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連載

「絵本 チコちゃんに叱られる」シリーズ 〜チコちゃんの「エピソード:ゼロ」のおはなし〜

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大人っぽく見られるけど、“永遠の5歳”のチコちゃん。「人生5年、むだに生きてきたわけじゃないわ」と言うほど物知りなチコちゃんは、世の中にごまんとある「ぎもん」を放置している、たくさんの大人たちを叱っています。

「絵本 チコちゃんに叱られる」シリーズでも、チコちゃん節は健在! 連載最終回となる今回は、「絵本 チコちゃんに叱られる」シリーズの編集担当さんの制作秘話と絵本ナビに寄せられた口コミから、チコちゃんの魅力を紹介します。

「ボーっと 生きてんじゃ ねーよ!」が気持ちイイ!

人生が長くなればなるほど、世の中のことを知った気になってしまうのが人間です。たいして知りもしない話題でも、その場の雰囲気に合わせてさも知っている風にうなずいてしまうこと、けっこうあると思います。その場をうまく切り抜けることができれば、結果オーライ。それでいいんじゃないの? という大人の安易な考えを、チコちゃんは豪快に叱り飛ばします。

絵本でも、チコちゃんの叱り顔は迫力満点!

ここまで本気で叱られたら、素直に「ごめんなさい」と言うしかありません。するとあら不思議、なんだか心が軽くなります。個人的な感覚ですが、チコちゃんに知ったかぶりをしたことを素直に謝ることで、心のすみっこにあった“後ろめたさ”がなくなった気が……。「ボーっと 生きてんじゃ ねーよ!」と言われるとなんだかうれしい気持ちになるのは、罪悪感が吹き飛んで、心がスッキリするからなのかもしれませんね。

 

そんなチコちゃんの魅力について、絵本の編集担当さんはこう語ってくれました。

チコちゃんには、普段、当たり前であっさり通り過ぎているようなことを「ぎもん」としてとらえて、きちんと考えることの大切さを教えられました。チコちゃんは、子どもがよく口にする「なんで? どうして?」という「ぎもん」を、いつも遠慮なく大人にぶつけます。その遠慮のなさが、清々しくて楽しいなと思います。チコちゃんは、「こんなこと聞いたら恥ずかしいな」なんてことは、まったく思いもしていないのだろうなと思います。その潔い感じがとても楽しく、私も見習いたいなぁと思っています。

【文溪堂・編集担当】

「絵本 チコちゃんに叱られる」シリーズ読者のおすすめレビュー

次に絵本ナビに寄せられたレビューの声から、絵本の魅力に迫ってみましょう!

テレビの復習

大人気のテレビ番組「チコちゃんに叱られる!」に、わが家も釘付けです。

絵本のチコちゃんはクールです。

テレビでは笑い飛ばして終わったテーマをていねいに解説してくれたので、「さようなら」の仕草の意味がよくわかりました。(ヒラP21さん)

「さようなら」の仕草の意味がわかるページがこちらです。昔の「着物の袖に魂が宿る」という考えが、そのままイラストでわかりやすく描かれていますね。

絵本は、気になるページをすぐに何度でも読み返すことができますし、自分が理解できるまでじっくりと読みこむことができるのがイイところ。「絵本 チコちゃんに叱られる」は全ページひらがなの文章で書かれているので、ひらがなが読めるようになる4、5歳から小学校低学年の子も、ひとりで絵本を読むことができます。

ここでしか出会えないチコちゃんにキュン!

あの博学なチコちゃんは、こうして真面目に疑問を調べているのねと、感心しました。
うちは犬を飼っているので、ペットと一緒に生きることを『チコちゃんに叱られる ひとが ペットをかうのは なぜ?』を通して、改めて息子とも話してみたいと思います。
テレビ番組の生意気(?)なチコちゃんとは違う、かわいらしいチコちゃんに出会える貴重な絵本かも。
(ゆーたくさん)

「ぎもん」が解決した後、チコちゃんは決まってこんな風に優しい表情をみせてくれます。

大人心にもっとも響いた1冊はコチラ!

子どもと一緒に過ごせる時間は意外と短い

今回のチコちゃんの疑問は、回答を聞いて親の方がしんみりするような内容でした。
「親とはいつまで一緒にいられるのか?」という疑問について、人生の中で親と一緒に過ごす時間の計算がされているのですが、それがとてつもなく短いんですよね。
コップに満タンに入っていたジュースがだんだん減っていくように、年を重ねる度に親と一緒に過ごす残り時間が減っていくと説明されているのですが、小学校卒業時点で、もうコップのジュースは半分しか残っていないと聞いて、とたんに切なくなりました。
幼い頃、それこそママにべったりの頃はもっと一人の時間が欲しいと感じていたのに、残されている時間が短くなっていくほどに、寂しく感じてしまう。勝手なもんですよね(笑)。
親孝行したい時に親はなし、なんて言葉がありますが、
子供と過ごしたい時には子は巣だつ、なのかなと思いました。
子供と過ごす時間を大切にしたいなと思います。
(tori.madamさん )

深い!

お話会で読んでいただきました。「チコちゃん」という名前は知っていましたが手に取ることはなく、どんな話なのかなぁと興味がありました。

小学生の子は真剣に聞き入っていました。「お父さんお母さんとどのくらい一緒にいれるのか?」とは、子どもはなかなか考えないですよね。親としては「どのくらい一緒にいてやれるのか?」と考えることもありますが、改めて時間を計算する式が絵本に載っていると計算してみたいようなしたくないような……。少し大きくなった子どもと親子で読んでみるのにいい絵本だと思いました。

(あのみさん)

限りある時間を

「大人になったら、パパやママと離れて暮らすの?」、「パパやママが死んじゃったら悲しい」など、まだまだ先のこと…を心配する7歳娘に購入して読みました。そうしたら、娘の心配もあながち間違いじゃないなと感じました。

今、一緒に暮らして時間を共有しているけれど、人生の中の時間に置き換えると、本当にわずかな時間。コロナ禍で、ステイホームが叫ばれる時期に読んだので、余計にこの貴重な時を大切にしたいという気持ちになれました。

(ままmamaママさん)

担当編集さんのひとこと制作秘話

最後に「絵本 チコちゃんに叱られる」シリーズ全5冊について、チコっとずつ制作秘話を紹介します。

『チコちゃんに叱られる なぜ、ひとと わかれるときに てを ふるの?』

初の土台になる1冊目だったので、一番大変だったと思います。どのような形にするのか、どう見せていくか、テレビ番組との差別化をどう図るかを、制作の方々とたくさん話し合いました。

その途上で、制作の方から「5歳のチコちゃんはどうやってできたのか、この絵本が、チコちゃんの「エピソード:ゼロ」のような位置付けになるとおもしろいかもね」という提案があり、そこから、スムーズに動き出した気がします。

『チコちゃんに叱られる ごちそうさまって なに?』

この巻にはインドの神様のことが出てくるのですが、その監修を、番組でもおなじみの千葉公慈住職にお願いしました。

その折に、私からの質問に資料とともに、達筆で丁寧なお手紙をいただきました。そのお手紙がとてもすばらしく、ありがたかったです。

『チコちゃんに叱られる おとうさん おかあさんと いっしょにすごせるじかんは どれくらい?』

テーマがとてもデリケートなものだったので、後ろ向きにならないように、番組の構成作家でもある、海老克哉さんがじっくり、しっかり考えてくださいました。

子どもにとって、大切な人との別れを意識することはとても辛いことだと思います。その別れをいい加減には扱いたくなかったので、描きかたについては苦労しました。

 結果的に、とても前向きなメッセージとしてみていただけるようになったと思っています。

『チコちゃんに叱られる ひとが ペットをかうのは なぜ?』

コロナ渦中の空前のペットブームの反動で、飼育放棄などの問題も大きくなっているので、そのメッセージも大切に届けられるようにしました。

オオシカケンイチさんが、いろいろなペットを楽しく描いてくださったのがうれしかったです。

『チコちゃんに叱られる ちきゅうおんだんかって なに?』

「なんで、二酸化炭素が増えると温暖化するの?」というテレビ番組の疑問の答えを、絵本ではさらに掘り下げて、地球温暖化がどんな現象なのかをわかりやすく伝えるようにしました。

今、地球はどんな状態なのか、私たちになにができるのかを監修の江守正多先生に聞いた時の答えは、衝撃的でした。

その答えがどんなものなのかも含めて、絵本を読みながらチコちゃんと一緒に考えてもらえたらうれしいです。

いかがでしたか?

 

身近な疑問から地球規模の大問題まで、トコトン答えを追求する「絵本 チコちゃんに叱られる」シリーズ。子どもがひとりで読んでもいいし、大人と一緒に読んでお互いの意見を聞きっこしてもいいし、大人が読んでためになる。そんな風に、家族全員で絵本を楽しんでみてください!

中村美奈子(絵本ナビライター)

※掲載されている情報は公開当時のものです。

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