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トラといっしょに(徳間書店)

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《スペシャルコンテンツ》インタビュー

2013.07.11

『ぴよちゃんのおたんじょうび』
いりやまさとしさんインタビュー

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───最後のページは「おとうさんおかあさんのところへうまれてきてくれてありがとう!」
読んでいて、きゅんとしてしまうお父さんお母さんもいらっしゃるでしょうね。

誕生日は、子どもにとってはプレゼントをもらえる日であり、ケーキを食べられるとか、特別扱いしてもらえるといううれしさがある日だと思いますが、親にとってはやはり「うまれてきてくれてありがとう」。この一言に尽きると思うんです。自分たちを親にしてくれてありがとう、そう子どもに思う日じゃないかなと。
ストーリーの本筋からは外れますし、はっきり書くべきか迷ったんですが、やっぱりこの本を読んでくださる親子に、僕の気持ちを伝えたくて、このページを描きました。

───最後のページを読んでもらった子どもたちは「自分は愛されてうまれてきたんだ」と思えるでしょうね。大好きなページになるにちがいありません!

自分の子ども時代をふりかえると意外とうれしかった記憶よりも、くやしかったり悲しかった記憶が鮮明だということありませんか。「あなたが大事だよ」「うまれてきてくれてうれしいよ」って小さな子には何度言葉にしても多すぎることはないと思います。ほめて育てる、それが子どもは基本だなと思っています。現実には難しいですけどね・・・(苦笑)。

───お話をうかがっていると、子育ての経験がぴよちゃんシリーズのお話作りに生かされていると感じます。息子さんたちもぴよちゃんシリーズはよく読むんですか?

上の息子はもう小学校5年生ですので、絵本はもうあまり読みませんね・・・。さみしいですが。
3歳の次男は『ぴよちゃんのおはなしずかん〜おてがみきたよ〜』が最近のお気に入りです。細かい図鑑みたいな絵や、デジタル絵本になっていることがすごく興味深いみたいで、何度も「これ読んで」と持ってきます。
実は、昨年小学校のPTAの役員をしたのですが、最近の子どもたちはとってもいい子たちで、逆にはみ出さない子ばかりで心配だなあと思いました。はみ出したっていいじゃないかと思いますし、はみ出すことがその子の糧になることもありますよね。
ぴよちゃんシリーズに限らず、日頃感じる様々なことが、絵本を制作する原動力になるのは確かです。感じたことや考えたことをアイディアに落とし込んで、ラフにして描きためています。

───息子さんたちはどんどん成長し、いりやまさんご自身もいろんなご経験をされていくと思いますが、シリーズ誕生から10年経っても、ぴよちゃんは、昔のままのぴよちゃんですよね。
変化しないぴよちゃんを描くことの難しさはありませんか?

不思議なもので、すーっと「ぴよちゃん」になれるんです。純心で、ばか正直といってもいいくらい素直で。そんなぴよちゃんはずっとそのままでいてほしいし、変わらずにいていいんだと思っています。

───夏は『ぴよちゃんとひまわり』を読みたくなるのですが、この本のぴよちゃんもけなげでかわいいですよね。おいしい葉っぱを食べたいばっかりに、葉っぱを増やそうとしていっしょうけんめいひまわりの世話をするけれど、花が咲いたらやさしいひまわりさんが大好きになって・・・でも夏が終わるとき、ひまわりは枯れてしまう。
涙を流すぴよちゃんの姿や、残された種から新しいひまわりが育つところに、命がめぐるメッセージを感じます。

ぴよちゃんとひまわり
ぴよちゃんとひまわりの試し読みができます!
作・絵:いりやま さとし
出版社:学研

ひまわりの種を拾ったひよこのぴよちゃんは、葉っぱを増やしてから食べようと待っているうちに、ひまわりと友だちに。けれど、夏が終わると仲良しのひまわりは枯れてしまいます。やさしい色彩の美しい絵で、命を慈しむ心をはぐくむ絵本です。 もうすぐ、iBooksでも発売予定です。

僕自身は意識せず、素直にひまわりの四季やぴよちゃんの姿を描いたんですが、『ぴよちゃんとひまわり』はたくさんの方から「大切に読んでいます」とメッセージをいただいて・・・。
小学校の道徳の副読本になったり、東日本大震災でお子さんたちを失われた宮城県の幼稚園の園長先生から、お手紙をいただいたこともあります。『ぴよちゃんとひまわり』を描いてくださってありがとうございます、と言われて驚きましたし、僕の描いた絵本で少しでも励まされたのだとしたら、うれしく、そして、とてもありがたく思いました。その後、その幼稚園に行って、園児や先生方と交流することができました。

───ひまわりさんが枯れてしまうシーンは、ドキッとするほどぴよちゃんの悲しみが伝わってきます。

僕はそんなに意識しなかったのです。でも、まっすぐ描き、ぴよちゃんがまっすぐに泣いたり悲しんだりするところも絵本の中で描くことができたのがよかったのではないかと思います。
「おやこであそぶしかけえほん」シリーズを3冊まで描いたところで、偶然企画が通り世に出すことができた、番外編のような長めのストーリー絵本だったのですが、この絵本を描くことができて僕としても本当によかったなと思っています。これからもこんな絵本を描いていきたいです。

そうそう、この『ぴよちゃんとひまわり』のiBooks版が7月24日に発売、デジタル絵本としても楽しめるようになります。読み上げてくれたり触ったら動いたり、紙とはまた違った魅力がありますので、iPad、iPhoneをお持ちの方はよかったら、ご覧ください。

───ひまわりさんが残した種から、どの花が咲くのか、絵探しも楽しいのでおすすめですね。
最後に、絵本ナビ読者にメッセージをお願いします。

みなさんに「ぴよちゃん」というキャラクターを愛していただいて、10年間絵本を描いてこられました。
日常の中の小さな冒険がつまっている「ぴよちゃんのおやこであそぶしかけえほん」シリーズも7作目。新作とあわせて他の作品も一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。


Facebookではぴよちゃんのデジタル絵本などについても告知しています。よかったらご覧になってください。

■「ぴよちゃん」Facebookページ
■「ぴよちゃん」絵本・アプリ・ぬいぐるみなど、関連商品ご紹介特設ページ

「ぴよちゃんのフェイスブックページ」という、ぴよちゃんとガーコちゃん、グーグちゃんの3羽のイラストのアイコンをクリックしてみてくださいね。

───ありがとうございました!


記念にパチリ

<編集後記>


梅雨の嵐のような天候の日に、予定の時間をオーバーしてインタビューにおつきあいいただきました。帰宅した上のお子さんからの携帯電話が何度か鳴り、急いで下のお子さんのお迎えに向かういりやまさとしさん。作家さんとしてはもちろん、一人のお父さんとしてすごく誠実で素敵な方なのでした・・・。
とにかくかわいくてほっとして、慌ただしい子育ての中で癒される時間をもらえる「ぴよちゃん」。みなさんに愛されるぴよちゃんシリーズを、この機会に手にとってみてくださいね。


サインを書いていただきました!

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インタビュー: 磯崎園子 (絵本ナビ編集長)
文・構成: 大和田佳世 (絵本ナビライター)

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いりやま さとし

  • 東京都生まれ。キャラクターデザイン、グリーティングカードのデザイナーを経てフリーのイラストレーターになる。絵本作品に、『ぴよちゃんのかくれんぼ』『ぴよちゃんとひまわり』『ピヨピヨだあれ?』などの「ぴよちゃん」シリーズ(学研)、『ドーナツポーン!』『おやすみくまさん』(学研)、『みどりのくまとあかいくま』シリーズ(ジャイブ)、『おやすみなさいのおと』『ころころパンダ』(講談社)他多数。その他、直販の保育絵本などでも活躍している。

作品紹介

ぴよちゃんのおたんじょうび
作・絵:いりやま さとし
出版社:学研
ぴよちゃんのかくれんぼ
作・絵:いりやま さとし
出版社:学研
ぴよちゃんのおかあさんどこ?
作・絵:いりやま さとし
出版社:学研
ぴよちゃんのおともだち
ぴよちゃんのおともだちの試し読みができます!
作・絵:いりやま さとし
出版社:学研
ぴよちゃんのおやすみなさい
作・絵:いりやま さとし
出版社:学研
ぴよちゃんのおつかい
作・絵:いりやま さとし
出版社:学研
ぴよちゃんのありがとう
作・絵:いりやま さとし
出版社:学研
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