しかけをめくると妖怪が登場!今大人気の本格子ども向け図鑑
- 笑える
- びっくり
絵本紹介
2021.09.30
2021年9月新刊&既刊おすすめから、小学校低学年からのひとり読みにぴったりの、小学生向け読みものを10冊ピックアップ。おもしろさにどんどん読み進められるもの、ちょっぴり考えさせられるもの、素敵なイラストに目を引かれるものなどおはなしのテイストもさまざまですので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。
出版社からの内容紹介
日本郵便の人気キャラクター「ぽすくま」の絵本。
手紙を配達することと、はちみつトーストを食べるのが大好きな郵便配達員「ぽすくま」が、森の動物たちにてがみを届けます。
絵本には家族への手紙、感謝の手紙、おいしいものを贈る手紙などいろいろな手紙が登場。
子どもにてがみの楽しさを伝えます。
巻末には、初めて手紙を書く人のための、わかりやすい「手紙の書き方教室」つき。
2021年9月刊
出版社からの内容紹介
がちょうのヨランテとかめのクリズラは大のなかよし。本をよんだり、スポーツしたりなんでもはなしあう、とびっきりのともだちです。ところがある日、クリズラのすがたがみえなくなってしまいました・・・・「クリズラ、なんでいなくなっちゃったの?
レビューより
優しく「死」に触れる
プリンセス話が大好きな娘は、いつの間にか、死んでもキスをすれば生き返ると思っていました。しかしあるお話で、大好きだったキャラクターが死んでしまい、お話のラストになっても生き返らないのにショックで大泣き。「どうして誰もキスしてあげないの」と、ずっと落ち込んでいました。
「死」について理解するのは小学校にあがってからだと聞きますが、それでも、死について向かい合おうとしている時期を逃さない方がいいと思い、何か良いお話がないかと探していました。
その時、このお話と出会いました。
子どもがはじめて死と向かい合うのにはとてもぴったりの、ゆっくりと、穏やかで、優しいお話でした。子どもがどんな風に受け止めたかは分かりませんが、優しい絵柄と不思議な響きの名前はとても気にいったようで、思い出しては「読んで!」と持ってきます。(ふかふかさん)
出版社からの内容紹介
さばくに やってきたのは ふうがわりな とり。
みんな じろじろ ながめて いう。
「へんてこだね」
「あれでも とりなの?」
イタリアを代表する絵本作家がえがく
表情ゆたかなどうぶつたちが
おしえてくれる たいせつなこと。
等身大以上に見せようとする
必要なんてない。
そんなかっこ悪いことは
しなくたって大丈夫。
なぜなら、ありのままの自分こそが
最高の自分なのだから。
ーーヤマザキマリ(漫画家・随筆家)
みどころ
「……ここはいったいどこだろう?」
ある日、砂漠に風変わりなとりがやってきた。イグアナはジロジロ見上げながら、あなたみたいなとり、これまで見たことないと言う。確かに羽はあるけれど、本人だって自分がとりだなんて思えない。彼はダチョウなのだ。1ミリだって浮いたところを見たことがないと、サバクネズミやアルマジロ、コガネムシもやってきて、ダチョウをからかう。
「今日はとぶのはよしておこう。こんなに暑いとあぶないからな!」
ダチョウはわかっている、自分がうそをついていることを。夜な夜ないくら練習をしても、風を待ってみても、明日になったとしても、どうしたって飛べないのだ。どうして、どうしてなんだ。だけど、ある日。落ち込み疲れ切ったダチョウの頭の中に、新たな考えが生まれきた。それは……。
きょとんとした目、ながい首、りっぱな羽に太い脚。どこを切り取っても強く印象に残るダチョウの姿やまわりの動物たちを表情豊かで魅力的に描き出すのは、イタリアを代表する絵本作家ルチア・スクデーリ。だけど、そのやり取りの中には、軽く読み流すことなんて出来ない、さまざまな気付きやひっかかりが潜んでいる。
ダチョウが苦しいのは、飛べないからじゃない。あるがままの自分を受け入れることができなかったから。それを誰にも言うことが出来なったから。みんなを乗せて、砂漠を最速で駆け出すダチョウの姿を見ながら胸がいっぱいになるのです。
みどころ
あるところに、3びきのかわいいオオカミがおかあさんと一緒に暮らしていました。ある日おかあさんは、家を出て自分たちの家を作るよう3びきに言います。「でも、わるいおおブタには気をつけるのよ。」
まず3びきはレンガの家を建てますが、わるいおおブタがやってきて、ハンマーで家を壊してしまいます。このわるいおおブタは、もう悪いのなんのって、次に建てたコンクリートの家は電気ドリルで、その次にもっと丈夫に鋼鉄と鉄条網で建てた家はダイナマイトで壊してしまいます。
命からがら逃げ出した3びきのオオカミが次に建てたのは、なんと花の家でした・・・。
ご存じ3びきのこぶたのパロディ作品、なのですが、このお話しの展開は実に秀逸で楽しめます。最初のページから子ども達はクスクス笑いだし、おおブタの悪者ぶりとオオカミたちの慌て振りには大笑い、読んでいる大人の方もついつい力がこもってしまいます。お話し会でも人気のこの作品、文章は長めですので、大勢に読むなら小学生におすすめします。園や学校にはもちろんのこと、ご家庭の蔵書にも加えたい傑作です。
この書籍を作った人
1938年、イギリスのサフォーク州生まれ。夫のジョン・バーニンガムの影響で絵本や挿絵の仕事をはじめる。「トムとヒッポがほんをよむ」(リブロポート)、「しごと」「あそび」「したく」「ともだち」「かぞく」(以上、文化出版局)などの作品がある。
この書籍を作った人
東京都生まれ。作家・翻訳家。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。その後、児童文学の創作と翻訳をはじめる。創作絵本に『3じのおちゃにきてください』『まいごのまめのつる』(ともに、福音館書店)、訳書に『3びきのかわいいオオカミ』『きみなんかだいきらいさ』(ともに、冨山房)、『はがぬけたらどうするの?せかいのこどもたちのはなし』『クレンショーがあらわれて』(ともに、フレーベル館)、『ふくろのなかにはなにがある?』(ほるぷ出版)などがある。
出版社からの内容紹介
カナダ国内で最も権威のある児童文学賞「2020年TDカナダ児童文学賞」と「ケベック書店賞 - ユース部門」を受賞。
時間を超えても結びつきを忘れない人と人の心の強さと温かさ、それと同時に、現代社会が抱える様々な問題を、ジャン・ジャック・サンペを思わせるシャレた軽妙な画風で描き出した傑作絵本!
<ミニ解説とオビ推薦>に宇宙飛行士の山崎直子さん。
みどころ
人が恋におちる瞬間って、本当に突然で、あまりにも何気なさすぎて、でもなんだか納得する。
そんな、古い友人の恋物語を目の前で話してもらっているような錯覚に陥ってしまう、素敵な少年と少女の出会いを描いた絵本を、作家の辻仁成さんが翻訳。星の瞬きのように一瞬で、超新星の爆発のように鮮やかな「少女との出会い」と別れ、そして運命的な再会を、少年のひとり語りという形で訥々と綴っています。
主人公は、宇宙飛行士になりたいという夢を持つ少年ヤコブ。でも、コンビニの経営者である父は、地に足をつけて生きるという信念があるため、ヤコブの夢を認めてくれません。母はヤコブ自身が幸せなことが大事なようですが、一方でこれ以上パパを苛つかせないようにとヤコブを諭し、「月のようにぼーっとしないこと!」と、妹たちの世話をしっかりするように言うのです。
消化できない気持ちを抱えたまま、ヤコブはいつものように妹たちを遊ばせに公園に行き、大好きな宇宙の本を読んでいました。すると本の隙間から、見たこともない綺麗な、赤いサンダルの足が見えたのです! その綺麗な足の女の子が、アイシャでした。
2人の恋を邪魔するものなんて、なんにもないように思うでしょう。
でもヤコブはユダヤ人。アイシャはイスラム教徒。ある夜、アイシャのヒジャブがヤコブの前で外れてしまい、運悪くその場をアイシャの父親に見つかった2人は、二度と会えなくなってしまいます。ヤコブにとって、アイシャに会えないことは、宇宙空間にひとりで放り出された宇宙飛行士の気分でした。
さて、いったい2人はどんな風に再会を果たすのか、それは絵本を読んだときのお楽しみです。
よく「キミは宇宙一キレイだ」なんてキザなせりふがありますが、宇宙と恋愛を結びつけた作品は、さまざまなジャンルに存在しています。しかし本書は宇宙を引き合いに出して愛を叫ぶのではなく、少年の心の中の宇宙を見せることで、少女への愛の大きさや深さを表現しているのが、なんともロマンチック。恋に憧れるお年頃の子どもにも、純粋な気持ちを思い出したいと思う大人にも、その甘やかな感覚がじんわりと染みるでしょう。
カナダ人のジャック・ゴールドスティンは、バンド・デシネ(フランス流コミック)の作家。水彩画のような淡い色調のイラストで、かわいらしいキャラクターと、物語の舞台である労働者階級地区の風景を繊細に描きだしています。特に、アイシャのヒジャブが外れた瞬間はファンタスティック! コミックの良さと絵本の語り口の見事な融合に脱帽です!
出版社からの内容紹介
いつも自由にやりたい放題のラルフ。ごみバケツの中をあさって、おなかが痛くなります。動物病院に連れていかれますが、お医者さんの言うことを聞かず…。さてどうなる!?
いつでも自分らしくふるまうラルフ。はちゃめちゃぶりに笑いと共感がうまれ、細部までユーモラスな絵も相まって、楽しく読み進めれます。セイラとラルフ、お互いの愛情を感じる読後感のいいお話です。
出版社からの内容紹介
いつも自由にやりたい放題のラルフ。ねこの一番を決めるキャットショーに出場することになり、ライバルのパーシーに勝つため猛特訓をはじめます。いざコンテストへ!ラルフは優勝できるかな?
ラルフのはちゃめちゃぶりに笑いと共感がうまれ、細部までユーモラスな絵も相まって、楽しく読み進めれます。
この書籍を作った人
〈1974年-〉東京都生まれ。学生時代を熊本で過ごし、卒業後、児童書版元に入社。その後、留学などを経て、子どもの本の翻訳に携わる。東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰。祖父はトルストイ文学の翻訳家、故・北御門二郎。
出版社からの内容紹介
犬のマイルズは まえみたいに ボールをおっかけなくなった。
よんでもきこえないことがある。
マイルズは ひこうきを てにいれた。
あるはれたひ、
マイルズをのせたひこうきは そらをとんだ……
2019年に亡くなったジョン・バーニンガムの未完の構想をもとに、妻のヘレン・オクセンバリーと旧友のビル・サラマンが描きあげた愛犬マイルズの物語。
『ドライバ―マイルズ』で自由気ままに車で走り回った犬のマイルズは、今回、飛行機を手に入れ、ふたたび自由に空をとびまわるようになった。そしてある日……
いつかはやってくる大切な家族との別れ。
谷川俊太郎の日本語訳が切々と心に響きます。
この書籍を作った人
1938年、イギリスのサフォーク州生まれ。夫のジョン・バーニンガムの影響で絵本や挿絵の仕事をはじめる。「トムとヒッポがほんをよむ」(リブロポート)、「しごと」「あそび」「したく」「ともだち」「かぞく」(以上、文化出版局)などの作品がある。
2019年、逝去。『パイロットマイルズ』は、彼が残した絵と構想をもと、奥さまと友人のビル・サラマンが描き上げた。
この書籍を作った人
1936年イギリスのサリー州に生まれる。若いころは、兵役を拒否し、さまざまな仕事をしながら世界中をまわった。その後、ロンドンにある美術学校に通いながらイラストの勉強をし、ポスターなどを描いていたが、はじめて手がけた絵本『ボルカはねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、絵本作家として鮮烈にデビューした。その後『ガンピーさんのふなあそび』で再度受賞し、この賞を2度受賞したはじめてのイラストレーターとなる。『ガンピーさんのドライブ』『おじいちゃん』『ねんころりん』『旅するベッド』『エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』など多数の作品を発表しており、いま、世界で最も注目されている絵本作家のひとり。夫人は著名な絵本作家であるヘレン・オクセンバリー。
この書籍を作った人
1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳など幅広く活躍。1975年日本翻訳文化賞、1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞。ほか受賞多数。絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これはのみのぴこ』(サンリード刊)、『もこもこもこ』(文研出版)、「まり」(クレヨンハウス刊)、「わたし」(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。翻訳作品も多数。
出版社からの内容紹介
かこさとしの「からす」は『からすのパンやさん』だけではなかった!!
からすの兄弟の成長物語… 子どもの好奇心を描いた名作絵本が復刊!!
かこさとしの“からす絵本”は、何といっても『からすのパンやさん』ですが、実は、他にもからすたちが主人公の絵本があったのです。
からすの兄弟、たろうがらすとじろうがらす。
ある雨の日、お母さんがらすに、静かに留守番をするよう言われますが、雨が雪になったから、おとなしくなんてしちゃいられない!
寒〜い雪の中で何して遊ぼう!? お母さんの言いつけも、あふれる好奇心には勝てません。
さてさて、その結果はいかに…。
かこさとし先生による、保護者たちに向けての「あとがき」も秀逸。子どもの成長に本当に必要なことは何かを気づかされる一冊です。
※本書は、1984年・偕成社刊『たろうがらす じろうがらす』を再編集し、新装復刊するものです。
※カバー画像はイメージです。
この書籍を作った人
1926(大正15)年福井県武生町(現・越前市)生まれ。1948年東京大学工学部卒業。工学博士。技術士。民間化学会社研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事。1959年から出版活動にかかわり、1973年に勤務先を退社後、作家活動とともに、テレビニュースキャスター、東京大学、横浜国立大学などで児童文化、行動論の講師をつとめた。また、パキスタン、ラオス、ベトナム、オマーン、中国などで識字活動、障がい児教育、科学教育の実践指導などを行い、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園、日本人会で幼児教育、児童指導について講演実践を行った。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『かわ』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)、『富士山大ばくはつ』(小峰書店)など、500冊以上の児童書の他、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。土木学会著作賞、日本科学読物賞、児童福祉文化特別賞、菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、神奈川文化賞、川崎市文化賞、日本児童文学学会特別賞、日本保育学会文献賞、越前市文化功労賞、東燃ゼネラル児童文化賞などを受賞。現在、科学、文化、教育に関する総合研究所を主宰。
みどころ
病室のベッドの大きさは、たて約二メートル、幅約一メートル。
その周りをぐるりと囲うカーテンの中が入院中のわたしの世界のすべてーー。
札幌に暮らす小学3年生の女の子、海音ちゃん。彼女は、脳神経の病気の治療のために、3歳の時から定期的に入退院を繰り返している。彼女は大抵の事は「わかっている」。なかなか効果の出ない治療だという事も、もっと痛い思いをして検査を受けている子がいるという事も、家族の住まいがバラバラになってしまう家があるという事も。どうしてわたしだけ、とは思わない。
だけど、やっぱりつらい気持ちになる事がある。孤独を感じたり、怖くなることだってある。「もういや!」「薬を飲まなくていい日をください!」内から生まれるたくさんの言葉を飲みこむのは、家族みんな、それぞれが思いを抱えていることを知っているから。そんなある日、彼女の目に思わぬ光景が飛び込んできた……!
主人公は実在の小学5年生、前田海音さん。彼女が3年生の時に書いた作文が 「子どもノンフィクション文学賞」を受賞し、絵本作家はたこうしろうさんとのコラボレーションにより、この一冊の絵本が誕生したのです。海音さんが見ている街や学校の風景、病院の様子。そして彼女の口から語られる言葉は、一つ一つどれも重みがあり、まっすぐに読む人の心に刺さってきます。けれどもそれは、悲しみだけではありません。私たちみんなが覚えておきたい、大切なことばかりなのです。
「ひとりじゃないよ」
ベッドの上で海音さんの見つけた大事な発見。この絵本を通して、きっとまた違う誰かに届いていきますように。
この書籍を作った人
兵庫県に生まれる。絵本作家、イラストレーター。絵本に「ショコラちゃん」シリーズ(講談社)、『ゆらゆらばしのうえで』『ことりのゆうびんやさん』(以上福音館書店)、『なつのいちにち』(偕成社)、『むしとりにいこうよ』『みちくさしようよ』(ほるぷ出版)『雪のかえりみち』(岩崎書店)、『はるにあえたよ』「クーとマーのおぼえるえほん」シリーズ(ポプラ社)、『ぼくはうちゅうじん』(アリス館)、『はじめてずかん どうぶつ(1)(2)』(コクヨS&T)、童話の絵に『きかせたがりやの魔女』『あしたあさってしあさって』などの作品がある。