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新潟の老舗書店が出版した知育絵本「ろっぺいブックス はじめてのえほん」刊行記念インタビュー

創業150年の新潟の老舗書店「萬松堂」が、出版社「株式会社島屋六平」を設立し、絵本を出版しました。
一書店が、本の編集から製作、卸、小売りを一手に行うケースは、とても珍しいことです。
出版不況と言われる時代に思い切った挑戦をした理由、そして絵本制作に込めた想いなどを、萬松堂本店の店長兼島屋六平の担当課長である中山英さんにお伺いしました。

「本好きの子どもを育てたい」という思いが出版社設立へ繋がった


2018年3月に発売された知育絵本「ろっぺいブックス はじめてのえほん」第1弾。「あひるのあくび」という風に、2語の組み合わせの言葉と文字を50音順で紹介した『あいうえお ことばあそび』。数の数え方を絵で見せる『かぞえてみよう 1・2・3』。パトカーや新幹線など身近な乗り物を紹介した『かっこいい のりもの』。動物園にいる動物が勢ぞろいした『どうぶつえん だいすき』の4冊がラインナップされています。7月には第2弾4冊が発売され、年内に第3弾4冊の刊行が予定されています。

───萬松堂さんは、創業が江戸末期という老舗ですが、元々本屋さんだったのですか?

中山:新潟には度々、大火があったので、実は、創業当時のことはよくわかっていませんが、聞くところによると呉服なども扱っていたようです。いろいろな商品を扱ううちに、書籍に特化したお店になったそうです。

───出版社名の「島屋六平」(しまやろっぺい)は人の名前のようですが、萬松堂さんに縁のある人物ですか?

中山「島屋六平」は人物名ではなく、屋号です。創業者の初代六平が、江戸末期に起業したときにつけた名前です。江戸時代から明治時代初期の本屋は、版元(出版社)と販売店の機能を併せ持った店だったことと、「初心にかえる」という意味で、新しく立ち上げた出版社の名前になりました。


JR新潟駅の北側にあるアーケード街の一角にある、萬松堂本店

───老舗の歴史と理念を表す名前だったんですね。では、新しく出版社を作ったのはなぜですか?

中山もともと萬松堂は、地域の書店として「本好きを育てたい」という思いがあり、昔から児童書に力を入れていました。良質の絵本を販売して、子どもに本を好きになってもらい、読書家の大人になったら、また萬松堂に本を買いに戻ってきて欲しい。そうやって、巡り巡って地元で商売を続けて行けたらという思いが根本にありました。
しかし、ここ20年以上「出版不況」が続いていて、書店も、ただお客さまを待つだけでは商売が先細るだけという状況になっています。そこへ旧知の編集プロダクションさんから「絵本を作ってみないか」と提案を受け、「自分たちの手で絵本を作って売ろう」と考え始めました。

───それが、自社出版に繋がったんですね。それにしても、出版社の設立はすごく思い切ったことだと思います。

中山もちろん、カフェを併設するなど、ほかのアイデアも出ました。しかし、やっぱり本を売り続けたいという気持ちの方が強かったんです。スマホが普及しても、子どもたちが最初に手に取るのは紙の本であって欲しいし、そうしなければという使命感もありました。
老舗書店が脈々と続けてきた、子どもたちへ紙の本を届けるという伝統と、絵本を守りたいという思いが結びついた結果、出版と販売を一手に担う江戸時代の本屋の原点に立ち返ったという経緯です。

今回の絵本作りの中心人物、萬松堂本店の店長兼島屋六平の担当課長・中山英さんがお話しをしてくれました。

───出版事業を始めることについて、社内の反応はどうでしたか?

中山書店で生き残っていくためには、新たな挑戦が必要だという意見で、一致していました。個人的にも、出版を手がけることになり、うれしかったです。今まで本はたくさん売っていましたが、自分たちが作った本を売るという経験は初めてですから。ただ島屋六平は編集者がいませんので、ほかの出版社さんや編集プロダクションさんと協力して今後も本作りをしていきたいと考えています。

───島屋六平は、老舗本屋さんの情熱から誕生した出版社だったんですね。初刊行物となった「ろっぺいブックス」シリーズのコンセプトはなんですか?

中山「はじめてのえほん」とあるように、「幼児のファーストブック」です。初めて創刊するので、スタートラインに立つという意味でも、初めて絵本を手に取る子どもたちに向けて作ろうということになりました。4冊同時発売のシリーズ作品になったのは、売り場を受け持つ書店員の意見です。
ほかにもたくさん出版社から新刊が出ていますので、1冊出したところで、売り場では目立ちません。当然、作ったからには売りたいという気持ちがあったので、お客さまの目に止まるようにアピールするには、4冊分の広さでコーナーを作るのが良いだろうと、4冊同時製作・発売が決まりました。

───それが2018年3月に発売されたシリーズ第1弾『あいうえお ことばあそび』『かぞえてみよう 1・2・3』『どうぶつえん だいすき』『かっこいい のりもの』の4冊なんですね。

中山そうです。初めてあいうえおを覚える、初めて1から10までの数を覚える、初めて動物や乗り物を絵本の中で確認するということで、1歳〜5歳くらいまでのお子さんを対象にしたラインナップになりました。
本の製作は0からの立ち上げになるので、知識やノウハウは一切ありませんでしたので、大手出版社のOBの方々にご協力をお願いしました。知育絵本として必要な要素や体裁は、編集のプロの方々の提案に沿いつつ、細かな内容の部分で島屋六平スタッフの意見を出し合って、みんなで練り上げながら作っていきました。

───作り手と売り手、両方の知識と意見を取り入れた本作りをなさったんですね。 絵本ですから、絵ももちろんこだわりがあると思いますが、絵を描く方はどんな風に決めましたか?

中山画家さんたちは、実際に東京で編集を進める方たちに選定をお願いしました。4冊同時発売ということで、すべて同じタッチの絵にするか、それともそれぞれ別の方にお願いするのかかなり悩んだそうですが、バリエーションがあった方がよいだろうということで、『あいうえお ことばあそび』は、そねえつこさん、『かぞえてみよう 1・2・3』はかいちとおるさん、『かっこいい のりもの』は、にしかたたくしさん、『どうぶつえん だいすき』は、とりごえまりさんに決まりました。

───4人ともいろんな絵本を手がけている方で、ファーストブックにぴったりのかわいい絵ですね。
次のページでは、シリーズ第1弾の4冊について、それぞれこだわりのポイントを紹介します。

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