世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
絵本紹介
2021.08.24
ここ数年、インターネットやSNSで「今日はストロベリームーンの日です」などと、満月をいろんな呼び方で紹介する記事や投稿を見かけるようになりました。「ストロベリームーン」は英語圏で使われている6月の満月を指す言葉で、その時期にいちごが収穫されることからその名前がついたそう(諸説あります)。このように英語圏では、一定の周期で巡ってくる満月を、狩猟や農業を行う目安にしていたようです。
日本には「弓張り月」や「十五夜」など、月の満ち欠けに関する言葉が多くあります。日本最古の物語『竹取物語(かぐや姫)』は、美しい女人が天皇をはじめ数々の殿方の求愛を絶って月に帰っていくおはなしですし、恋人や家族が自分を想う心を月の満ち欠けに例える和歌も数多く残されていることから、日本人は「月」に幻想的で、ロマンチックなイメージを抱いていることがわかりますね。
でも子どもにとって「月」といえば、おだんご!
月を見たことよりも、お家や幼稚園・保育園でやったおだんごづくりの方が思い出に残っているからでしょうか。さてはて、そんな風に国や人によってさまざまなイメージが投影される「月」。紹介する絵本それぞれの「月」のイメージの違いを楽しんでください。
出版社からの内容紹介
月のきれいな春の夜のこと。おばあさんがいつものようにひとり、針仕事をしていると……。「日本のアンデルセン」と呼ばれた小川未明の、美しい夜の物語を、高橋和枝が絵本化!
みどころ
子どもたちに大人気の「いただきバス」シリーズの第5弾、テーマは「お月見」!
「さあ、おつきみの じゅんびでございバス」
バスとねずみたちが楽しくお月見の準備をしていると……、ぴょーんとはねるのが得意なうさぎがやってきて、大切なお団子を持っていっちゃった!
追いかけて、お団子を取り戻すことができるかな……!?
お月見って何をするの?
どうしてお月見をするの?
おはなしを楽しみながら、文化や風習に関する大切なことを、物語を通して知ることができます。
絵を見ながら……、
何を飾っている?
お団子の形は?
どんな風に並べている?
そして、おつきさまってどうしてお団子が好きなのかなぁ?
そんなことを探したり話したりしながら読んでいくともっと楽しくなりそうです。
この書籍を作った人
1961年東京生まれ。1991年講談社絵本新人賞を受賞して絵本作家デビュー。その後、絵本・読み物・紙芝居・作詞・保育あそびなどの創作活動をはじめる。絵本『しーらんぺったん』(世界文化社)『いただきバス』(すずき出版)、読み物『おひるねどうぶつえん』(すずき出版)、CDブック『ぼくのうたきみのうた』シリーズ(世界文化社)など。2011年。NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」で、あそびうたが放送される。「ねこときどきらいおん」「げんきタッチ!」「おさんぽペンギン」など大好評。on airは続いている。2015年。NHK Eテレ「いないいないばあっ!」 4月からのリニューアルに参画。新しい人形劇の設定世界観+キャラクターデザイン+セットデザイン+原作を担当。新おねえさんのゆきちゃんの就任 曲「にこ にこ んぱ!」の作詞。遊びロケコーナーのBGMの作詞作曲も担当。
出版社からの内容紹介
ネズミのチュッチュとチョピーが夜空の下を散歩していると、お月様が友だちのようについてきました。でも、昼間はお月様を見かけません。そこで、お月様を探しに出かけた2匹でしたが……見つけたと思ったら黄色い風船だったり、丸い果実だったり。そしてとうとう見つけた黄色くて丸いものは、ネコのくびについた鈴だったから、もう大変!!
この書籍を作った人
1974年、東京生まれ。二人の娘の父。絵本作家・デザイナー。絵本に『れいぞうこ』(偕成社)、『いろいろ ばあ』(えほんの社)、『みず ちゃぽん』(童心社)、『どじにんじゃ』(講談社)、『おおごえずかん』(コクヨS&T)、『ころころぽーん』(ほるぷ出版)など多数。挿画に「パーシー・ジャクソン」シリーズ(ほるぷ出版)、「モーキー・ジョー」シリーズ(フレーベル館)など。くもん出版からは、「えほんとあそぼ」シリーズのほかに『ぴーかーぶー!』『カチン コチン!』(絵・小林ゆき子)の2冊がある。
この書籍を作った人
絵本作家・イラストレーター。主な絵本に『ハロウィンのランプ』『ブラザーサンタ』(岩崎書店)、『ポーリーちゃんのポケット』(教育画劇)、『おじいちゃんと日の出を見たよ』(佼成出版社)など。挿絵に『シュレミールと小さな潜水艦』(偕成社)、『あしたは晴れた空の下で』(汐文社)、『おひさまのワイン』(学研)、 『トトの勇気』(鈴木出版)などがある。その他、月刊保育絵本、グッツなど。日本児童出版美術家連盟会員。C.W.ニコル・アファンの森財団会員。
出版社からの内容紹介
お月さまがみんなにおやすみを言いに行くよ。動物園のみんなは眠ったかな? バスたちは眠ったかな? お月さまはゆっくりと夜空をめぐり、やがてぼうやのおうちにもやってきます。『どうぞのいす』の柿本幸造による静かなおやすみの絵本。
この書籍を作った人
1915年広島県生まれ。「どんくまさんシリーズ」(至光社刊)、「おかえりくまくん」(佼成出版社刊)、「ごろりんごろんごろろろろ」(ひさかたチャイルド刊)などの作品がある。小学館絵画賞受賞。
この書籍を作った人
1980年静岡生まれ。絵本ワークショップ「あとさき塾」で学ぶ。2012年、第18回おひさま大賞最優秀賞を受賞。絵本に「とんでったぼうし」(おはなしプーカ 学研)、「おばけのドレス」(絵本塾出版)、「こうくんとちいさなゆきだるま」(小学館)、「のはらでまたね」(文溪堂)などがある。
出版社からの内容紹介
文字はなくても、絵が語りかけてくれる。ほら、もうお話ははじまっているよ! シロクマがクジラにのってやってきて…。それから? 木の上の家からうまれる、読者の想像力を刺激する美しい絵の物語。
ボローニャ国際児童図書賞ほか、数々の賞を受賞した文字のない絵本。
この書籍を作った人
1948年、オランダのアムステルダム生まれ。彫刻家、画家、グラフィックアーティスト。ライデンにある国立民族学博物館で古代の都市国家群エトルリアのブロンズ像を研究し、のちにシルクスクリーンやエッチングなどさまざまな表現技法を学ぶ。哀愁に満ちたものから生き生きと躍動的なものまで幅広い作風で知られ、近年は、今日的で身近なものをテーマにした作品を多く発表している。1992年、それまでの全グラフィックアート作品に対して、ヘルダーラント・グラフィックアート賞が授与された。
この書籍を作った人
1976年、オランダのナイメーヘン生まれ。ハーグ王立芸術アカデミーのグラフィック&タイポグラフィック学科を卒業後、イギリスのエディンバラ芸術大学でイラストレーションとデザインを学ぶ。父ロナルドの色彩感覚や美的センスを受け継ぎ、現在はハーグに住んで、絵本作家・児童書の挿絵画家として活躍。その作品は世界の10ヶ国以上で紹介されている。
みどころ
夜は、子どもにとって、どんな存在なのでしょうか。
真っ暗で、何も見えなくて、怖いもの。
その暗闇からおばけがやってくるんじゃないかって、恐ろしいもの。
もっともっと遊びたいのに寝なければならない、悔しいもの。
そんな風に、ネガティブなイメージが多いかもしれません。
この絵本は、子どもたちが寝静まった夜が舞台。
それもきっと、10時や11時ではなく、2時か3時くらいの真夜中です。
自分が寝ている間に、いろんなものたちが、お外ではなかよくしている。
例えば……
「つきよに ナマズとやなぎ なかよし」
「つきよに ゆうびんポストとじてんしゃ なかよし」
「つきよに チョウチョとせんろ なかよし」
各ページに1組ずつ、「つきよのなかよしたち」が登場します。
子どもにとって夜のイメージが大きく変わることになるかもしれません。
中にはきっとお子さんが知らないものも出てくるでしょう。
(灯篭、ドラム缶、灯台など……)
これって何?と興味を持ったお子さんには、「これはね……」と説明してあげてくださいね。
お子さんの新しい世界が広がるはずです。
そして、「チョウチョとせんろは、どうしてなかよしなのかなぁ?」などと、「なかよしの秘密」を親子で探ってみるのも楽しいかもしれません。
大胆に描かれた井上洋介さんの絵もまた魅力のひとつ。お母さん、お父さん世代には、『くまの子ウーフ』の絵が、なじみ深いのでは?
じんわりした絵の具のにじみの中に、真夜中の静寂とどこか楽しげな逢瀬が、見事に表現されています。
この書籍を作った人
1931年東京都生まれ。第37回小学館絵画賞、第6回日本絵本大賞、第25回講談社出版文化賞受賞。画集に『木版東京百画府』(京都書院)、『電車画府』(パルコ出版)など。絵本に『まがればまがりみち』『あじのひらき』(福音館書店)、『でんしゃえほん』(ビリケン出版)、『あなぼこえほん』(フレーベル館)、『ぼうし』(イースト・プレス)、『ぶらぶらどうぶつえん』『わっ』『やまのばんさんかい』(小峰書店)など多数。漫画、イラストレーション、本の挿絵など、幅広く活躍。多彩な仕事を紹介した『井上洋介図鑑』(河出書房新社)がある。
出版社からの内容紹介
防災の日、重陽の節句、仲秋の名月、敬老の日、お彼岸など、たくさんの絵で行事の由来を紹介する行事絵本の決定版!白露、秋分などの二十四節気、台風や月の満ち欠けのしくみ、秋風の遊び、秋の七草、秋の虫も紹介。
この書籍を作った人
加古里子1926(大正15)年福井県武生町(現・越前市)生まれ。1948年東京大学工学部卒業。工学博士。技術士。民間化学会社研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事。1959年から出版活動にかかわり、1973年に勤務先を退社後、作家活動とともに、テレビニュースキャスター、東京大学、横浜国立大学などで児童文化、行動論の講師をつとめた。また、パキスタン、ラオス、ベトナム、オマーン、中国などで識字活動、障がい児教育、科学教育の実践指導などを行い、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園、日本人会で幼児教育、児童指導について講演実践を行った。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『かわ』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)、『富士山大ばくはつ』(小峰書店)など、500冊以上の児童書の他、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。土木学会著作賞、日本科学読物賞、児童福祉文化特別賞、菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、神奈川文化賞、川崎市文化賞、日本児童文学学会特別賞、日本保育学会文献賞、越前市文化功労賞、東燃ゼネラル児童文化賞などを受賞。
みどころ
「それは それは ねぐるしい
なつの ばんやった。
あつくて あつくて ねるどころか
どうしようもあらへん。」
冒頭からすぐにその熱気が感じられます。そして、ぼんやりと浮かぶ月と、集合住宅の様子。表紙の絵からも、ペク・ヒナさんの独特の世界観が伝わってきます。
「ぽた……ぽた…ぽた
なんのおとやろ? お月さん とけてはるがな」
「えらいこっちゃ」しっかり者のおばあちゃんが、お月さんのしずくをたらいで受け取って、どうしたと思いますか? なんと、シャーベットの型に流し込み、冷凍庫に入れて凍らせるのです。ところが、エアコンや扇風機、冷蔵庫フル稼働の集合住宅が停電すると、おばあちゃんの部屋だけシャーベットの光がともっているではありませんか! それはとっても映像的でドラマティック。そして、集まってきた住民に、おばあちゃんがふるまった、シャーベットのお味は? 想像してみてくださいね。
さて、もう一つの難題「消えたお月さんをどうするか」。これもまた、不思議で、ロマンティックで、それでいて妙に納得の解決策ですのでお楽しみに。今夜のお月さんを見る目が変わるかもしれませんね。
『天女銭湯』『あめだま』などの作品で注目を集め、2020年にはアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞されたペク・ヒナさん。インパクトのある粘土人形とアングルで独特な世界が印象的でしたが、今作は少し趣が違います。ペク・ヒナさん初期の作品で、紙で作った人形とミニチュア模型が織りなす世界です。長谷川義史さんの軽快で愉快な大阪弁も、世界観を盛り立てくれます。
このシチュエーションと表現方法だからこそ味わえるリアリティ。視覚、聴覚、味覚、体感フル稼働で楽しんでください。住民たちの個性豊かな部屋もサブストーリーとして見逃せませんよ。