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男の子と女の子のよくあるトラブルから、わかり合おうとする姿勢の大切さを説く 『ぼくとマリナちゃん』


ぼくとマリナちゃん
ぼくとマリナちゃんの試し読みができます!
作:くすのき しげのり
絵:稲葉 卓也
出版社:東洋館出版社

学校がもっと好きになる絵本シリーズ、第2弾! 男子と 女子に 分かれ ケンカになった ユウトくんの クラス。 マリナちゃんと 一緒の クラスでは、力を合わせるの なんてムリ。 ケンカをしてしまった 2人は、 仲直りできるのでしょうか? ケンカは どれも、学びのきっかけ。 立場や 意見が ちがっても、分かりあおうとすることが 大切なのです。

磯崎:『ぼくとマリナちゃん』のテーマは、ケンカです。幼なじみのユウトとマリナのケンカが、男子対女子のケンカに発展するお話で、なんだか懐かしさを感じました。
 今でもそういうトラブルが起きているのですか?

小林:そうなんです。これは、現場の先生から「道徳の授業のときに、身近な話題から話したい」という声を受けて、先生と相談して作っていただきました。 帯のキャッチコピーになっている「みんなちがう。だからそのぶん話をしなきゃ。」というのが、そのまま作品づくりのコンセプトになっています。
学校に限らず、職場などでも、仲間外れの原因は「自分と似ている人しか受け入れられない価値観」だと思うんです。 だから、自分と違う価値観の人を認めよう、そしてお互いにきちんと話そう、話せばわかってもらえるかもしれないということが伝わったらいいなと思って作りました。

磯崎:この絵本を読んだ絵本ナビ編集部のスタッフが、クラスのトラブルで悩んでいる我が子の様子を見て、どこまで親が介入したらよいのかと悩んだという経験談を話してくれたんです。絵本には、その解決のヒントがありそうですね。

くすのき:これは、男の子と女の子の言い合いからスタートしているんやけども、最後のところでやっぱり「男の子も女の子も関係なし」という、おじいちゃんのひと言が大事なんです。ユウトもマリナもお隣さん同士で、おじいちゃんのこともよく知っていて、普段からいろんなことを言い合える関係だからこそ、響く言葉なんだろうな。

くすのき:学校でのトラブルも同じで、先生と保護者がなんでも相談できる関係というのが大事なんだと思う。『いまから ともだち』の「寛容さ」の話に戻るけれど、今は学校に「寛容さ」が少なくなって、先生も窮屈になってきているし、保護者に対して過剰に配慮している場面がある。でもな、それはちょっと変わっていったらいいなって僕は思いますね。

磯崎:くすのきさんは、どうしたら変わっていくことができると思っていますか?

くすのき:ひとつの事について、みんなが自由に意見を言い合って、その意見について質問したり、自分の意見を言ったりできる、「ディスカッション」をするのがいいと思います。僕は大学でも教えているんですが、授業には必ず、毎時間ディスカッションを取り入れています。少し前は、教育の現場で「ディベート」が流行した時期もありましたが、ディベートは自分の意見をしっかりと相手に納得させる技術を磨くためのもの、ディスカッションは幅広い意見や考え方に触れる機会なんです。
 僕が先日、大学で実際にやったのは、「大学生になって思うこと」がテーマだったな。

磯崎:そういうテーマなら、それぞれ考え方が違うので、いろんな意見が出そうですね。

くすのき:そう。だからディスカッションするうちに、同じテーマでも感じていることはさまざまだということがわかるし、だれかの意見に対して「おもしろいな」と思ったら、そこで自分の意見を言うこともできる。子どもも大人も、やっぱり、「自分と周りが同じ考え方ではない」という事実を知るのは、ものすごく重要な機会なんよ。それに気付くと、ものの見方がガラッと変わる。それを普段からやっておくと、いざトラブルが起きたときに、「あの子はああいう風に考える子だから、こういうことを言ったんじゃないのかな」とか、「ああいうことを大切に思っているから、こういう場面では、そんなことはしないんじゃないのかな」というのが、考えられるようになってくる。大事なのは、相手の考えを想像する力や、共感する力なんですね。

磯崎やはり人間関係で一番大事なのは、想像力・共感力なんですね。でもディスカッションって、難しい印象があります。特に子ども同士だと「言い合い」になってしまい、なかなか「話し合い」にならないと思うのですが、なにかコツはあるのでしょうか?

くすのき:学校でも家庭でも、「言い合い」になるのは、自分の意見だけ「言いっ放し」になっていて、相手の意見を聞かないからや。だから、ルールを身につけておくのが大事やな。相手の意見を「おかしい」と否定したり排除したりせずに、まずは、ちゃんと聞くこと。ユウトとマリナが、お互いに意見を言えるような状況をちゃんと作ってくれるおじいちゃんは、やっぱり人生の達人なんやな。「ああ、じいちゃんも、ばあちゃんといろんなことを話してきたんやな」と、想像できますね。

磯崎:そうですね(笑)。『ぼくとマリナちゃん』の絵は稲葉卓也さんが描いていますが、ユニークでかわいらしい雰囲気のある絵です。


くすのきさんや稲葉さんがこだわったのは、表情の豊かさ。ケンカをしていた時は、すごい顔で怒っていた二人も、落ち着いて話ができる状況になると、表情だけでなくしぐさも柔らかに。少し大人びた表情を見せるマリナの女の子らしいかわいらしさが、際立っています。

小林:稲葉さんは、NHKのアニメーションを制作しているアニメーターさんなんです。この作品は、他と違うタッチにして、アニメ的な動きにも見えるようにとチャレンジしました。

くすのき:最初は表紙でふたりとも笑ってたんやけど、やっぱり怒らせようと。その方が、話の流れがわかりやすくなった。色も効果的に使ってもらって、「言い合い」の場面の雰囲気、それから周りの子の表情なんかもすごく良く出ていると思います。

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くすのき しげのり

  • 1961年徳島県生まれ。鳴門市在住。小学校教諭、鳴門市立図書館副館長などを経て、現在は、児童文学を中心とする創作活動と講演活動を続けている。絵本『おこだでませんように』(小学館)が、2009年に全国青少年読書感想文コンクール課題図書に、2011年にはIBBY(国際児童図書評議会)障害児図書資料センターが発行する推薦本リストに選出される。同作品で第2回JBBY賞バリアフリー部門受賞。また、『ふくびき』(小学館)、『ともだちやもんな,ぼくら』(えほんの杜)と共に第3回ようちえん絵本大賞を受賞する。その他の絵本に『もぐらのサンディ』シリーズ@〜C(岩崎書店)、『あたたかい木』(佼成出版社)、『えんまのはいしゃ』(偕成社)、『みずいろのマフラー』(童心社)、『ええところ』(学研)、『メロディ』(ヤマハミュージックメディア)など多くの作品がある。

作品紹介

いまから ともだち
いまから ともだちの試し読みができます!
作:くすのき しげのり
絵:たるいし まこ
出版社:東洋館出版社
ぼくとマリナちゃん
ぼくとマリナちゃんの試し読みができます!
作:くすのき しげのり
絵:稲葉 卓也
出版社:東洋館出版社
おさがり
おさがりの試し読みができます!
作:くすのき しげのり
絵:北村 裕花
出版社:東洋館出版社
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