1985年の第1作目から最新作6作目のシリーズ累計150万部を超える大ベストセラー『魔女の宅急便』。宮崎駿監督のアニメ映画で知っている方も多いのではないでしょうか?多くのファンを持つ『魔女の宅急便』が2014年3月、ついに実写映画として公開されました。この映画公開を記念して、絵本ナビが“ 『魔女の宅急便』を100%楽しめる魔法 ”を皆さんにかけたいと思います!
●『魔女の宅急便』ってどんなお話?
魔法が使えて、ほうきに乗って空を飛べる…。女の子なら一度は憧れたことがありますよね。 ここでは魔法はたったひとつということが大切なキーワード。ひとつだからこそ、自信をなくした時の落ち込みは相当ですが、ひとつだからこそ大切で、それを生かせたときの喜びが大きく伝わってくるのです。
でも魔女ってなんだか遠い存在?いえいえ、とっても親しみやすくてかわいい魔女がここにいます。
その名はキキ。キキは魔女のお母さんと、人間のお父さんの間に生まれた女の子。
“13歳になったら、魔女としてひとり立ちするために、家を離れて知らない町で1年間暮らす”というきまりに従って、キキは満月の夜、ほうきに乗って相棒の黒猫ジジと一緒に新しい町へと旅立ちます。辿り着いたのは、きれいな海に囲まれたコリコの町。想像していたよりも大きな町ではあったけれど、ひと目で気に入ったキキはこの町で修行することにします。幸運にもグーチョキパン屋のおソノさんと出会い、下宿させてもらいながら、持っているたったひとつの魔法“ほうきで空を飛ぶこと”を生かして、宅急便の仕事をはじめるのです。
お話のお楽しみは、なんといってもキキが運ぶもののさまざまなエピソード!中でも、わんぱく坊主のお誕生日プレゼントに黒猫のぬいぐるみを運ぶエピソードはユーモアたっぷり。運ぶ途中で大事な黒猫のぬいぐるみを落としてしまったキキはいったいどうしたのでしょう?知らない町での魔女修行はうまくいくことばかりではないけれど、つまずきながらも前に進んでいくキキからはたくさんの勇気をもらえます。
スタジオジブリのアニメやミュージカル、さらに2014年春には実写映画にもなりました。魔女のキキは子どもから大人まで日本で一番有名な魔女かもしれませんね。「魔女の宅急便」シリーズは全部で6巻。自立や、進む道への悩み、自身のこと、恋愛、結婚など、さまざまな事に悩んだり、傷つきながらも、何度も立ち上がり成長していくキキの姿は、読む人に大きな共感をもって愛されています。
キキと同年齢の子どもたちだけでなく、大人になってから、また子育て中の親御さんなど、読む時期によって共感する部分や気づきがさまざまに変わっていくのも大きな魅力です。まだ小さいお子さんへは親御さんから少しずつ読んであげるのも楽しいですね。親から子へ、またその子どもへ、と世代を超えて丁寧に引き継いでいきたいお話です。
●その@ シリーズは全6巻 キキ、13歳から35歳までの物語
アニメや映画で語られる13歳のキキは実は物語のプロローグ。全6巻の原作では、キキが宅急便の仕事を通して様々な出会いと別れを経験し、魅力的な大人の女性へと成長していきます。恋に悩み、仕事に悩み、自分に悩むキキの姿は女の子であれば、いや女の子でなくても!?だれもが経験する道ではないでしょうか…?
また、『魔女の宅急便』は出会う年齢や立場によってさまざまな視点から読むことのできる物語でもあります。子どもだけでなく、大人にも幅広い年齢の方におすすめします!
【13才】宅急便はじめました。
魔女の宅急便【15才】キキ、大いに悩む。
魔女の宅急便 その2
キキと新しい魔法【16才】小さな魔女との出会い。
魔女の宅急便 その3
キキともうひとりの魔女
【17才】キキの恋心。17才の夏。
魔女の宅急便 その4
キキの恋【20才】キキととんぼさんの旅立ち。
魔女の宅急便 その5
魔法のとまり木【35才】キキが双子のお母さんに!
魔女の宅急便 その6
それぞれの旅立ち
●そのA 原作者は角野栄子さん
「魔女の宅急便」シリーズを生み出した角野栄子さんは、『かいじゅうトゲトゲ』『魔女からの手紙』(ポプラ社)『ネッシーのおむこさん』(金の星社)など、数多くの児童文学を子ども達に届ける児童文学の旗手です。
アッチ・コッチ・ソッチの3人のおばけが活躍する「小さなおばけ」シリーズ(ポプラ社)を読んで育った方も多いのではないでしょうか。そんな角野さん、24歳の時に2年間ブラジルへ移住していたり、シトロエンの4CVという小さな車でヨーロッパを9000q移動したり、魔女に会いにルーマニアやドイツを旅するなどアクティブな一面もあるのだそうです。
●そのB 『魔女の宅急便』を描いた3人の画家
『魔女の宅急便』のイラストは3人の画家さんが担当しています。
1巻は林明子さん、2巻は広野多珂子さん、3巻〜6巻は佐竹美保さんです。
どの方のイラストもキキの物語を広げてくれる魅力にあふれています。
「ハードカバーは重くて、持ち歩けない!」という声に応えた文庫版も絶賛発売中!
次は、角野栄子さんへのメールインタビューです。