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絵本紹介
2021.08.31
感受性豊かな年齢だからこそ読んで欲しい、心に染みる物語。児童向けの読み物作品には、大人がドキっとするような鋭い指摘や不条理なこと、明確な答えを出しづらい難問を題材にしたものが多くあります。白黒はっきりつけられない世界だからこそ、「自分なりの考えや価値観」が、その人の行動を決めていきます。子どもたちには、物語の主人公を通していろんな体験をしてもらい、知識と感じる心を豊かに、そして思慮深さを身につけてもらえたらうれしいですね。
そして、自分たちが生きているこの世界のことを知るのにとても便利なものが、図鑑です。図鑑の肝は「カテゴリ分け」。いかにわかりやすく、正しく、カテゴライズしてみせるか。そんな作り手の工夫がいっぱいの図鑑を集めました。1冊「図鑑」だけど「図鑑」ではないものもありますので、お楽しみに!
みどころ
病室のベッドの大きさは、たて約二メートル、幅約一メートル。
その周りをぐるりと囲うカーテンの中が入院中のわたしの世界のすべてーー。
札幌に暮らす小学3年生の女の子、海音ちゃん。彼女は、脳神経の病気の治療のために、3歳の時から定期的に入退院を繰り返している。彼女は大抵の事は「わかっている」。なかなか効果の出ない治療だという事も、もっと痛い思いをして検査を受けている子がいるという事も、家族の住まいがバラバラになってしまう家があるという事も。どうしてわたしだけ、とは思わない。
だけど、やっぱりつらい気持ちになる事がある。孤独を感じたり、怖くなることだってある。「もういや!」「薬を飲まなくていい日をください!」内から生まれるたくさんの言葉を飲みこむのは、家族みんな、それぞれが思いを抱えていることを知っているから。そんなある日、彼女の目に思わぬ光景が飛び込んできた……!
主人公は実在の小学5年生、前田海音さん。彼女が3年生の時に書いた作文が 「子どもノンフィクション文学賞」を受賞し、絵本作家はたこうしろうさんとのコラボレーションにより、この一冊の絵本が誕生したのです。海音さんが見ている街や学校の風景、病院の様子。そして彼女の口から語られる言葉は、一つ一つどれも重みがあり、まっすぐに読む人の心に刺さってきます。けれどもそれは、悲しみだけではありません。私たちみんなが覚えておきたい、大切なことばかりなのです。
「ひとりじゃないよ」
ベッドの上で海音さんの見つけた大事な発見。この絵本を通して、きっとまた違う誰かに届いていきますように。
この書籍を作った人
兵庫県に生まれる。絵本作家、イラストレーター。絵本に「ショコラちゃん」シリーズ(講談社)、『ゆらゆらばしのうえで』『ことりのゆうびんやさん』(以上福音館書店)、『なつのいちにち』(偕成社)、『むしとりにいこうよ』『みちくさしようよ』(ほるぷ出版)『雪のかえりみち』(岩崎書店)、『はるにあえたよ』「クーとマーのおぼえるえほん」シリーズ(ポプラ社)、『ぼくはうちゅうじん』(アリス館)、『はじめてずかん どうぶつ(1)(2)』(コクヨS&T)、童話の絵に『きかせたがりやの魔女』『あしたあさってしあさって』などの作品がある。
出版社からの内容紹介
ビリーとマークは、砂浜でビンに入った手紙を見つけました。
手紙には暗号のようなものが書かれています!
なんとか読み解くと、離れ島に住むトムという男の子からで、「たんけんクラブをつくろう」ということでした。
うれしくなった二人は、別の暗号をつくって手紙を書き、ビンに入れて海におくりかえしました。
さぁ、ワクワクのたんけんがはじまります!
この書籍を作った人
1933年アメリカ ロサンゼルス生まれ。高校卒業後ブルックリンの「プラット・インスティテュート」に入学。本のイラストレーションを学ぶ。ポーランド生まれのアニタ・ローベルと出会い結婚。『わたしの庭のバラの花』など、ローベルが文、アニタが作画を担当した絵本も出版されている。『ふたりはともだち』でコルデコット賞次賞と全米図書賞、『ふたりはいっしょ』でニューベリー賞、『どうぶつものがたり』でコルデコット賞を受賞。20世紀アメリカを代表する絵本作家となる。その他の作品に『ふくろうくん』『おはなしばんざい』(以上文化出版局刊)などがある。1987年ニューヨークの病院で他界。
この書籍を作った人
〈1974年-〉東京都生まれ。学生時代を熊本で過ごし、卒業後、児童書版元に入社。その後、留学などを経て、子どもの本の翻訳に携わる。東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。祖父はトルストイ文学の翻訳家、故・北御門二郎。
出版社からの内容紹介
第二次世界大戦中のフランスの山間部。12歳の少年ジョーは、戦争に行った父のかわりに、ヒツジの世話をしています。ある日、山の中で見知らぬ人に出会ったことから、ナチスの迫害をのがれたユダヤ人とかかわることに……。イギリス児童文学界を代表する作家、マイケル・モーパーゴの新作です。
この書籍を作った人
1943年、イギリス、ハートフォードシャ―生まれ。ロンドン大学キングズ・カレッジ卒業。小学校教師を経て児童文学作家になる。ウィットプレッド賞、スマーティーズ賞、チルドレンズ・ブック賞など数々の賞を受賞。邦訳作品に『最後のオオカミ』『忘れないよリトル・ジョッシュ』(ともに文研出版)、『世界で一番の贈りもの』、『おじいちゃんが のこしたものは…』、『希望の海へ』、『戦火の馬』(以上、評論社)、『モーツァルトはおことわり』(岩崎書店)、『ロバのジョジョとおひめさま』(徳間書店)、『月にハミング』(小学館)などがある。
みどころ
ミッチが大事にしているたからもの。名づけて「道ばたコレクション」。
道ばたで見つけた、めずらしい形や色をしているたくさんのものたちが、おじいちゃんからもらった「たからばこ」に詰まっています。
今回「道ばたコレクション」に加わるのは、「ラッパ貝がら」。家族で遊びに行った海で拾ったものです。貝がらはミッチの手よりも大きくて真っ白で、あなのまわりが花びらみたいに広がっています。楽器に似ているので、「ラッパ貝がら」と呼ぶことに。ラッパ貝がらは光があたると虹色に輝いてとてもきれい!
家に帰ったミッチは、貝がらをたからばこにしまう前に、机の上にかざることにします。
するとその夜、なにやらとてもきれいなうたごえが聴こえてきて‥‥‥。
「らららら、るるるる、」とやさしくつづくうたごえ。
いったいだれがうたっているのだろう?
貝がらのなかに、だれかすんでいるのかな。
「ねえ、なかに だれかいるの?」
ためしに呼びかけてみると、ぴたっ、とうたがとまってしまいました。
「もしかすると うたっているのは、とてもこわがりで ひとみしりな 女の子かもしれない。」
おとうさんにそう言われたミッチは、やさしい声で毎日少しずつ話しかけます。
貝がらの中にいる女の子って、やっぱりこびとなのかな。それとも貝がらのようせい? もしかして、おばけだったりとか? そんなことを考えながら眠りについたある夜のこと、ミッチが目をあけるとそこは真っ白などうくつの中でした。
ラッパ貝がらの中らしいその場所で、ミッチが出会ったのは、いったいどんな子だったのでしょう?
今回のお話は「道ばたコレクション」シリーズの3巻目。どの巻からでも自由に読めるシリーズですが、大きな魅力は、「道ばたコレクション」に追加されていくちょっと変わったアイテム。それは、不思議を巻き起こしたり、新しい友だちと出会わせてくれたりと、ミッチの大切な思い出となっていきます。
ミッチの不思議な体験を自然に共有してくれるおとうさんの存在も、このシリーズの素敵なところでしょう。本を書く仕事をしているおとうさんはどんなことが起きてもそのままを信じて、いつもミッチと同じ目線で話をしてくれるのです。親とも不思議な体験や出来事を共有できるというのは子どもたちにとって嬉しいポイントですよね。
児童文学作家の如月かずささんが描き出すひと夏のファンタジー。軽やかで楽しく読みやすいお話は、小学1、2年生から読める易しさです。爽やかなブルーが印象的で、どこか懐かしいようなコマツシンヤさんの挿絵もお話とぴったり合って、日常の世界からひょいと不思議な世界へと誘ってくれます。
さあ、ページをめくって、ミッチと一緒に不思議な体験をしてみませんか。
出版社からの内容紹介
かこさとしさん「幻の絵本」の日本語版!
日本の子どもたちに愛されてきたあそびとそのつくりかたを、愛らしい絵と言葉で綴ったかこさとしさんの本『Chock Full o’ Fun』がアメリカで発売されたのは1968年のこと。少しの工夫で身の回りのものが世界にひとつの『てづくり おもしろ おもちゃ』になる楽しさや喜びは、世界共通。今も昔も変わりません。50年の時を経て、その幻の絵本を翻訳し、はじめて日本で出版することになりました。永遠に受け継ぎたい、かこさとしさんからの絵とあそびのギフトです。
おひるねタンポポ/ミカンのタコちゃん/おとぎの国のぐるぐる/高速回転車/空とぶ円盤 ほか。1冊に28のあそびを収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
「たのしいことがぎゅっとつまっている!」 という意味の『Chock Full o’ Fun』は、まさにあそびの玉手箱のような本。海外向けに描き下ろしたかこさとしさんの絵や本の持つ独特な雰囲気も、唯一無二のものなので、できるだけオリジナルに忠実に復刻を試みました。より原本の雰囲気を味わえる英語版も同時発売しています。
初版限定の英語・日本語の二冊を特別な箱に入れた『はこいりえほん てづくり おもしろ おもちゃ』もおすすめです!
ブックデザインは、cozfishの祖父江慎+脇田あすかさん。
この書籍を作った人
加古里子1926(大正15)年福井県武生町(現・越前市)生まれ。1948年東京大学工学部卒業。工学博士。技術士。民間化学会社研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事。1959年から出版活動にかかわり、1973年に勤務先を退社後、作家活動とともに、テレビニュースキャスター、東京大学、横浜国立大学などで児童文化、行動論の講師をつとめた。また、パキスタン、ラオス、ベトナム、オマーン、中国などで識字活動、障がい児教育、科学教育の実践指導などを行い、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園、日本人会で幼児教育、児童指導について講演実践を行った。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『かわ』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)、『富士山大ばくはつ』(小峰書店)など、500冊以上の児童書の他、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。土木学会著作賞、日本科学読物賞、児童福祉文化特別賞、菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、神奈川文化賞、川崎市文化賞、日本児童文学学会特別賞、日本保育学会文献賞、越前市文化功労賞、東燃ゼネラル児童文化賞などを受賞。
出版社からの内容紹介
授業参観にむけて、たのちんの班は「ためいき図鑑」をつくことになった。
どんな時にヒトがためいきをつくのか調べて発表するんだ。
でもいっしょの班の加世堂さんは、毎日保健室に登校していて、教室にはこられない。
たのちんが、加世堂さんにも図鑑づくりに参加してほしいと思い、ある提案をしたところ、班のメンバーともめてしまい……もうためいきばっかり!
家族や友達との関係にゆれる子どもの気持ちを、鮮やかに描いた物語。
絵本、幼年童話、YAなど幅広いジャンルで活躍する村上しいこさんが描く、小学校中学年向けの物語。保健室登校の少女をめぐって、悩む子どもたちの気持ちを、やさしくユーモラスに描きます。絵は、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)の装画を手がけた、中田いくみさんです。
この書籍を作った人
三重県生まれ。『かめきちのおまかせ自由研究』(岩崎書店)で第37回日本児童文学者協会新人賞、『れいぞうこのなつやすみ』(PHP研究所)で第17回ひろすけ童話賞を受賞。主な作品に『だいすきひゃっかい』「かめきち」シリーズ(共に岩崎書店)、「ももいろ荘の福子さん」シリーズ(ポプラ社)、『ならくんとかまくらくん』(文研出版)、『ランドセルのなつやすみ』(PHP研究所)、『みんなのきもち』(学習研究社)、「なにわのでっちこまめどん」シリーズ(佼成出版社)など多数ある。
出版社からの内容紹介
最大規模の掲載種数。深海生物を大紹介!
現代においても、未だ謎の多い深海の世界。不思議な魚デメニギス、暗黒の海にすむダイオウイカ、ラブカ、ミツクリザメ、水族館の人気者ダイオウグソクムシをはじめ、超深海にすむ謎の魚マリアナスネイルフィッシュなど、530種以上の深海生物を、未公開を含む貴重な写真で紹介します。
特典『小学館の図鑑NEO ドラえもん・のび太のびっくり深海生物DVD』では、世界の様々な深海生物のふしぎな生態を紹介。「光る生き物」の特集をはじめ、最近日本で発見された巨大魚「ヨコヅナイワシ」、超貴重なラブカの赤ちゃん、「深海生物が水族館に展示されるまで」を追跡した撮り下ろし映像など、こちらも大満足の80分です。
【編集担当からのおすすめ情報】
従来の子ども向け学習図鑑では200種前後の掲載が主体でしたが、本書は何と530種以上!NEOらしくギッシリ詰まった内容です。日本で発表された新種「ヨコヅナイワシ」も、図鑑とDVDで大特集。密度・ボリューム・新しさすべてにおいてナンバー1!
出版社からの内容紹介
人間にとって危険がある植物を、写真と文で解説したハンディサイズの図鑑です。美しい花を咲かせる植物でも、さわったり、口に入れたりすれば、被害にあう可能性があります。防御力をそなえ、生き残ってきた植物をビジュアルで掲載し、どこに生えていて、どの部分に毒があるのかを紹介します。知識があれば、出会ったとき、より深く理解し、観察できます。ふだん目にする植物に、意外な能力があったと驚き、発見できる一冊です。
出版社からの内容紹介
火星探査ロケットが撮影した息をのむような火星の姿。地球のとなりにある赤い星「火星」の知られざる表情をとらえた、驚くべき写真の連続!
<火星>
太陽系の8つの惑星のひとつ。
地球のとなり、太陽から4番目の惑星。
直径は地球の半分。
火星の1年は、地球の687日にあたる。
1日の気温の幅はマイナス120度から30度くらい。
平均気温はマイナス60度。
この書籍を作った人
1959年、北海道生まれ。国際基督教大学卒業後、児童書編集者を経て翻訳家に。北海道札幌市在住。訳書に、『ウエズレーの国』、『雪の結晶ノート』、「見習い幻獣学者ナセニエル・フラッドの冒険」シリーズ、『「死」の百科事典』(すべて、あすなろ書房)、「知識絵本 のはなし」シリーズ、「こちら動物のお医者さん」シリーズ(ともに、ほるぷ出版)、『あたまにつまった石ころが』(光村教育図書)、『マルセロ・イン・ザ・リアルワールド』(岩波書店)、『ゴハおじさんのゆかいなお話 エジプトの民話』(徳間書店)、『ピーティ』(鈴木出版)などがある。