話題
まほうのさんぽみち

まほうのさんぽみち(評論社)

絵本が大好きな女の子とパパの、幸せであたたかいお話。

絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  『0才からの発語をうながす まねっこ! あかちゃん ことばずかん』玉川大学教授・梶川祥世先生&編集者・岡本薫さんインタビュー

『0才からの発語をうながす まねっこ! あかちゃん ことばずかん』玉川大学教授・梶川祥世先生&編集者・岡本薫さんインタビュー

「赤ちゃんがおしゃべりできないのはわかっているけれど、もっとコミュニケーションがとれたらいいな」と思ったことはありませんか? 実は赤ちゃんの聴覚は、生まれる前から発達していて、お父さんお母さんの言っていることや周囲の音などをちゃんと聞いているそうなんです。だけどもちろん、生まれてからしばらくの間はまだ上手に話すことができないので、赤ちゃんの意思を理解するのは、難しいことです。 そこで役立つのが「ジェスチャー」! 赤ちゃんが、ほしい物を指で差して教えてくれるのも、ごく簡単なジェスチャーのひとつ。実は発達心理学によると、ジェスチャーの使用と子どもの語彙の発達が関連するということがわかっています。 『0才からの発語をうながす まねっこ! あかちゃん ことばずかん』は、発達心理学の視点から生まれた、親子で楽しめることばずかんです。この本ならではの工夫、制作の苦労やこだわりなど、監修の玉川大学教授・梶川祥世先生と、編集者の岡本薫さんにお伺いしました。

0才からの発語をうながす まねっこ! あかちゃん ことばずかん
監修:梶川 祥世
著:しみずだいすけ
出版社:JTBパブリッシング

■発達心理学に基づいた発語に役立つジェスチャー絵本 ・発達心理学によると、指さしやジェスチャーとともに読み聞かせをすると子どもの語彙が増えることがわかっています。 ■豊富な掲載語数! ・子どもが発音しやすい言葉、身近な言葉を中心に約150語を掲載しています。 ■子どもに身近なシーン別の展開 「ごはんを食べる」「おうちで遊ぶ」「公園におでかけ」など、0〜2才の子どもが日常的に接することが多いシーン別にことばを紹介しています。 <その他の例> あいさつしよう/動物・乗り物をまねっこ/ねんねの前に など ■思わずチェックしたくなる 発語の記録 ・裏表紙には誌面に出てくる言葉のチェックリストを掲載しました。 ・子どもが発語した言葉をチェックしていけば、我が子の成長が目に見えます。

発達心理学の視点で、実際に赤ちゃんを観察してわかった、ジェスチャーと発語の深い関係

───赤ちゃんや小さい子ども向けのことばずかんで、「ジェスチャー」に焦点を当てたものはあまりなかったと思います。どうしてこの本を作ろうと思ったのですか?

岡本: 事の発端は、1歳になる私の子どもの初めての言葉が、「アンパンマン」だったことなんです。「あれ? ママじゃないんだ」と、けっこうショックを受けてしまって(笑)。さらに、「アンパンマン」の「パン」につられて、「パパ」が言えるようになったのに、なかなか「ママ」という言葉が聞けなかったんです。もちろん、言葉を発すること(発語)だけが愛情のバロメーターではないし、しゃべるのが早いから良いわけではないということは頭では理解していました。でも、悩んでしまうお父さんお母さんもいますよね。言葉が出てくるまでの時間をポジティブに過ごせたらという思いが、この本の企画のスタートです。


編集者の岡本薫さん。現在1歳のお子さんの育児中!

───赤ちゃんが、いつ何の言葉を言えるようになるか、親としては一喜一憂してしまいますよね。 そこから、どんな風に本の企画をふくらませていったのでしょうか。

岡本:赤ちゃんの発語についていろいろと調べていく中で、雑誌に載っていた梶川先生のインタビュー記事と出会ったんです。それが、「ジェスチャーによって子どもが言葉を発しやすくなる」という内容で、「私が求めていたのは、これだ!」と直感しました。
言葉を並べた子ども向けのことばずかんはたくさんありますが、それだけでは後発商品として出す意味がないと思いました。「ジェスチャーで発語」なら、他との差を出した本が作れるんじゃないかと思ったんです。そこで、なんのツテもありませんでしたが、梶川先生に、私の思いの丈を詰め込んだ長文メールを送りました。

───梶川先生は、絵本の企画を聞いたときに、どう思われましたか?

梶川:ちょうど私も、ジェスチャーについていろいろ考えていた時期でしたので、うれしいお話でした。研究を、研究の場だけではなくて、実際に育児中の方や保育園などで活用してもらえる方法はないかと思っていたので、本という形にしていただけることはありがたかったです。


玉川大学教授、発達心理学が専門の梶川祥世先生。2人のお子さんのママ。

───梶川先生は、どのような研究をされているのですか?

梶川: 私が行っていたのは、音楽のグループに参加した1〜2歳児が、先生やまわりのお友だちといっしょに歌えるようになるまでに、どんなプロセスを経るかの研究で、実際に子どもたちを観察して調べていたんです。
すると、子どもが最初にとる行動が、周囲の人のジェスチャーの真似だということがわかりました。例えば、周りが「キラキラ」とか「やさしい」という歌詞に合わせて、手を動かすジェスチャーをしながら歌うと、真似をしはじめます。もう少し月齢が上がると次の段階に入って、歌を歌ったり、リズムをとったりすることができるようになります。そうすると、先生たちがジェスチャーを見せなくても、歌に合わせて自分からジェスチャーをするようになるんですよ。
歌の場面でのジェスチャーがきっかけでしたが、赤ちゃんが言葉を覚える過程を調べてみたら、同じように言葉を話す前の段階でジェスチャーを使い始め、そこから発語に繋がっていくことがわかりました。体を動かすうちに、発話のリズムみたいなものができて、表現したいという意欲がわいて発語に繋がっていくのでは、と考えています。

───ジェスチャーの体の動きとリズムが、言葉をしゃべることに関係するんですね!
次のページでは、梶川先生と岡本さんが、実際にどうやって絵本を形にしていったのかを聞いていきます。

今、あなたにオススメ

出版社おすすめ



人気作品・注目の新刊をご紹介!絵本ナビプラチナブック
可愛い限定商品、ゾクゾク♪

作品紹介

0才からの発語をうながす まねっこ! あかちゃん ことばずかん
監修:梶川 祥世
著:しみずだいすけ
出版社:JTBパブリッシング
全ページためしよみ
年齢別絵本セット