新刊
世界の国からいただきます!

世界の国からいただきます!(徳間書店)

世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!

新刊
そうじきの なかの ボンボン

そうじきの なかの ボンボン(フレーベル館)

世界にはまだ、誰も知らない不思議とすてきでいっぱい!

  • かわいい
  • 学べる
絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  制作日記  >  その3 砂まみれ!?のめいろづくり

連載

山形明美さん さがしもの写真絵本『どこ?』のひみつ

連載トップへ

制作日記

2013.08.08

  • twitter
  • Facebook
  • line

その3 砂まみれ!?のめいろづくり

今、取り組んでいるのは、「砂」のジオラマです。前回レポートした「街のめいろ」は、最初に紙にラフを描いてから、ジオラマ製作にとりかかりましたが、今回の「砂のめいろ」は、ちょっとちがう方法で進めています。
みなさん、「プラレール」という鉄道模型をごぞんじでしょうか。レールをつないで、自由に道をつくる、あの人気のおもちゃです。今回のめいろづくりは、その感覚に似ています。
まずは、レール部分にあたる道を、発泡スチロールでパーツに分けて何個も作ります。直線もあれば、カーブもあります。これらをめいろになるように並べていきます。二股に分かれる箇所を作ったり、遠回りしてもらう箇所を作ったり。めいろですから、なにしろ迷ってもらわなくてはいけません!

▲発泡スチロールをカッターで切り分けて、みぞを作って……。

道のパーツをあっちにしたりこっちにしたり、何度も移動させながら、なんとかめいろができあがりました。左上部分には海を、右上部分には砂のお城を作ることにしました。道もお城も、発泡スチロールにベージュ色のカラースプレーを吹きつけ、乾かないうちに砂をふりかけると、まるで砂でできているような風合いにしあがります。

▲道の配置が決まりました。これから表情をつけていきます。

地面も、カラースプレーと砂でかためていきます。発泡スチロールの地肌が見えなくなると、まるで砂の世界! ただこの時、カラースプレーを大量に使うので、うちの作業部屋にはスプレーの強い匂いが充満。換気には十分注意です(笑)。

▲さがしものも作っていきます。月はどこ? 数字の2はどこ?

ここまでくるのに、およそ20日間! スプレーを吹きつけては砂をかけるという作業のくりかえしで、部屋も服も砂だらけです。できあがるまで、部屋が汚れるのには見ないふり。きれい好きには向きません。
さて、このジオラマに使っている砂には、ひみつがあります。砂場にあるようにな普通の砂ではありません。ものすごく細かい粒の砂なのです。大きい粒の砂をジオラマに使ってしまうと、撮影したときに、やたらと粒が目立ちます。そこで探しに探して見つけたのが、ハムスターの砂あそび用の砂。この砂だと、粒がなめらかで細やかなのです。しかも、色も少し黄色みがかってよい感じ。
さあ、「砂のめいろ」もやっと完成! あとはスタジオに運びこんで、撮影をするだけとなりました。

撮影当日、さらにジオラマに砂を流しこんで、刷毛や指で砂の表面をなぞり、できるだけ豊かに砂の表情をつけていきます。これはまるで、みんなで砂遊びをしているような楽しい作業です。
海の部分は、青いビニールシートの上に、手作りのスライムを流します。さがしものを配置して、海辺のまぶしい光を、カメラマンの関さん、森山さんが演出してくれると……。
わぁ〜、すてき! ここはどこ? 狭い部屋でコツコツ作った1メートル四方のジオラマが、大きな世界に見えた瞬間!

さて、この「砂のめいろ」には後日談があります。撮影終了後、使った砂をビニール袋に戻して、スタジオから宅配便で自宅に送ったところ、どこかに小さな穴が開いていたのか、ちょろちょろと少しずつ、砂がこぼれていました。ビニール袋をよーく見ても、目に見えるほどの穴はありません。私が使ったこの砂は、やっぱりものすごく細かい粒なのだということを実感しました。

次回は、「切り株のめいろ」に取りかかる予定です。どうぞお楽しみに!

(山形明美)

今、あなたにオススメ

出版社おすすめ

  • なまえのないねこ
    なまえのないねこの試し読みができます!
    なまえのないねこ
    出版社:小峰書店 小峰書店の特集ページがあります!
    ぼくは ねこ。なまえのない ねこ。ひとりぼっちの猫が最後にみつけた「ほんとうに欲しかったもの」とは…


えほん新定番 from 好書好日さこももみさん
絵本ナビの入園入学特集2024
全ページためしよみ
年齢別絵本セット