世界14カ国で翻訳出版されている「ちいさなエリオット」シリーズ(マイクロマガジン社)。
水玉模様の小さなぞうエリオットが主人公となっているこの絵本、その愛らしさだけでなく、シリーズ全体を通して伝わってくる深いメッセージ性に、日本でもシリーズ1冊目『ちいさなエリオット おおきなまちで』の発売以来、子どもから大人まで多くのファンを獲得しています。
そんな「ちいさなエリオット」シリーズを生み出した、作者のマイク・クラトウさんがこの度来日されると聞き、絵本ナビ編集長・磯崎がインタビューを行うことになりました!
当日、「ちいさなエリオット」シリーズの翻訳を担当された福本友美子さんとの貴重な対談も実現。
今回が初対面とは思えないくらい、和気あいあいとした雰囲気で会話をする中、お二人から、エリオットに対する思いをたっぷりとお伺いしています。
●「ちいさなエリオット」シリーズってどんな絵本? その魅力は?
エリオットの魅力@ 感情移入しやすい魅力的なキャラクター
何と言っても主人公のエリオットのキュートなビジュアルと、リアルな心理描写が読者をひきつける魅力のひとつ。
「エリオット、頑張って!」と応援したり、「私もエリオットみたいに思ったことがある」と共感を寄せる子どもたちがたくさんいます。
エリオットの魅力A 古き良きニューヨークの街並みがレトロでオシャレ!
物語の舞台は1940年代のニューヨーク。街並みや地下鉄、人々の服装などからレトロな雰囲気を感じることができます。
作者のマイク・クラトウさんが「今日のニューヨークたらしめた美的特質を備えた時代」という景色から、そこに生きるエリオットの孤独や幸福をよりリアルに感じることができます。
エリオットの魅力B エリオットの成長物語として楽しめる!
シリーズを通して読むと、エリオットの成長をひときわ感じることができます。
エリオットは最初、ひとりぼっちで孤独に慣れようとしている主人公でした。でも、ねずみくんと友だちになったことで、自分の孤独を意識し、少しずつ、日常を変化させようと努力しています。
エリオットの小さいけれど確実な勇気と努力に世界中の子どもたちがエールを送っています。
「ちいさなエリオット」シリーズを生み出したのはこの人!
マイク・クラトウさん
ニューヨーク郊外に生まれ育ち、幼いころから絵を描いていた。
大学卒業後、シアトルでグラフィックデザイナーとして活動するが、2014年に『ちいさなエリオット おおきなまちで』(マイクロマガジン社)で念願の絵本作家デビューをはたし、数々の賞を受賞。
「ちいさなエリオット」シリーズは14ヶ国以上で翻訳出版されている。
翻訳者:福本友美子さん
公共図書館勤務を経て、現在は児童書の研究、翻訳をする。
訳書は『としょかんライオン』(岩崎書店)、『おやすみ、はたらくくるまたち』(ひさかたチャイルド)、『ないしょのおともだち』(ほるぷ出版)、「おさるのジョージ」シリーズ(岩波書店)、「ちいさなエリオット」シリーズ(マイクロマガジン社)など多数。
●あなたはどの作品から楽しみたい? シリーズ4冊をご紹介します。
エリオットは水玉模様の小さなぞう。 大きな街で暮らすのは、毎日、何かと大変です。 でも、本当に嬉しくて、幸せなものは、ちっちゃなかたちをしているのです。 1940年代のニューヨークをモチーフにした写実的な描写とキュートなキャラクターで、数々の賞を受賞したハートウォーミングストーリー。 大人気「ちいさなエリオット」シリーズ第一弾
エリオットはおおきなまちで暮らす水玉模様のちいさなぞう。 仲良しのねずみが自分の家族に会いに行ってしまったので、 エリオットはひとりぼっち。 ひとりぼっちになってしまったエリオットは、海をみながら考えます。 「家族がいるって、どんなかんじかな」 そして、エリオットを探しにきたねずみは言いました。 「あったかいところに いこう。いっしょに おいで」 「受け入れる心の大切さ」を教えてくれる絵本です。 1940年代のニューヨークをモチーフにした写実的な描写と キュートなキャラクターで、数々の賞を受賞したハートウォーミングストーリー。 大人気「ちいさなエリオット」シリーズ第二弾。
エリオットは水玉模様のちいさなぞう。 仲良しのねずみと遊園地に遊びに行きました。 ところがエリオットはぐるぐるブランコも、ジェットコースターも怖くて乗れません。 そこで、ねずみはいいことを思いつきました。 「思いやる心」を育む絵本。 1940年代のニューヨークをモチーフにした写実的な描写と キュートなキャラクターで、数々の賞を受賞したハートウォーミングストーリー。 大人気「ちいさなエリオット」シリーズ第三弾
エリオットは水玉模様のちいさなぞう。 仲良しのねずみとおおきなまちで暮らしています。 でも、このまちはときどき、 きたなかったり…… うるさかったり…… にぎやかすぎたり。 そこで、ねずみが言いました。 「たまにはとおくへいこうか! 」 大自然のなか、おいしそうなパイのむこうにあったのは ともだちからのすてきな贈り物でした。 優しい心を育む絵本。 1940年代のニューヨークをモチーフにした写実的な描写と キュートなキャラクターで、数々の賞を受賞したハートウォーミングストーリー。 大人気「ちいさなエリオット」シリーズ第四弾
初公開! エリオットを描いてもらいました!
「ちいさなエリオット」シリーズの独特の世界観、懐かしくてちょっと不思議な雰囲気がどのように生み出されるのか気になる読者も多いことでしょう。
今回、マイクさんが特別に私たちの前でエリオットを描いてくれることになりました。
黒い粉を布につけて、おもむろにスケッチブックを拭きはじめるマイクさん。
スケッチブックがどんどん黒くなっていきます。
黒くなったスケッチブックを、消しゴムを使って消しはじめました。
消した後から浮かび上がってきたのは……。
そう、エリオットです!
シャープペンシルと消しゴムを使って濃淡をつけながら、輪郭を整えていきます。
普段は線画が完成したらスキャニングして、パソコンで彩色をするそうですが、今回は色鉛筆でエリオットのチャームポイント、水玉を描いてくれました。
水玉を描くポイントは、おでこにピンク色の水玉を最初に描いて、そこから全体のバランスを見ながら、水色とピンク色の水玉を描き足していくそうです。
真っ白な紙から、エリオットが生み出されました。
手にはもちろん、大好物のカップケーキ!
カップケーキは、マイクさんの好物でもあるんですって。
それでは、次のページから、マイク・クラトウさんと福本友美子さんの対談がスタートします。