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「アクティビティブック」シリーズmpi竹村社長 大江パトリシアさん 中村麻里さん インタビュー

「英語」は、2020年から小学校3年生で必修、5年生は教科化となります。ほかの科目と同等に学んでいくことになる英語について、親子でどんな準備をしておくのが良いか、やはり気になりますよね。
全国の小学校で外国語活動用に使用されている教材を手掛ける出版社・mpiさんへの取材の機会をいただきました。ご紹介するのは、小学校中学年頃までに求められる力が身につくよう考えられた、オリジナル絵本とアクティビティブックです。アクティビティブックを手がけたのは、大江パトリシアさんと中村麻里さん。長年、絵本を使って子どもたちに英語を指導してきた実績のあるおふたりです。中村さんは「ドラえもんはじめての英語」シリーズ(共著:小学館)など、子どものための英語の本も多く手掛けています。
今回は、mpiさんへ訪問し、社長・竹村千栄子さんと、大江パトリシアさんへお話を伺いました。金沢在住の中村さんにはメールでインタビューさせていただいています。
記事の最後には、実際の絵本を使った英語教室のレポートも! 子どもたちの様子も合せてお楽しみください。


9作品のアクティビティブック、オリジナル絵本、DVD

英語教育でも、子どもたちに考えて発信する力が求められています

───オリジナル絵本とDVD、アクティビティブックを見て、充実した内容にびっくりしました。
絵本でおはなしを読んで、付属のCDで音声を、別売りのDVDではアニメーションの映像も楽しめます。さらにアクティビティブックでワークやゲームに取り組むことで、絵本の世界を広げて楽しめるようになっていると感じました。繰り返し英語のフレーズに触れるので、しっかりと頭に入ってきますね。

竹村:絵本はオリジナルのストーリーですので、ご存知ない方もいると思いますが、ご覧になると、多分すぐに楽しみ方を分かっていただけると思います。

───英語学習のために、このように絵本のセットになっているものは、なかなかないと思います。まず絵本を制作された経緯を教えていただけますか?


mpi社長 竹村千栄子さん

竹村:mpiは、もともと英語教室からスタートした会社です。先生方に指導法を教えるための教材を制作するようになり、今は出版社として位置づけられています。当初から、絵本は必ず教室の中でも使っていました。最初の頃は輸入の洋書絵本にオリジナルのCDをつけて使用していたのですが、そのままで日本の子どもたちに合った洋書絵本となると、なかなか適したものはなかったんです。

パトリシア:年齢に合ったおはなしの内容だと英語が難しすぎたり、逆に文章がシンプルだと内容が幼稚でしたり、ギャップがありますね。



英語絵本作家 大江パトリシアさん

竹村:そこで、内容と表現がどちらも日本の子どもたちの年齢に合ったもので指導ができるように、オリジナルの絵本を制作することになりました。だいたい幼稚園から小学校中学年くらいまで使えるように9冊のシリーズで作りました。

───絵本にはCDがついていて、DVDもあって、子どもたちはこれだけでも夢中になりそうです。音声は英語のみで、効果音がついたおはなしや、リズム読み、歌など、いろいろなバージョンで、おはなしの文章を聞けるのですね。


『Benji -Little Bear’s Underwear Scare-』おはなし読み


『Benji -Little Bear’s Underwear Scare-』リズム読み

竹村:読み聞かせのための「効果音つきのおはなし読み」と、文章をリズミカルに読む「リズム読み」は、輸入の洋書を使っていたころからずっと続けています。子どもたちが一緒に口に出して覚えやすい、という意味で、「リズム読み」はすごく効果があるんですよ。歌は繰り返し聞くものですので、歌詞も作曲もオリジナルで、音源はすごくこだわって作っています。

パトリシア:教室では、子どもたちが覚えたことを発表する機会を多く作っているのですが、子どもたちが、本を丸ごと覚えて発表してくれているのを見ると、感動します。

───アクティビティブックを作るきっかけは、どんなことだったのでしょうか?

竹村:通常絵本というとみんなで一緒に読んで楽しむものですが、英語教室の中での絵本は、絵本を使って、おはなしに出てくるフレーズや、例えば色や形などの単語を学んでいきますよね。そのときに、先生たちは、絵本のなかのページを使ったり、おはなしから広げたいろいろな指導をしていくのですが、実際にどうやって絵本を使ったアクティビティをすればいいのか、イメージが湧かないという方もいます。
そんな方のために、アクティビティを使って授業を楽しんだり、家庭で楽しんだりするための本を作ろう! ということになりました。

───そこで、中村麻里さんと大江パトリシアさんに制作を依頼されたのですね。

竹村:はい。おふたりは、オリジナル絵本3冊の作者でもありますが、ともに長年、絵本を使った指導法で子どもたちに英語を教えてこられた方です。そこでやっていらっしゃるアクティビティの要素やノウハウを、活かしていただきました。

パトリシア:中村麻里先生は、金沢で大勢の子どもたちを教えています。私も、英語の教室や、書店や学校で絵本を使って活動をしてきました。
英語の先生のためのセミナーやプレゼンテーションもしているのですが、やっぱり先生たちの中で、どんな風に英語指導に絵本を使ったらいいかわからない人も多くて、ただ絵本を読んで終わってしまうこともあるんです。でも子どもたちには、どうやってそのことばを楽しく覚えるかということが大事で、ストーリーに入り込んで、自分でそのことばを使ってみることや、何か作ったり、ゲームをしたりするのが一番。絵本を使ってアクティビティをすると、小さい子どもから本当に上達が早いです。

───アクティビティブックで行うアクティビティは、具体的にどんなものがあるのですか?

竹村:アクティビティは、「ことばをまなぼう Let’s Learn」「かんがえよう Let’s Think」「つくろう Let’s Create」「あそぼう Let’s Play」の4つのカテゴリに分かれています。

たとえば、『Goody Goody Gumdrops!』は、だんだん買うものリストが増えていくお買い物のおはなしなのですが、こんなアクティビティに取り組みます。

Goody Goody Gumdrops! アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス

【このアクティビティブックの特徴】 絵本に登場する食べものや動物を線結び、色塗りなどの子どもが大好きなアクティビティを通して学べます。 「ことばをまなぼう」「かんがえよう」「つくろう」「あそぼう」の4 部構成になっていて、子どもの「何かな? どうやる のかな?」を大切にしています。英語音声はアプリから聞くことができます。 mpi オリジナル絵本 アクティビティブック A4判 24頁 ステッカー(シール) カード ボードゲーム付

「ことばをまなぼう Let’s Learn」のページでは、ステッカーやカードを使って、おはなしと関連する新しい単語を学びます。

「かんがえよう Let’s Think」では、食べ物の絵の色塗りをしてその名前を英語で言ったり、動物と食べ物を結ぶなぞり書きをしたりします。

「つくろう Let’s Create」では、好きなトッピングの絵を貼って、オリジナルのお菓子を作って発表します。

「あそぼう Let’s Play」では、買い物を頼んで買ってきてもらうというごっこ遊びで会話をシミュレーションしたり、すごろくの買い物ゲームで遊んだりします。

───カードやステッカーがたくさんついていて、とてもかわいいですね。絵本のおはなしの内容と合っているので、絵本を読んだ後にやったらすごく盛り上がりそうです。すごろくも、英語でやりとりをしながらカードを集めるようになっていて、遊んでいるうちに自然に英語を口にしますね。

パトリシア:なるべくことばを使って遊べるように考えました。クラスやおうちで、そうやって遊んでもらえるといいです。

竹村:英語を遊びを通して使うことで、「英語ができる!」という自信も育まれるんですよ。

パトリシア:アクティビティブックは、とにかくインプットとアウトプットが楽しくできるように作っています。 「つくろう Let’s Create」のページも、できたものを英語で発表するように考えました。プレゼンテーションですね。

竹村:そこが大事ですよね。お教室ではみんなで発表することを必ずやっているのですが、普段からプレゼンテーションに慣れていれば、いざというときに練習しなくても堂々とできるんです。

───発表するところまでをトータルで考えられたアクティビティブックなのですね。

竹村:今までの日本の英語教育は、単元ごとにぶつ切りなところがあって、今日は「色」の授業、明日は「形」と、1回休んだらわからなくなってしまうようなところがありました。でもこうやって、同じものを繰り返しインプットして、アクティビティを行って、アウトプットする。しっかり自分の中に取り込んで、はじめて身になるのだと思います。
また、国としても学習指導要領が改訂され2020年から小学校から「アクティブ・ラーニング」※が導入されます。英語教育でも、子どもたちに考えて発信する力が求められています。そういった意味でも、小さい頃から英語で発表することが身についているのはとても意味があることだと思います。


※アクティブ・ラーニング…生徒が受動的にではなく、能動的に学ぶことができるような授業を行う学習方法

パトリシア:こういうアクティビティブックは、日本でほかにあまりないと思いますね。海外ではアクティビティブックの要素がある教材はあるのですが、今は日本国内では、とてもオリジナルのアイディアだと思います。とても必要なことなので、今後は日本でもこういう教材が増えてくるかもしれませんね。

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竹村千栄子(たけむらちえこ)

  • (株)mpi松香フォニックス 代表取締役社長

大江パトリシア(おおえぱとりしあ)

  • イギリス、ケント州出身。日本の英語教育に従事するかたわら、数多くの紙芝居と絵本を創作。著書に『Peter the Lonely Pineapple』 『Blue Mouse, Yellow Mouse』 『Lily and the Moon』などがある。英会話を教えていて、英語の先生のためのワークショップを開催しながら、ナレーションの活動や子どものイベントなどもしている。

中村麻里(なかむらまり)

  • 金沢市にて高レベル指導の英会話教室イングリッシュ・スクエアを主宰。幼児から高校生の英語指導にあたるかたわら教材、辞書や絵本の執筆、全国での講演にたずさわり、21世紀型スキルを伸ばす指導法の普及につとめている。イギリス・アストン大学TEYL(Teaching English to Young Learners)学科修士課程修了。JALT学会Best of JALT受賞。
    著書にA Trip to Grandma's House (共著:mpi松香フォニックス) 、mpi絵本アクティビティブック・シリーズ(共著:mpi松香フォニックス)、Lily and the Moon (共著:ELF Learning)、 ドラえもんはじめての英語辞典(共著:小学館) 、Phonics Farm (Macmillan) などがある。

作品紹介

A Trip to Grandma’s House アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス
Milkshake Shake アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス
The Balloon Animals アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス
Five Little Ducks アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス
Can We Be Friends? アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス
Goody Goody Gumdrops! アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス
Benji -Little Bear’s Underwear Scare- アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス
Where’s Sam? アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス
Jack and Zak アクティビティブック
著:Patricia Daly Oe 中村 麻里
出版社:mpi松香フォニックス
A Trip to Grandma’s House (CD付き絵本)
文:Patricia Daly Oe Mari Nakamura
イラスト:Chiiko Watanabe
出版社:mpi松香フォニックス
Milkshake Shake (CD付き絵本)
文:Patricia Daly Oe Mari Nakamura
イラスト:Yoshiaki Ikebe
出版社:mpi松香フォニックス
The Balloon Animals (CD付き絵本)
文:Papa Moo
イラスト:Atsushi Matsubayashi
出版社:mpi松香フォニックス
Five Little Ducks (CD付き絵本)
文:Papa Moo
イラスト:イケベ ヨシアキ
出版社:mpi松香フォニックス
Can We Be Friends? (CD付き絵本)
文:Patricia Daly Oe Mari Nakamura
イラスト:Fumie Maejima
出版社:mpi松香フォニックス
Goody Goody Gumdrops!(CD付き絵本)
文:Papa Moo
イラスト:Mei Matsuoka
出版社:mpi松香フォニックス
Benji -Little Bear’s Underwear Scare- (CD付き絵本)
文:Papa Moo
イラスト:Yoshiaki Ikebe
出版社:mpi松香フォニックス
Where’s Sam? (CD付き絵本)
文:Papa Moo
イラスト:Atsushi Matsubayashi
出版社:mpi松香フォニックス
Jack and Zak (CD付き絵本)
文:Papa Moo
イラスト:Mei Matsuoka
出版社:mpi松香フォニックス
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