《スペシャルコンテンツ》インタビュー

●アリスン・マギーさんに、スペシャル！　メールインタビュー

───『ちいさなあなたへ』が日本で出版されて、10周年を迎えました。さらに累計発行部数は、59万冊を突破しています！ あなたの絵本がこんなに日本で愛されている理由は何だと思いますか？ また、そのことをどう感じていらっしゃいますか？

『ちいさなあなたへ』（原題：“Someday”）が、日本でとても人気があるという事実に驚いたのと同時に、読者のみなさんがこの本を心から温かく受け止めてくださっていることを大変光栄に思っています。 どこに住んでいようと、どんな言語で話そうと、世界中の親が子どもを思う気持ちは同じみたいですね。

───昨年の「母の日」に、『ちいさなあなたへ』はAmazonジャパンの絵本ジャンルのランキングで1位になりました。日本では、「母の日」にお母さんへ贈る絵本として有名です。そのことについて、どう思われますか？

おもしろいですね。 そして、感慨深いです。アメリカでも毎年『ちいさなあなたへ』は「母の日」に人気のギフトです。それは、国が違ってもわたしたちみんな似たもの同士ということなのだと思いませんか？　わたしたち親は、この世に生まれてきた子どもたちが大きくなるのを見守り、彼らにたくさんの未知数の夢を見続けているのです。

───どのように、この美しい言葉で綴られた物語を思いついたのか、教えていただけますか？ この物語を書くきっかけとなった出来事があったのでしょうか。

子どもたちがまだ小さかったころのことですが、ある夜遅く、わたしはドアのそばに立って、娘が寝ている姿を見ていました。あたたかい夜で、娘はブランケットをはねのけてうつぶせに寝ていました。彼女の日焼けした小さな背中は、月明かりに照らされてすべすべに見えました。わたしは、今この瞬間、なんて彼女は安らかで美しいのだろうと思いました（ふだんは、娘はとても活発で、泣きながら自転車を乗り回したり、笑ったり、大声を出したりしているので！）。そして、どれだけ自分が3人の子どもたちを愛しているのか考えました。わたしは娘を寝かせたままキッチンへ行き、子どもたちへの夢を綴った“Someday”というタイトルの詩を作りました。それから5年の時が経って、この詩が絵本になったのです。

───絵本制作中に、苦労したことはどんなことですか？　また、この本ができるまでのヒミツの話、制作秘話があれば教えてください。（答えていただいたら、もうヒミツではなくなってしまいますね！）

母であり作家である私にとっての、最大の挑戦は、どうやったらこの本の中に、”人生のすべて”を表現できるのかということでした。つまり、人生の大きな幸せや喜びだけでなく、誰もがみなときには向き合う苦しみや悲しみもということです。わたしはこの本を、人生のすべての経験を包含した「リアル」なものにしたいと心から思いました。だから、この本には「かなしい しらせに みみを ふさぎたくなる ひも あるだろう。」というページがあります。読者がこのページに深く心動かされるのは、これが真実だからだと思います。人生が喜びだけだというのは偽りで、そしてそれは偽るべきことではありません。子どもたちは人生において悲しみと出会い、そして、必ず強くなれるからです。