好評につき2刷!ことわざがつながって、ひとつの物語になったおもしろ絵本
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絵本紹介
2021.11.30
学校の宿題でおなじみの「読書感想文」をきっかけに、絵本ナビを訪れてくれた小・中学生のみなさんにぜひおすすめしたい、児童書よみもの8冊を、2021年11月新刊&おすすめからピックアップしました。
「魔法」や「謎解き」、それから「神様」など、物語ならではの不思議で魅力的な世界が、本を開いてくれる読者のみなさんを待っています! 表紙も挿絵も魅力的なので「この絵が好き!」と思ったら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
みどころ
小学生のめいたんてい、サムくんの推理が光る「めいたんていサムくん」シリーズ。
「ズッコケ三人組」シリーズで知られる那須正幹さんによるシリーズ最新作が発売となりました。
サムくんは、青葉小学校の2年生。本当の名前は井上オサムです。
見たところは、ふつうの小学生なのですが、小さい頃から推理が得意でいろんな事件を解決してきたので、「めいたんていサムくん」と呼ばれています。
サムくんが推理をする時の必須アイテムは「空色のタオルハンカチ」。赤ちゃんの時から愛用していたタオルで作ったハンカチのにおいをかぐと、頭がさえて、推理力が増します。今回もハンカチは登場するのでしょうか。
シリーズ第3弾となる本作では、サムくんが住んでいる青葉町とその北にある青葉北町が舞台。ある朝、学校では、真夜中に起こった火事についての話題で持ちきりとなっていました。どうやら青葉北町にある坂田さんのお屋敷で火事があったようです。そこでサムくんは、ミサトちゃんやタケシくんと一緒に、放課後、坂田家を見に行くことに。そしてその火事の焼けあとで1枚のふるい地図を見つけます。地図には「寶」という文字と、ふしぎな記号が書いてありました。サムくんたちは、暗号を作ったり解いたりするのが得意な「あんごうマン」こと木谷マコトくんの力も借りて、地図のなぞを解き明かしていきます。記号の意味を探ったり、図書室で、青葉市の歴史を調べてみたり。
そのうち「寶」という文字が「宝」の意だということが分かったサムくんたちは、地図にしたがい、たからさがしをするのですが‥‥‥。
なぞの地図を通じて、青葉町の昔のことをさまざま考えながら歴史をたどるサムくんたちの様子に、子どもたちはワクワクさせられることでしょう。ましてや「たからの地図」ですから、たからが見つかるかどうか、そのたからが何なのか、最後まで気になってしまいますよね。本のはじめに、サムくんたちが見つけた「たからの地図」と「青葉町の地図」が載っていますので、そちらも見ながらお話を楽しんでみて下さいね。実際に、自分が住んでいる町の歴史にも興味を持つきっかけになるかもしれません。
今回は、第2弾『めいたんていサムくんと あんごうマン』で登場した「あんごうマン」や、サムくんの友達のミサトちゃん、タケシくんで結成された「子どもたんてい団」がみんなで協力してじけんを解決していく様子もみどころ。メンバーそれぞれが何かを注意深く見て発見したり、想像する力が光り、「子どもの観察力や想像力を前面に押し出し、小さな読者と共に、謎解きの面白さを共有したい」という那須正幹さんの想いが伝わってくるようです。
「めいたんていサムくん」シリーズは、小学1、2年生から楽しめる探偵小説(ミステリー)。ほとんどの見開きに絵が入っていて、絵本から読み物のひとり読みへと挑戦する時期の子どもたちの読書を応援してくれるシリーズです。最初の巻から読んでいる子も、この巻から出会う子も、サムくんがどんなじけんを解決するのかが気になったら、シリーズを全部読んでみて下さいね。
「めいたんていサムくん」シリーズは、小学校低・中学年の子どもたちに長く愛される探偵小説になっていくことでしょう。
この書籍を作った人
1942年、広島生まれ。島根農科大学林学科卒業。代表作「ズッコケ三人組」シリーズ全50巻(ポプラ社)。『さぎ師たちの空』で、路傍の石文学賞、「ヒロシマ」三部作で、日本児童文学者協会賞、『ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー』で野間児童文芸賞を受賞(すべてポプラ社)。絵本作品に『ふとんやまトンネル』(童心社)、『ぼくらの地図旅行』(福音館書店)などがある。第23回巌谷小波文芸賞受賞。
この書籍を作った人
兵庫県に生まれる。絵本作家、イラストレーター。絵本に「ショコラちゃん」シリーズ(講談社)、『ゆらゆらばしのうえで』『ことりのゆうびんやさん』(以上福音館書店)、『なつのいちにち』(偕成社)、『むしとりにいこうよ』『みちくさしようよ』(ほるぷ出版)『雪のかえりみち』(岩崎書店)、『はるにあえたよ』「クーとマーのおぼえるえほん」シリーズ(ポプラ社)、『ぼくはうちゅうじん』(アリス館)、『はじめてずかん どうぶつ(1)(2)』(コクヨS&T)、童話の絵に『きかせたがりやの魔女』『あしたあさってしあさって』などの作品がある。
出版社からの内容紹介
クリスマスのプレゼントを買うために、自分のいちばん大切な宝物を手放してしまう夫婦の愛の絵物語。 心を打つ短編として名高い物語に、美しい絵がつきました。ギフトブックとしてもたいへん喜ばれています。
おはなし
若くして夫婦になったジムとデラは、貧しくも互いを愛して暮らしていました。
ジムの宝物は祖父から父へと代々伝わる金の時計、デラの宝物はその美しい髪の毛でした。
クリスマスの前日、デラはそれまで生活を切り詰めてきたにもかかわらず愛する夫にプレゼントを買うだけのお金がないことを嘆き、自慢の美しい髪を切ってかつら屋に売ってしまいます。そしてそのお金で、ジムにぴったりのプレゼント −金の時計につけるプラチナの鎖− を買ったのでした。
ジムは家に帰ると、デラの姿を見て・・・怒りでも、驚きでも、不満でも、恐怖でもない、複雑な表情をしました。ジムがデラに用意したプレゼントは、デラがあこがれていた、美しいくしだったのです。
そのくしがとかすべき美しい髪はもはやありません。
それでもデラは感激し、ジムにプレゼント−金の時計につけるプラチナの鎖−を渡します。
ところがジムは、デラにくしをプレゼントするために、自慢の金の時計を売ってしまっていたのでした。
みどころ
心が洗われる、素敵なお話です。
あらすじを聞いただけでも素敵だと思ってしまいますが、練りこまれた文章とツヴェルガーの細やかな挿絵がさらに素敵です。
「1ドル87セント。それですべてでした。」という書き出しではじまり、最初のページには絵がありません。漢字交じり(ふりがなつき)の長い文章ですので、お話を読みこなせるようになってからがよいでしょう。むしろ大人に読んでほしい作品です。
この書籍を作った人
1930年、東京都生まれ。作家・詩人。著書に『莵とよばれた女』(筑摩書房)、『失われた庭』(青土社)、『「父の娘」たち』(新潮社)など。児童文学・絵本の訳書に『おどる12人のおひめさま』(ほるぷ出版)、『まっくろネリノ』(偕成社)、「ぞうのババール」シリーズ(評論社)、『賢者のおくりもの』(冨山房)、『サーカス物語』『ラ・タ・タ・タム』(ともに、岩波書店)などがある。
出版社からの内容紹介
ポーランドの森にすむバイソンとリスが、 世界の国立公園をめぐる旅へGo! 世界的ベストセラー『マップス』の著者が描く、自然と環境についての大判絵本!
ポーランドの国立公園「ビャウォビェジャの森」にすむリスとバイソンが、北はグリーンランド、南はニュージーランドまで、世界8つの国立公園をおとずれて、 それぞれの特徴ある自然を学びます。
めずらしい動物、植物、地形、自然現象などを、マンガ形式で紹介すると同時に、「生物多様性」「生態系」「種」などの考え方もわかりやすく解説します。「自然保護」についての初めての読書におすすめ。人間と自然とのかかわり方を見つめ、SDGsについて考えるきっかけにもなる一冊。そこでしか見られない動物、植物、自然って こんなにおもしろい!
〈こんな国立公園をとりあげています〉
ビャウォビェジャ国立公園(ポーランド)
(ヨーロッパの原生林)
イエローストーン国立公園(米国)
(世界最初の国立公園)
マヌ―国立公園(ペルー)
(多様な生物が生息する
アマゾンのジャングル)
九寨溝国立公園(中国)
(ジャイアントパンダのふるさと)
ナミブ・ナウクルフト国立公園(ナミビア)
(雨のほとんどふらない砂漠)
北東グリーンランド国立公園(グリーンランド)
(氷におおわれた北極圏の国立公園)
コモド国立公園(インドネシア)
(世界一大きい爬虫類
コモドオオトカゲのすみか)
フィヨルドランド国立公園(ニュージーランド)
(飛べない鳥たちのいる島)
出版社からの内容紹介
《うそをついたことのある、すべての地球人へ》
ともだちの家からかえるとちゅう、ぼくはおじさんにこえをかけられた。「おじさんを、かせいにかえしてもらいたいんだ」。
おじさんは火星人だという。いかにもあやしい。でも、おじさんの話をくわしくきいてみると……。
人をまるまる信じてうそをつけない火星人と、だましたりあらそったりしてばかりの地球人の、ちょっぴりふしぎな心あたたまる物語。
この書籍を作った人
1957年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業。独特のユーモラスであたたかみのある作風の絵本・挿絵の仕事で活躍中。おもな作品に 「おさるのまいにち」シリーズ(講談社刊、路傍の石幼少年文学賞受賞)、「ルラルさんのにわ」シリーズ(絵本にっぽん賞受賞)「くもくん」(以上ポプラ社刊)、「あぶくアキラのあわの旅」(理論社刊)、「ごきげんなすてご」シリーズ、「ふたりでまいご」「ねこと友だち」「マンホールからこんにちは」「アイスクリームでかんぱい」「あかちゃんのおさんぽ@A」「ねこのなまえ」(以上徳間書店刊)など多数。「ふたりでまいご」の姉妹編、「ふたりでおるすばん」が徳間書店から11月に刊行予定!
出版社からの内容紹介
ある国に、なかなか眠りにつくことのできないお姫様がいました。
すると、「物語屋」という一人の男が城にやってきて、自分なら、「まるで魔法のようだけれど、本当にある話」をお姫様に話して聞かせ、お姫様を眠らせることができるというのです……。
透明になる花、空飛ぶ種、動き回るスライム、永遠の命、いちごミルク色の湖、ひとりでに動く石、過去を見る方法……。
物語屋が聞かせる、とても不思議で神秘的だけれど、本当にある話を、「植物」「生物」「風景」「科学」の4つのテーマで30話紹介。
物語屋の話のページは美しいイラストつきのファンタジー物語風。解説のページは写真と図解が豊富で、秘密の魔法図鑑のよう。
ワクワク読めて自然科学への興味が広がる1冊!
出版社からの内容紹介
動物たちの言葉がわかる不思議なスカーフを拾った男の子の話、異国の香りを運んでくるスパイス売りのおばあさんの話、西風のくれた鍵で木の秘密を知った少年の話など、自然の息吹にみちた美しい6つの物語。〈改版〉
この書籍を作った人
1907年埼玉県生まれ。1951年に『ノンちゃん雲に乗る』で文部大臣賞受賞。1953年児童文学に貢献したことにより菊池寛賞受賞。童話に『三月ひなのつき』『山のトムさん』、絵本に『くいしんぼうのはなこさん』『ありこのおつかい』(以上福音館書店)、翻訳に『クマのプーさん』『たのしい川べ』(以上岩波書店)など多数。
出版社からの内容紹介
カーネギー賞オナー賞受賞作!
ひとつのきっかけで、夢中になれるものを見つけ、成長する少年の姿を生き生きと描く感動作。
ある日、12歳のダリルは、公園で、
つばさが折れて、飛べないハトを見つけた。
ハトの脚には、リングがついている。
だれかが飼っているレースバトらしい。
近所に住む、レースバトを飼育している
ダッキンズさんに、どうしたらいいのか相談した。ダッキンズさんは、元の飼い主に連絡してくれ、
けがをしたハトはもうレースには出られないから、このハトはいらない、といわれたそうだ。
ダッキンズさんも、
飛べないハトは生きている価値はない、という。
それならば、自分がこのハトを飼おう、と
ダリルは決意する。
反対する両親を説きふせ、ハトの小屋を用意し……
その日からダリルは、ハトの世話はもちろん、
学校の勉強にも熱心に取り組むようになった。
しかし、上級生の、ハトの飼い主の息子に
目をつけられ、いじめが始まり……?
一羽のハトと出会ったことから、
世界がぐんぐん広がっていく少年の姿を
生き生きとした筆致で描きだす感動作。
出版社からの内容紹介
母の再婚で拓が住むことになった古い家では、おかしなことが次々起こる。この家には、幽霊でも妖怪でもない〈なにか〉がいる…!家の守り神と少年拓が繰り広げる、エンタメシリーズ第1巻!