きみの話を聞かせて しろさめ作品集(小学館集英社プロダクション)
全編透明水彩画で描かれたイラスト作品に、描き下ろしのショートコミックを大幅に加えた、待望の作品集!
- 泣ける
- かわいい
これまでの「どこ?」シリーズは、5冊とも、さがしものあそびを中心にページを作ってきたのですが、今回の新作では、もっともっと絵本を楽しんでほしいと、「さがしもの」にくわえて、「めいろ」あそびも取り入れています。
ところで、「めいろ」って、ふつうは線画で描かれていますよね。でも、私は造形作家ですから、「めいろ」も立体的に作りたい。今回の絵本づくりでは、「めいろ」をどう立体的に作るかというところが、いちばん難しい課題です。 さあ、どうしよう。まずは、ラフを描いてみます。かわいらしい赤い屋根が並ぶ街に、入り組んだ道があったらよいかしら……?
このラフをもとに、原寸の型紙をおこして、立体にしていきます。じつは、この型紙にはひみつが! この型紙、きちんとした長方形ではなくて、上辺が下辺よりも短い台形になっているのです。下の写真は、実際には真上から撮っているのですが、ほら、まるで斜め上から見ているように感じませんか?
石畳の道らしく見えるように、スチレンボードに鉄筆で細かくもようを描いて、スプレーで着色します。黄土色の部分は、家が建つスペースになります。
さあ、土台ができたので、いよいよ家を作っていきます。いろいろな材料を使って、瓦を一枚一枚描き、煙突をつけて、窓もつけて……。うぅ〜、いったい家は何軒必要になるでしょうか……?
じつは、この一軒一軒の家の作り方にもひみつが! 手前の方の家は大きく作り、奥の方の家は小さく作ります。そうすると、遠近感がさらに強調されて、奥行きを感じるようになります。
さて、作った家の数は、どれくらいあったでしょう? 小さい家から大きい家まで数えてみたところ、なんとぜんぶで175軒もありました!
さあ、今日の日記はここまでに。次回は、さらに街ができていくようすをお伝えします!
(山形明美)