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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  なかやみわ さん どんぐりむらのおしごと いろいろものがたり『どんぐりむらのぼうしやさん』

インタビュー

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2010.10.27

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なかやみわ さん どんぐりむらのおしごと いろいろものがたり『どんぐりむらのぼうしやさん』

「そらまめくん」シリーズをはじめ、「くれよんのくろくん」「こぐまのくうぴい」「きりかぶ」など、子どもたちに愛されるシリーズを世に送り出してきたなかやみわさん。こんどの新作シリーズはかわいらしいどんぐりが主人公!
 そして、「おしごと」がテーマだそうです。シリーズ一作目は『どんぐりむらのぼうしやさん』。ご自身も小学生の男の子のお母さんでいらっしゃるなかやさんですが、さてさて、「おしごと」をいったいどんなふうに、子どもたち向けの絵本のなかで描いていかれるのでしょう。"どんぐりむらワールド"の魅力と、絵本製作の舞台裏をお聞きしました。

  • どんぐりむらのぼうしやさん

    みどころ

    「なかやみわ×どんぐり」……聞いただけでもワクワクする組み合わせ!
    期待通り、まるごと一冊どんぐりの魅力にあふれた絵本が出来上がりました。
    (どんぐり新聞などの付録もついて、隅から隅まで楽しませてくれます。)
    画面狭しと動き回るどんぐり達は大きさも形も様々。特に帽子のデザインの豊富さに、どんぐりってこんなにも種類があるのかと驚かされます。よく見るとキャラクターもそれぞれの雰囲気にぴったり、かなり個性的です。今後の展開に向けて勝手に想像をふくらませてしまいます。
    そして、このシリーズの大きなテーマが「仕事」。子どもと仕事と言うと結びつきにくい気もしますが、「しごとってなあに?」「どうしてしごとをするの?」こういう事を理解するのは、案外ずっと感覚的な部分なのかもしれません。
    物語は、どんぐり村の帽子屋ぽー、ちい、くりんが、なかなか売れない帽子を持って町へ出掛ける所から始まります。そこで出合った出来事とは? 楽しい結末に向かうきっかけとなる場面。実際に仕事を経験している大人でさえもはっとしてしまうような成功への秘密がかくされていたりして……!?
    「楽しいこと」と「大切なこと」、常に両方に真面目に向き合い続けているなかやさん。だからこそ親子に愛され続ける作品が生まれてくるのでしょうね。じっくり楽しんでください。

この書籍を作った人

なかや みわ

なかや みわ (なかやみわ)

埼玉県生まれ。女子美術短期大学造形科グラフィックデザイン教室卒業。企業のデザイナーを経て、絵本作家になる。主な絵本に「そらまめくん」シリーズ(福音館書店・小学館)、「ばすくん」シリーズ(小学館)、「くれよんのくろくん」シリーズ(童心社)、「どんぐりむら」シリーズ(学研)、「こぐまのくうぴい」シリーズ(ミキハウス)など多数ある。愛くるしく魅力的な登場人物を描いた絵本作品は、子どもたちの絶大な支持を受けている。

主人公はどんぐり!

───『どんぐりむらのぼうしやさん』の主人公は、のっぽの「ぽー」(マテバシイ)、ちいさな「ちい」(シラカシ)、まきげの「くりん」(クヌギ)。ネーミングが絶妙ですね(笑)。主人公にどんぐりを選んだきっかけを教えていただけますか。

どんぐりは、子どもに身近なモチーフで、みんな大好きですよね。秋に公園に行けば必ずどんぐりが落ちていて、みんな目ざとく見つけて拾っている。私も子どもの頃大好きで集めていましたが、子育てをするようになって、やっぱり自分の息子もどんぐりを見つけるとまるで宝物を見つけたみたいに舞い上がる(笑)。袋にこーんなにたくさん詰めて…。ただの実なのに、どうしてこんなに魅力があるんだろう。いつか「どんぐり」で、なにか描きたいな、という思いがありました。

───お話をつくるときは、キャラクターが最初にというか…何が主人公、というのが最初にあるんですか。

本にもよりますが、今回は「どんぐり」というモチーフが先にありました。どんぐりのさまざまな形とかぶっているぼうし…小さいときからあのかさが私には「ぼうし」に見えたんですね。クヌギはくるくるしたまるっこいぼうしをかぶっているし、マテバシイはベレーぼうのようなぼうしをかぶって…。よく見るとさまざまな形、デザインがあって、柄や、線や、ぐるぐるらせんになってるものもあれば、鹿の子地のようにチキチキとなってるものがあったり…色や大きさも違う。それを見たときに、ぼうしやさんのお話にしたい、と。

─── 絵本を開いてまず目にとびこんできたのがどんぐりの愛らしさ。そしてこんなにいろんな種類のどんぐりがあったんだ、という驚きでした。じっさいにどんぐりを探したり調べたりされたんですか。

ええ、まず公園にいきました。身近に落ちているどんぐりを調べないことにははじまらないので。
山奥のめずらしいどんぐりよりは、まず公園の、どこにでも落ちているようなどんぐりは何かなあ、ということからはじめて、拾っていくと、まずマテバシイとシラカシ、この2種類ですね。クヌギは場所によってあったりなかったり、という感じ。コナラは…どうかな、このあたりにはけっこうあるんですが。

───見たことないどんぐりもいっぱいありますねえ。ぼうしというより髪型みたい(笑)。

沖縄にしかないオキナワウラジロガシというどんぐりは、ちょっとかくっとなっていて大きい。スダジイは代々木公園にあるみたい。
昨年(2009年)の秋に、筑波実験植物園で「どんぐりミュージアム」という企画展があって、取材にいきました。毎年開催されているわけではないようですが、展示や工作ルームみたいなのがあって、どんぐりに顔を描いたりして(笑)、工作して持ち帰れます。お子さん、きっと楽しいと思いますよ。

───どんぐりって大人になってもつい顔を描きたくなりますよね。

どんぐりミュージアムに行って気づいたんですけど、外国には外国のどんぐりがあって、やっぱりちょっと違うんですよ。かなり大きかったり、形が日本のものと違ったり、長い名前がついていたり(笑)。
どんぐりってあまり種類がないようにみんな感じているかもしれないですけど、たくさんの種類がある。種類の多さの魅力ですね。ということはさまざまな特徴、性格をもったどんぐりがいるということ。これは…どんぐりというひとつのワールドができるな、と。

───じっさいのもの(どんぐり)を見ながら、こんなにたくさんのキャラクターを?

そうですねえ。実物を見られないものは図鑑で調べたりとか…。どんぐりってその道のプロがいるんですよね。「どんぐり博士」みたいな。その方の講演を聞かせていただいたんですが、あまりにも専門的でわからない…(笑)。大きくわけると常緑樹のどんぐりと、落葉樹のどんぐりと二種類に分かれ、そこからまた枝分かれしていくらしいんですが…深い世界なんですよ。それだけ魅力あるものなのだ、と言えるかもしれません。
そうやっていろんなどんぐりを見ていると、つぶの形とぼうしの形で、こういう性格かなあと、なんとなくイメージがわいてくるんです。

───いつもこうやってきちっとキャラクター設定をされるんですか。

今回は、やりました。
それぞれのどんぐりについて、イメージしたことはぜんぶ書きだして…。
いつもはここまでやらないんですが(笑)。

───「みどりのおばさん」(ウバメガシ)は、どんぐりむらの子どもたちの交通安全を見守るんですね(笑)。「じいず」(オキナワジイとツブラジイ)はバンドですか?

そうです。路上で歌っている状態でまだファンはいないんですけど、これから先、ファンが増えるかもしれません(笑)。「じいず」は大きなぼうしで顔があまり見えないんですが、ぼうしをとると美少年とか(笑)。そういう設定をして、のちのち、反映しようかなと。
たとえば2ページ目ですが、ホワイトカラーをつけたサラリーマン(コナラ)が子どもをどんぐり園に連れていくところ。でも子どもって…とくに男の子ってだぁーっと先に走っていっちゃいますよね。あわてて、待て待て、と追いかけています。
どんぐり喫茶では常連さんが、看板娘(ミズナラ)にちょっと恋心をよせていて。もしかしたらちがうシリーズの中でラブレターを渡す場面があるかもしれません(笑)。どんぐり喫茶では、売れっ子作家先生(スダジイ)もいて打ち合わせ中。いっしょに編集者(アベマキ)もいます。外にはおまわりさん(オキナワウラジロガシ)もいます。
大きなページでたくさんのどんぐりたちがそろっていると、それぞれのポーズや表情からちょっとずつ性格が垣間見えるというか…。この人、なんだろう?って思いますよね(笑)。

子どもたちに伝えたいこと…

───『どんぐりむら』シリーズは「おしごと」がテーマとうかがっていますが、『どんぐりむらのぼうしやさん』の中で出てくる「あっ、わかった! ぼくらの ぼうしに たりなかったのは、わくわくするものだったんだ!」という言葉は、大人である私にも響きました。わくわくするものを見つけたとたんに仕事が進んでいく感じが、とてもリアルによみがえって…。

子どもたちも大人になって、いずれは働くと思うんですけど。なんで働くのか、子どもたちはまだよくわかってないと思うんです。もちろんお金を得て生活をするため、ということは基本的なことですが、そうじゃなくて、仕事をすると自分の生きがいになるもの。それが「将来の夢」であり、子どもたちが語る「何になりたい」ということだと思うんです。
いまは時代が不況なので、いい噂やいい話をきかない。大変だとか、派遣切りだ解雇だとか…そういう嫌な言葉が蔓延してしまっていますよね。ほんとうは、お母さんやお父さんが楽しそうに働いているのを見て、自分たちも将来はこういうふうに働きたい、とか、こういうふうになりたい、とか、そういうビジョンが持てると思うんです。でも、なかなか持ちにくいという現代で…いっしょうけんめい働いて得るものは、お金だけじゃない。自分のためにプラスになるというか…「得るもの」があるんだよ、と。そういうことを伝えたいなという思いがありました。

仕事って楽しいことだけじゃないですよね。私も絵本をつくる仕事をしていて、もうやめたいと思うことはたくさんあるんです。仕事を続けるって…、相当、自分の意志をしっかり持っていないといけないし、甘いものではないですよね。でも…苦労したときの体験とか、では、どうしたらいいのかという発想の転換とか…「得るもの」があるからこそおもしろい。「働く」って、ひととひととの心のコミュニケーションみたいなところがあると思うので、働くとはただ合理性の追求ではないのではないか、コンピューターがやってくれるならコンピューターがやればいいというようなものではないんじゃないか。そういうところを子どもたちにわかりやすく描きたいなあと思いました。

───シリーズ化されるということですが、今後どんな職業にスポットがあたっていくことになるのでしょうか。今から楽しみです。

(絵本に挟み込まれている)「どんぐり新聞」の広告や記事に注目してみてくださいね。そのなかのどれかの職業がきっと…(笑)。
お話を読んだあとに新聞をじっくり見ていただくと、"どんぐりむらワールド"をさらに楽しんでいただけると思います。

「ほんとうにありそうな世界」を…

───ぼうしにかざりをつけてみよう、というアイデアは?

以前から、じっさいのどんぐりのぼうしにアクリル画材で色をつけたらかわいいだろうなと思っていたんです。
あと、これは裏話なのですが、自宅の近くの爬虫類屋さんでペット用ヤドカリを売っていまして。ヤドカリって殻をぬぎますよね。殻だけ「おきがえ」として売ってるんですよ(笑)。
そばに置いておくと自然にヤドカリが自分で着替えるそうです。ビビットな色の不思議な柄や星柄の殻が、袋に入って陳列されて…かわいいんですよ〜(笑)。
店の前を通るとき、いつも、かわいいなあと思っていたので…そういうイメージが頭の片隅にあったかな(笑)。

───ヤドカリの「おきがえ殻」にヒントがあったとは…! 絵についても少しお聞きしたいのですが、なかやさんの作品というと愛らしいキャラクターがとても魅力的です。一方で植物や風景の描写がリアルにうつくしく描かれていて、スズメやハトなど他の動物も大きくて迫力があります。そのバランスがとても面白いですよね。

私の絵本はわりと、主人公のキャラクターが単純でマンガっぽいので、背景やほかの登場人物をリアルに描かないと、嘘っぽいお話になっちゃうような気がして、なるべくキャラクター以外はリアルにしようと努めています。私の絵本の目指すところが、「ありそうな気がする」感といいますか。子どもたちにそう思ってもらうには、どこかでリアルな世界をしっかり描いていなくちゃ、と。私自身が小さい頃「あなたの家のそばの、木の下をのぞいてごらんなさい、もしかしたらいるかもしれませんよ」なんて書かれた本を読んだ日には、もう…ものすごくわくわくしていたので(笑)。
ハトはリアルすぎてちょっと怖かったかなあ、と思ったんですが…これはドバトという種類ですね。首の紫と緑っぽい光沢がある輪が特徴。ドバトってよく見ると怖いんですよねえ。キジバトにしようかと悩んだんですけど…でも公園はやっぱりドバトだろう!と(笑)。

───きっと子どもたちが見たことがある、身のまわりにいるハトですよね。見返しではそのドバトや、ねずみやヒヨドリが「どんぐりまちのおきゃくさん」としてくわしく紹介されていますね。

そうですね。この子たちは適当に描いた動物ではなくて、いわゆる都会にいる、公園によく来る鳥たち、生き物たちなんですね。ヒヨドリは農作物を荒らすので嫌がられたりしますが、繁殖力が高いので公園にもいっぱいいて、季節を問わず一年中いるんです。ですからこういう見返しの生き物の絵をみて、図鑑で調べてもらったり、実際公園にいったときに、たぶん見かけると思うので、「あっ、どんぐりまちのおきゃくさんがいるね!」と会話ができたらいいなと。

───見返しには、「どんぐりむらのなかまたち」のくわしい紹介もあります。

ええ。本を読んだあとに見返しを見て、あ、あそこにいたあのどんぐりは、大工さんだったんだ!とか、自分の好きなどんぐりを見つけてもらえたらな、と思うんですね。好きなどんぐりができたら、次の本のなかで、またそのどんぐりを探してもらえるし、お気に入りのどんぐりが見つかるといいなあと。今回は「ぽー」「ちい」「くりん」の三つぶが主役ですが、次回はこの三つぶが脇役になります。
くわえて、どんぐりの理科的な知識もちょっとだけ楽しめるといいなあと。ほんとうにこのどんぐりはこういう形なのかな?と子どもたちが図鑑で調べてみたら、「あ、意外と、ちゃんと描いてるんだ」「そっか、そっか」と思ってもらえたらなと思います。

───たくさんのどんぐりたちを描くときに、大変だったことはありませんか?

じつは、あるどんぐりのつぶを、実際よりもう少し縦に長く描いてしまって、描き直して校正で差し替えた部分があります。絵本は長い期間をかけて仕上げていくので、最初の場面を描いているときと後半の場面と、かなりのタイムラグがあって…。 同じようにきちんと下絵をとって描いていても、少し形が変わってしまったようです。私は気づかなかったのですが、担当編集者の娘さんが気づいて。子どものほうがよく見てますね。この作品では、少し形が違うと、違うどんぐりになってしまうんです。「違う子だ」、って子どもたちに思われないよう、つぶや形を全体で合わせるのが大変というか、難しかったですね。

一冊まるごと楽しめる絵本!

───「どんぐり新聞」や、隠れキャラクターや…。おもしろい「しかけ」がもりだくさんですね。

絵本のすみからすみまで楽しめるように検討を重ねました。たとえば、前見返しで「まちがいさがし」をしたり(7つあるそうです!)、後ろ見返しで「なかまたち」紹介をじっくり読んで、好きな子探しをしてもらったり。カバー折り返しは、一部を切り取って組み立てると「ぼうしやさんごっこ」ができるんです。どの子でも、どのぼうしもかぶれるように工夫したんですよ。

目玉企画として、帯では読者の方からぼうしのデザインを募集しています。いろんなぼうしを応募していただきたいですね。特別賞をとった方には、次の絵本のどこかに、たぶんかぶっている子がいるという賞が…。「あっ、これは私が考えたぼうしだよ」とか「ぼくが考えたぼうしだ」って。本を読んだあとも、絵本の世界を楽しんでほしい。そのためにできることはぜんぶやりました!

───自分で考えたぼうしが絵本に登場したら…嬉しいですよね。そして、裏テーマはエコだそうですね!

はい(笑)。ある場面では地面に捨てられていた空き缶が、次の場面ではゴミ箱に捨てられて。ゴミ箱のなかから引っ張り出されている黄色いものが、どこに使われたのかな、とか。ゴミ箱のアメ紙は洗って干されて、どのぼうしになったのかなあ、シマシマのこれかな、とか。摘まれた花や実はどこで使われているのか、そしてどのお客さんが買っていってくれたぼうしなのか。かまきり夫人がお買い上げくださったとか(笑)。時系列で材料を追っていくという楽しみ方もあるんですよ。捨てられたものも、すてきなぼうしになってよみがえる。すなわち「エコ」なんです(笑)。
そして今回は「水なし印刷」という廃液が出ない印刷技術で、大豆インクを使用、紙も製本方法ものりもエコロジーを意識したものになっています。絵本の角は丸みをもたせて、子どもが扱っても危なくないように。子どもにやさしく環境にやさしい本になるように、出版社といっしょに心をくだいてつくりました。

絵本ナビ読者の皆さんへ

───さいごに、絵本ナビ読者の方に「絵本を読む時間」を楽しむためのアドバイスなどをいただけたら…

うちは小学二年生の息子がいますが、寝る前に必ず読み聞かせをします。2歳くらいから少しずつ生活習慣をつけたい、という意味ではじめたことだったんですけれど、習慣になると、本を読んで一日が終わるという安ど感があるようで、本を読んでもらわないと今日が終わらないみたいな感じ。その時間があって、子どもが安心する。ほっとできることであるし、親も、子どもが大きくなるとなかなか読んであげる機会がなくなってしまうんですが、その時間は小さいときの感覚のままで読んであげられるので。寝る前の読み聞かせは、本人がいやがらない限りは、どんどん続けていいんじゃないかなと思います。

───私の息子も小学生になり、テレビだとか興味が広がっていっていますが、寝る前の読み聞かせの時間だけは甘えてくるというか、「ねえ、よんで」と言いにきます。きっとその時間は、べつなのかなあ、と。

そうなんでしょうね、きっと。子どもも、学校とか、親がいないところで緊張していたりとか、疲れていると思うんですよ。子どもなりにね。ほっとできる瞬間なのかな、っていう気はしますよね。

───ありがとうございました!

<取材を終えて>

インタビュー中に何度も息子さんから携帯電話に電話がかかってくるなかやさん。同じ"一人っ子男子"の母として、子育て中の苦労話に盛り上がってしまいました。家への帰り道、特急電車を見るまで帰らない!という息子さん、線路のそばで30分に一本の電車を子どもと待つ母の気持ち…。わかります〜。
「私ほんとうに"ダメ主婦"なんですよ。ごはんをつくるのもだめだし、縫物もすごく苦手だし。完ぺきなお母さんというか主婦の方、いらっしゃいますよね。ああいうふうにはぜったいなれない。私の場合は、絵本を作るというこの仕事をしているから、自分に自信がもてるのかなって思います」
明るく笑いながらざっくばらんにインタビューに答えていただきました。絵本作家として、子育て母の先輩として、これからもよろしくお願いします!

<おまけ>

ちなみに親子ではまった絵本などがあるかと伺ってみたところ、小澤俊夫さんが再話されている昔話がすごくおもしろくて息子さんとたくさん読まれたそうですよ! その面白さは…皆さんも是非読んで確かめてみてくださいね。

(編集協力:大和田佳世)

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