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作: ますだ ゆうこ 絵: たちもと みちこ  出版社: 文溪堂 文溪堂の特集ページがあります!
行事絵本シリーズ最新巻!
まゆみんみんさん 40代・ママ

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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  新米パパママへ贈る 子育てはツライ!?楽しい!? 本音トーク 座談会 【ヨシタケシンスケさん、書店員 花本武さん、編集者 跡辺さん & 沖本さん】

落っこちそうなママを水際で救いたい!

───どんなふうに家事育児を分け合うかは、夫婦の大問題ですよね。沖本さんと跡辺さんはどんなふうにされているんですか?

跡辺:うちはもう、家事育児は私が担当ですね。夫は帰りが遅いので時間がないし、元々が先輩後輩の関係だったこともあるので、体育会系のノリで「後輩がやります!」みたいなところが多少あるかも(笑)。
ただ、子どもが小さかった頃の夫は、物理的に家事育児に時間は割けなかったけれど、私のほうから相談はたくさんしたし、アイデアをもらったりもして、大変な時期を乗り越えられたのかなとも思います。

沖本:うちは、曜日でフリーの日が決まっています。私は月・木・日。夫は火・水・金・土がフリーと。それぞれ子ども担当の日は、ワンオペで家事も育児もまわすと。
うまくいかないときに手伝ってもらえると「あ、今日は当番じゃないのに悪いね〜」となるし、子どもも「きょうはどっちがおむかえのひ?」とか明るく聞いてきて楽しそうです。でも最初からそうできたわけじゃなくて、数多くの地獄のようなケンカを乗り越えての現状ベスト(笑)。あくまで、これがベースなだけで、実際は臨機応変に変えてはいますけどね。
この曜日制のおかげで残業したい時はしたり、夜に人と会ったり、自分の時間も確保できています。

花本:それはすごいですね。うちも普段は大丈夫なんですが、子どもが病気になったりすると、一気に家事育児の分担のバランスが崩れて、妻の朗らかな雰囲気がなくなります。そのときにいろんなマイナスの感情がバッと噴出します。

ヨシタケ:わかります。ふだんちょっとずつ我慢していたんだなと。そういうときにバッと出ますね。

───作家さんとしても執筆時間が確保できないストレスはあって当然でしょうからね…。

ヨシタケ:本当はパパもママも同等な立場で一緒に子育てをするのが、いちばん理想ですよね。でもぼくの場合、基本的には妻がずっと家にいて、子どものことや家事を担うパターンなので、絵本を描くときもそれがベースになってしまうところはあるんです。たとえばお母さんがエプロンして家事をしている場面がけっこう出てくる。
ママとパパがステレオタイプになってしまって、僕自身がそこに当てはまりたいわけでもないし、一般的にそれがあたりまえだと思っているわけではないんですけど…。

───伝わりやすさを考えると、そういうママとパパの表現になるということですよね、きっと。

ヨシタケ:そうなんです。その葛藤はすごくあります。『ヨチヨチ父』を読んでイラッとするママもいると思います。

沖本:うちの場合は、洗濯と食事を分けてそれぞれ担当してもうまくいかないし、あんまりケンカが多いから。子どもがいるのにケンカをすること自体もよくないじゃないですか。だから、「(今4歳の息子が)小学校に入ったら離婚しようぜ」って夫婦で話して(笑)。

一同:ええっ!

沖本:本当に離婚するわけじゃないんですけど、そう思うことでお互い危機感もって、子どもを自分1人でも育てていけるように生活を変えようと。あと、「もう離婚しようよ!」ていう不毛のやりとりがなくなる分、ケンカが減るかなと(笑)。とにかく今は全部シンプルに曜日分担制にして、パパママどちらも、家事と育児ができるようにがんばる、というスタンスに落ち着いています。1日をぜんぶ1人で切り回すと、それぞれの大変さもわかりますから。

花本:すごい〜。なるほどね……。妻が「育児に協力的なパパ」と一般的に言われるせりふの「協力的」というところがイヤだ、とよく言うんですよ。パパは子育てのアシスタントじゃない、協力するってなんだよ、と。

沖本:協力じゃない。パパも子育て最前線ですよ。

花本:でも、ぼくもじつはけっこう家で「協力する」という意識になってしまっているときがあって……(苦笑)。

ヨシタケ:本当はお前が司令塔になれということなんですよね。でもそれはすごくむずかしい。いちばん困りますね。

沖本:ママは、周囲に悪気なく「お母さんが働いていると子どもを保育園に預けてかわいそうね」と言われたり、「ママが美味しい料理を作ってくれるのが幸せよね」という幻想に追いつめられて、人知れず傷ついちゃうこともあるんですよね。でも成熟した社会では、もちろんパパが美味しい料理を作ってくれてもいい、ママが働いているからってかわいそうなんかじゃない。夫婦で価値観がちがうことに悩んだこともありますけど、価値観がちがう2人が家にいるからこそ、子どもに有益なこともあるよね、と気づけたのが子育て4年目ですからね…。


パパの幻想も…。「スクラップ・アンド・ビルド」(『ヨチヨチ父』より)

ヨシタケ:沖本さんのは「理想」に近いけど、なかなかみんなが行ける場所じゃない。でも「理想」を言いつづけるのも大事だと感じます。『ヨチヨチ父』は、正解ってあるらしいけどなかなかできないよねという逃げ道の集大成なので(笑)。

沖本:だからこそ『ヨチヨチ父』が読者から絶大な共感を得られる、名著なんだと思います(笑)。でもね、ママとしては、早いうちにパパに子どもを「可愛いな」って思ってもらえるほうがラクだから。

ヨシタケ:それは、そうだね。

沖本:たとえば自信のないパパでも、「だるまさん」シリーズを読んであげて、「だ・る・ま・さ・ん・が」と自分が読む声にあわせて子どもが左右に揺れるのを見ると、「…かわいい!」って思うはずだし、『こねて のばして』で自分がつつくと、身をよじってキャッキャッと喜ぶ子どもを見たら、嬉しくなると思います。

───あかちゃんとパパが絵本を読んでいる姿を見たら、ママもきっと笑顔になりますよね。


『だるまさんが』(ブロンズ新社)


「どてっ」


においを…かいだら…(『こねてのばして』より)


コチョコチョコチョ!

「あかちゃん師匠」のお世話をさせていただいています。

───花本さんは、絵本の読み聞かせをしていますか?

花本:していますよ!『えじえじえじじえ』(クレヨンハウス)を読むととても喜びます。谷川俊太郎さんが言葉を書いて、佐藤可士和さんが絵を描いているんですが、どうもこの本には有無を言わせぬよろこびがあるみたいで(笑)。「バババーン!」「ついっ」「キーン!」と激しく読むと大喜びです。声をたてて笑うのを見ると、可愛いし、こちらも元気になりますよね。
妻と『ヨチヨチ父』を読んでいて、親があかちゃんのお世話を「してる」というより「させてもらってる」感じがいいよね、と話しました。妻の言葉にハッとして、妻の考え方や「あかちゃん観」がわかりました。大事な視点を気づかせてもらえてよかったです。


花本さん親子が大好きな『えじえじえじじえ』。

───絵本も読ませていただいている!と。

花本:そう! こういう機会をもらって、読ませていただいている!と。

ヨシタケ:言葉って大事ですね。子どもがもうちょっと大きくなると、お休みの日に「子どもに遊んでもらってきます」という感覚になるんですよ。その言葉がふっと出てきたときに、いつもしていた行為の意味合いが、急にちがってきます。「この子と遊んであげて」と言われたときに「遊んでもらってきます!」「思い出を作らせていただいてきます!」と思って行くと、その言葉からはじまるコミュニケーションはポジティブなものに変わりやすいし、記憶に残りやすい。言葉ひとつで行為のコンセプトは変わりますね。


「赤ちゃん師匠」(『ヨチヨチ父』より)

沖本:パパの天然ぶりから生まれる笑いが、家庭を救うこともありますよ。私の調子が悪かった時期、自分がわが子のいちばん可愛い時期を不幸なものにしてしまうかも、という意識で夜眠れなくて、寝てる夫に「ごめん」と布団をかけたことがあったんですよ。そしたら、夫が寝言で「……はい、お勘定!」って返してきて(笑)。妻が病んで、明日どうなるかもわからなくて、家庭が崩れかけているのに、この人居酒屋にいる夢を見ている……!と。
「いろいろ、ばかばかしいな」と思ったら笑えてきて、そこから調子も戻ってきました。最後はユーモアの勝ちですよね。

花本:ぼくもそういう仕事ならできているかも(笑)。

沖本:お父さんのそういう意図しないファインプレーで、落っこちる水際ぎりぎりで育児しているママが救われたらいいなと。お母さんが1人で子育てを背負うのではなく、お父さんがもっと一緒なら家庭に笑顔も増えるし、親が笑っていると子どもよくわからなくても楽しそう。あと、しょうもない笑いで家の空気って一気に変わるから、絵本を通じてそういう瞬間が提供できたらいいなと思います。お父さんが読み聞かせする姿って、それだけで妻から見るとほほえましいですしね(笑)。

跡辺:小さなことが積み上がって、パパと子どもの関係はできていきますもんね。

沖本:いきなりあやして笑わせるのは難しいかもしれないけど、『こねてのばして』や「だるまさん」シリーズの絵本があれば大丈夫。ぜひパパに、読み聞かせデビューに使ってみてほしいです。絵本を読んで子どもが笑ってくれると、「オレも意外といけるじゃん」って思ってもらえると思います。「ママがいなくても大丈夫じゃない?」と。何より、短いから読むのも楽ですし、簡単ですから。

ヨシタケ:そうですね。親子の関係ができていくきっかけになったらいいですよね。

───新米パパやママにとって、『ヨチヨチ父』や『こねてのばして』、「だるまさん」シリーズの絵本が、少しでも子育ての助けになるといいですね。ありがとうございました!

☆おまけ。子育てママの跡辺さん・沖本さんがツライときに救われたこの1冊☆

<跡辺さんのこの1冊>
『私たちは繁殖している』(内田春菊 著、ぶんか社コミックス)

『私たちは繁殖している』を読むことが、育児に追いつめられたときの心の支えになりました。たとえば、幼い子には健康的な食べ物を食べさせたほうがいいですよね。そういうことを夫も気にするほうだし、私も気をつけたいけど、ちゃんと料理する余裕がなくて追いつめられてしまうことがあって…。そんなときにこの本を読むと、「大丈夫。これくらい平気だ!」って思うことができました。たまには夜更かししても、体に悪いものを食べても大丈夫。何とか子どもは育つはず、と。何度も開いて、子育ての力をもらいました。



<沖本さんのこの1冊>
『こねこのハリー』(メアリー・チャルマーズ 作、おびかゆうこ 訳、福音館書店)

産後調子がすぐれない時でも、子どもが持ってくれば、何とか読んであげられていた「こねこのハリー」シリーズの1冊です。ささやかで、押しつけがましさがなく、余白があって力が抜けている。弱っている私の負担にならない本で、繰り返し読みました。寝床にもぐったまま読んであげられる軽さもいいです。本当は、調子が悪いときは無理して絵本を読んであげる必要なんてないのですが、私は本が好きなので、この本を読める回数が増えていくことが、自分の回復を図るバロメーターにもなりました。最後、ハリーが、本ののど部分(ページが綴じられている場所)に吸い込まれていく不思議な感じも好き(笑)。

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取材協力/MIRAIYA Bookmark Lounge Cafe 碑文谷
住所:東京都目黒区碑文谷4−1−1イオンスタイル碑文谷5F
電話番号:03-5725-2701(書店)03-5724-3502(カフェ)

インタビュー・文: 大和田佳世(絵本ナビ ライター)
撮影: 所 靖子



※期間内【2018年2月1日から2018年2月28日まで】にご回答いただいた絵本ナビメンバーの方全員に、 絵本ナビのショッピングでご利用いただける、絵本ナビポイント50ポイントをプレゼントいたします。
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ヨシタケシンスケ(よしたけしんすけ)

  • 1973年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。日常のさりげないひとコマを独特の角度で切り取ったスケッチ集や、児童書の挿絵、装画、イラストエッセイなど、多岐にわたり作品を発表している。『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)で、第6回MOE絵本屋さん大賞第1位、第61回産経児童出版文化賞美術賞などを受賞。著書に、『しかもフタが無い』(PARCO出版)、『結局できずじまい』『せまいぞドキドキ』(以上、講談社)、『そのうちプラン』(遊タイム出版)、『ぼくのニセモノをつくるには』(ブロンズ新社)、『りゆうがあります』(PHP研究所)などがある。2児の父。

作品紹介

ヨチヨチ父 とまどう日々
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作:ヨシタケシンスケ
出版社:赤ちゃんとママ社
こねて のばして
作:ヨシタケシンスケ
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