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トビラの先に広がる奇妙な世界『ヒミツのトビラ』長田真作さんインタビュー

2016年に、『あおいカエル』(文・石井裕也/リトルモア)でデビューした、新進気鋭の作家、長田真作さん。その魅力は、独自の世界観にあります。
デビューから2年で13冊というハイペースで、作品を世に送り出し続けている長田さん。その最新作、『ヒミツのトビラ』が高陵社書店から発売予定です。
絵本ナビ初登場の長田さんに、絵本ナビ代表・金柿がインタビュー。子どもの頃のことや創作に対する姿勢、絵本制作を始めるきっかけとなった五味太郎との関係、そして『ヒミツのトビラ』制作のお話をたっぷりお伺いしてきました。

まるで大人の世界を覗くように、父の蔵書を盗み読みした幼少期

───長田さんは、小さい頃から絵本が好きだったのですか?

長田:それが、絵本自体が家になかったんです。唯一あったのが、新美南吉さんの『ごんぎつね』や『手ぶくろを買いに』(ともに偕成社)で。後は何があったのかというと、国語教師をしていた父の蔵書で「芥川龍之介」や「夏目漱石」などの文学全集、「李白」「陶淵明」など漢詩、中国古典の全集ですね。それらが、ズラーッと本棚に並べられていました。

金柿:手を伸ばせば本が読めるという、環境だったんですね。

長田:それが不思議なことに、その逆なんです。父の蔵書は、ガラスケースの本棚に大切にしまってあって、僕が手を伸ばすと「勝手に触ってはいけない」と言われるんです。すると反対に、「じゃあ読んでやろう」という、子どもらしいあまのじゃくな気持ちが湧いてきて、小学生の頃から勝手に読んでいました。親が「やめろ」と言うことは、イコール大人の世界だということ。だから、勝手に読むことで大人の世界に足を踏み入れたような、気分だったのかもしれません。


金柿:本には、そういう「大人の入口」みたいなものがありますよね。でも全集を読んで、内容は理解できましたか?

長田:ふりがなもあまり振っていない本だったので、はっきり言ってよくわかりませんでした(笑)。長ずるに従って「あれ読めていなかったな」と思い出しては、読み直すということを繰り返していました。

金柿:好きだった本はありましたか?

長田:島崎藤村の『おさなものがたり 少年の日(藤村の童話)』(筑摩書房)という本があって、最初「しまざきふじむら」と読んで、父に失笑されました。それが初めての読書体験です。小学2、3年生だったと思います。あまり深くは覚えていませんが、童話とか寓話など短編がたくさん入っていて、動物が主人公という話もあり、おもしろかったんです。

───絵は、子どもの頃に描いていたのですか?

長田:授業を聞かずに、教科書にいっぱい落書きをして遊んでいましたね。中学生の美術の授業で、自画像をテーマにした版画を作ったんですが、僕が彫ったのは『スターウォーズ エピソード1』のダースモール。「学年で一番を取ってやろう」と思って作ったので、クオリティが高くて、ほぼ完璧な仕上がりでした(笑)。

金柿:自画像なのに、自分の顔を描かなかったんですね(笑)。

長田:そうなんです。「自画像」というテーマを設定してくれたおかげで、僕はテーマをずらして表現することができた。だから学校の授業も悪くないなと思っていました。
その当時から、真面目にやるというよりも、与えられた課題を自分でずらすこと、ずれたことをやるのが好きだったんでしょうね。絵が好きだったというより、「ずれたこと」を表現するのに、文字よりも絵の方が手軽でやりやすかったんです。

金柿:自分のやりたいことを表現する手段として、絵がぴったりだったということですね。

長田:そんな感じで、僕は、僕がやりたいことを、やりたいようにやる子どもだったんです。それは今も変わらないですね。

───長田さんが、幼少期にほとんど絵本との関わりが無かったというお話は、意外でした。 長田さんが絵本作家になったきっかけを、次のページで紹介します!

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