モン太くんは、モンスタータウンにすむ男の子。 ここはモンスターと人間がなかよくくらす町。 モン太くんのおかあさんは魔女、 おとうさんはフランケンシュタイン。 親友は、おはかにすんでるガイコツくん。 「どうしてぼくだけ、ふつうの人間なのかなあ」 だけどある日、すごいことが…? はじめての「ひとり読み」にぴったりの、楽しいお話。 挿し絵多数!
───今日はお会いするのがすごく楽しみでした!
土屋さんといえば、『もっちゃうもっちゃう もうもっちゃう』にファンが大勢いて、絵本ナビでも読者レビューがたくさん付いています。子どもにとって「おしっこをもらさないようにする」って大仕事ですよね!
『つみき つんで もっとつんで』はつみきを積んで宇宙までいっちゃうお話。『よりみちエレベーター』や『それいけおもちゃだいさくせん!』など、土屋さんの作品を読むと、いつも、どうしてこんなに男の子の気持ちがわかるの?と思ってしまいます。
土屋さんはどんな男の子だったんでしょうか。お話は、実体験が元になってできることもありますか?
───今まで土屋さんが描かれてきた絵本は、とにかく子どもが夢中になっている世界を描き出したものが多いですが、『モンスター一家のモン太くん』はちょっと違います。
収録されている2つのお話のうち、最初のお話「ようこそモンスタータウンへ」では、モン太くんの家族構成や、モン太くんが住むモンスタータウンをしっかり描いていますね。モン太くんのお母さんは魔女、お父さんはフランケンシュタイン、ペットもモンスターなのに、モン太くんだけなぜか人間であることがわかります!
読み物なのに、中を開くと、絵がたくさん! 字も大きくて、絵本のように読みやすい、ちょっとおもしろい形になっていますよね。
実は、後半のお話「モン太くんのグラグラな日」のほうを絵本にするつもりで、ラフを編集者に見せたんですよ。そしたら主人公の男の子のキャラクターをしっかり書いてみたらと言われまして。前半部分「ようこそモンスタータウンへ」を書き足し、1冊の読み物として出版することになりました。
───なるほど、そうだったんですか! 気になるポイントがたくさんあるんですが・・・たとえばモン太くんのお母さんは魔女なのにあまり魔法を使わないとか、お父さんは力は強いのにけっこう落ち込みやすくて、可愛いところがあったり。モン太くんとお父さんは、お母さんが魔法をつかって料理を作ってくれたら美味しいのになと心の中で思っていたり(笑)。
モンスタータウンには人間とモンスターが一緒に住んでいて、ハンバーガーショップには人間用とモンスター用のメニューがあって・・・という設定に、もうワクワクしちゃいます。こわいけど行ってみたい!
───ちなみに、モン太くんのおじいちゃんは昔はあばれんぼうのオニで、おばあちゃんは泣く子も黙るやまんばで・・・。
───(笑)ペットはオオカミ犬のバウと化け猫のミャー。親友はお墓に住んでるガイコツくん。
漫画みたいな「ふき出し」で、みんなが会話しているのも楽しい!
そういえば子どもの頃は漫画が好きでした。自分でも漫画を描いて、雑誌の装丁をまねたりして、小学校で友だちに読んでもらったりしていました。
───小学生の頃から制作をされていたということですね!
2つめのお話「モン太くんのグラグラな日」は、当初絵本の企画だったということですが、それもうなずける土屋さんらしい内容。ある日、歯がグラグラするのに気づいたモン太くんは、グラグラが気になって気になって、気がついたら足下が信じられないくらいグラグラになっちゃって・・・。グラグラが「これでもか!」というくらい続きます(笑)。
この「足下が不安な感覚」は、土屋さんのどの作品にも共通しているような気がするのですが。
───スピード感のある展開が素敵ですが、お話ができるのは「あっという間」ですか?