰囲気など、透明感のある絵がとても魅力的だと思いました。どのような画材を使っているのですか?

透明水彩という画材を使って描いています。イラストレーターをはじめた頃から、この画材をすごく気に入って、使っているんです。

───どんなところが、透明水彩の魅力ですか?

やり直しがきかないところです。

───やり直しがきかない? それは、描き直しがあったとき、大変ではないですか?

色を選び間違えたと思ったら、「あーダメだ。イチからやり直し」と言って、ほぼ描き上がっていても最初から描き直しします。
イメージとしては、書道のように、筆を手に、半紙に向かっている感じ。失敗したらやり直し、という緊張感が、怖いけれどとても心地いいんです。
それと、水彩は早さも重要。にじみなどを計算して、乾かないうちに色を乗せていかないといけません。そのスピードを要求される感じも楽しいんですよね。

───『わすれもの』でも、描き直したページがあるのですか?

はい。例えばぬいぐるみがきれいに洗われて、ほかの洗濯物と一緒に干されているページ。最初は安心した気持ちを感じるような、穏やかな薄いグリーンで描いていました。でもここは、「ああ よかった!」という嬉しい気持ちが空いっぱいに広がるほうがいいと後から思いました。心の内を表すためには、思いっきり青い空のほうが、爽快感が出る。それで、青を何パターンが試し描きをし、私が感じる気持ちの良い青空の色を選んで描きました。


描き直しをする前の原画を見せてもらいました。

───空の色だけでなく、洗濯物の色も変えたのですね。

青い空にすると、今度は、ヒツジがきれいになった姿がもっと分かるように描きたいと思いました。そこで、真っ白い色はヒツジの毛の色だけにして、ほかは白が引き立つような色になるように変更しました。わかりづらいかもしれませんが、白く見えるタオルにもうすく色を入れています。そういう細かい調整を何度もしました。


完成したページには、気持ちのいい青空が広がります。

───ほかにも、原画が完成した後に描き直したページはありますか?

最初の公園の場面も、当初はもっと夕暮れの絵でした。でも、夕焼けがきれいな日の夜に、雨が降り出すのは変ですよね? それに気づいて、夕暮れの絵はやめることに。もう少し時間を早めて、緑が映える昼間の場面に変更しました。

───同じ構図でも、色が違うと、雰囲気もグッと変わりますね。先ほど、雨の場面が描きたくて、おはなしが生まれたと聞きましたが、絵を描いていて、一番、思い入れのあるページはありますか?

それはやはり、この表紙ですね。表紙って本の顔ですよね。普通、本の表紙というと、すごく華やかな、パッと目に飛び込んでくるような絵をイメージすると思うんです。でも、私はどうしてもこの暗い表紙を描きたくて。出版社さんに「暗い色を使いたいんです」ってお願いしました。

───たしかに、絵本の表紙としては落ち着いたデザイン。でも、気になる表紙だと思いました。

ありがとうございます。今回、表紙だけでなく、カバーや本文のデザインもやらせていただきました。慣れないことも多く、すごく不安でしたが、完成したとき、自分が作りたいイメージの絵本を作ることができた達成感を強く感じました。

───通常、絵本の文字のセレクトや、表紙のデザインはプロのデザイナーさんに依頼することが多いですが、今回は豊福さんがすべて作られたのですか? 

はい。グラフィックデザイナーをしていた頃の経験が生きました。
例えば、絵本の表紙で考えると、『わすれもの』の文字は、すごく細いと思うんです。もっと太く、目立たせることも考えたのですが、作品のイメージを伝えるには、このデザインしかないと思っていました。
出版した後に、人から「わすれものの寂しい気持ちが、題字からも伝わってくる」と言ってもらい、ホッと胸をなでおろしました。書店でも地味に目立っているそうです。

───周りがにぎやかな表紙ばかりだからこそ、グッと抑えた表紙が注目されたんですね。ぬいぐるみの心細い表情も、印象的に残ります。

ありがとうございます。実は、このヒツジのぬいぐるみ、実物があるんです。


豊福さんが作ったヒツジのぬいぐるみ。

───すごくかわいいです。これは、前から持っているぬいぐるみなんですか?

この作品を描いた後、自分で作ったぬいぐるみです。裁縫は得意なわけでもないのですが、絵を描いているときに「こういうぬいぐるみがあったら楽しいだろうな……」と思って、作ってみました。このコは今、私の仕事場で仕事ぶりを見守ってくれています。

───こんなにかわいいぬいぐるみに見守られたら、仕事もはかどりそうですね。

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豊福まきこ(とよふくまきこ)

  • 東京都出身。武蔵野美術大学造形学部卒業。広告代理店でグラフィックデザイナーとして勤務したのち、フリーランスのイラストレーターに転向。
    新聞・雑誌・バレエ専門誌・児童書籍の挿絵など幅広く手がける。

作品紹介

わすれもの
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作:豊福 まきこ
出版社:BL出版
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