なぞなぞのすきな女の子 なぞなぞのすきな女の子 なぞなぞのすきな女の子の試し読みができます!
作: 松岡 享子 絵: 大社 玲子  出版社: 学研 学研の特集ページがあります!
創刊40年!世代を越えて愛され続ける、不朽の名作です!読み聞かせは4歳から、一人読みは6歳から
まことあつさん 30代・ママ

本を読む醍醐味
なぞなぞ遊びが好きな息子たち。 しか…
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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  江戸の町を練り歩く、動物たちの愉快な見物行脚の物語『はなびのひ』たしろちさとさんインタビュー

塗っても塗っても先に進まない!? 和の色合いへの挑戦

───『はなびのひ』は、これまでのたしろさんの作品と色合いがまったく違うので、新鮮な印象を受けました。題材に合わせて、和風の色合いを追求したのでしょうか?

たしろ:そうなんです。江戸時代には、素敵な名前の色がたくさんあるんですよ。和の色は、今までの自分のパレットにはない色ばかりだったので、挑戦してみたいなと思っていたんです。ちょうど使っていたアクリル絵の具に、「和バージョン」があるのを知って、その色を使いました。


色を決める時には、実際に紙の上に絵の具を置いて色味を検討したそうです。

───何か、色で苦労したことはありましたか?

たしろ:和の色は少し煙ったような、しっとりした印象があったので、それを出せたらいいなと思っていたんです。色を塗る前は、軽く考えて「チャレンジしてみよう!」と思って始めたんですが、いざやってみると、塗っても塗っても先に進めないんです。描き上がらないという意味ではなくて、もうちょっと色の深みが必要だなと思うのに、なかなか深みが出せなかったので、どうしようと(笑)。
そこで絵の具を混ぜてみたんですが、しっくりこなかったので、混ぜないほうがいいなとなって。そこで、最初に「なまかべいろ」を淡く全体に入れるなど、やりながら工夫していきました。

───全体的に江戸時代の素朴な雰囲気が出ていてとても素敵です。
一番の見所は、題名にもなっている花火のシーンですが、大きな花火が鮮やかで、迫力たっぷりですね。原画も美しいです!

たしろ:この花火だけは、史実をそのまま再現するのではなく、現代的な花火のイメージを加えています。江戸時代は、絵のように大きく開く花火はまだなくて、ススキの穂のように、下に向かって落ちる花火だったそうです。花火大会で打ち上げられるのも、20発ぐらいで終わりだったそうなんですね。

───そうだったんですね! 絵本を読んでも感じますが、花火大会の規模の大小というよりは、花火大会の日を楽しむこと自体が、江戸の人の楽しみだったんだろうなと思います。
この花火ですが、原画を見ると、黒の下に青い色が塗ってありますね。

たしろ:はい。最初の花火が上がるのは、日が暮れきっていない時間帯だったので、そこから暗くなったことを表現するために、色を重ねています。

───本当に光っているように見える花火ですが、どんな風に描いたのですか?

たしろ:もう1回同じことはできないんですが(笑)、花火の周囲の地色は夜の青なんですが、花火の光の余韻がある所は逆で、黄色の地色の上に夜の闇を乗せているんです。パラパラと火が落ちている部分は、黒の上に絵の具をたっぷり置いて描きました。

───それでこんなに、鮮やかな黄色になっているんですね。 夜空に浮かぶ花火の美しさだけでなく、迫力も感じられて、まるで音まで聞こえてきそうです。

たしろ:それは、藤本さんのアドバイスのおかげなんです。「大曲の花火」(秋田県大仙市で 行われる、全国花火競技大会)の動画を送ってくださって、「もっと臨場感があって、どーんと音が聞こえるような感じにしてください」と言われて。

藤本:実は、私は秋田県大仙市の出身なので、小さい頃から花火が好きなんですね。実際に花火大会に行くと、音もすごいし振動もある。視界全体が花火になっているというのを、絵で出しませんかと提案しました。

たしろ:私のイメージでは、暗闇に光が乱れ打つみたいななんとなくのイメージだったので、振動まで考えていなくて。でも藤本さんのお話で、確かに音や振動も大事だなと思ったんです。

───音や振動という、絵には描けない要素を、実際にどうやって絵に落とし込んでいったのですか?

たしろ:花火のシーンは、引いて見せたり寄って見せたりしてアングルを調整しました。ほんのちょっとのことで、感じも違うのかなと思って。
また、1発目の花火が「どーん」と上がった所は、橋の上で見ている人も少し浮き上がっているような感じを出しました。絵本では下が切れていますが、原画ではもう少し下まで描いています。ここは、できるだけ花火を大きく見せたかったんですね。2発目は、観ている人の盛り上がりがわかるように、少し引いたアングルにしました。

───花火そのものの見え方にも工夫がありますが、それを見ている人々の絵で、臨場感を出していったんですね。

藤本:花火の大きさだけを考えると、ここだけ絵本を縦長にして見せるという方法もあるかと思うのですが、そうすると、ぽんきちの家からずっと積み上げてきた流れが途切れてしまうんです。横長だと、どうしても切らなくてはいけない部分も出てくるんですが、そこはすごく苦心して頂いて。完成した絵は、納得の仕上がりで、すばらしいと思います。

───読むと花火が待ち遠しくなる1冊ですね。長い時間をかけてじっくり制作なさった過程など、いろいろなお話を聞くことができて、とても楽しかったです。ありがとうございました。
最後に、絵本ナビ読者へのメッセージをお願いします。

たしろ:絵本を読んで、ぽんきちと一緒に花火を楽しんで頂けるとうれしいです。

───ありがとうございました!!

取材:掛川晶子(絵本ナビ編集部)
文:中村美奈子(絵本ナビ編集部)
写真:所 靖子(絵本ナビ編集部)

『はなびのひ』原画展&サイン会のおしらせ

『はなびのひ』の原画展と、サイン会が開催されます! 記事でも紹介しましたが、たしろさんの思いがこもったとても美しい原画です。お時間があったら、ぜひ行ってみてください。

『はなびのひ』原画展

場所:丸善丸の内本店 3階児童書売り場内
期間:2018年7月20日(金)から2018年8月7日(火)

たしろちさとさんサイン会

場所:丸善丸の内本店 3階児童書売り場内
日時:2018年7月22日(日)15:00より
参加要領:丸善丸の内本店にて、『はなびのひ』をご購入の方先着50名様に、整理券を配布いたします。お電話での予約も可能です。
問い合わせ先:丸善丸の内本店 児童書売り場 TEL.03-5288-8881

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※期間内【2018年6月28日から2018年7月25日まで】にご回答いただいた絵本ナビメンバーの方全員に、 絵本ナビのショッピングでご利用いただける、絵本ナビポイント50ポイントをプレゼントいたします。

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たしろ ちさと

  • 東京都生まれ。大学で経済学を学んだ後、4年間の会社勤めを経て、絵本の制作を始める。世界的編集人、マイケル・ノイゲバウアーが見い出し、「ぼくはカメレオン」で世界7カ国語同時デビュー。『5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん』で2011年日本絵本賞を受賞。作品に、『ぼくはカメレオン』(グランまま社)、『かあさん』『ねえ、あそぼうよ』(以上、「こどものとも0.1.2」福音館書店)、『じめんのしたの小さなむし』(福音館書店)、『くんくん、いいにおい』(グランまま社)、『ポレポレやまのぼり』(大日本図書)、『ぼくうまれるよ』(アリス館)などがある。神奈川県在住

作品紹介

はなびのひ
はなびのひの試し読みができます!
作:たしろ ちさと
出版社:佼成出版社
全ページためしよみ
年齢別絵本セット