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山形明美さん さがしもの写真絵本『どこ?』のひみつ

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制作日記

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2013.10.10

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最終回 物語の始まりと終わり

はやいもので、この制作日記もこれが最終回。ジオラマ作りのおもしろさについて、少しでもお伝えできたでしょうか。『どこ? めいろのさがしもの』の本づくりもおかげさまで順調に進み、予定どおり10月下旬に発売できそうです。

「どこ?」シリーズはどの巻も、「行って帰る」物語になっています。いろいろなさがしものを経て冒険をした後、また同じ場所へと戻ってくるのです。こんどの新刊の始まりと終わりの舞台は、子ども部屋です。

▲初めはがらんとしているお部屋ですが
▲家具などを置いていくと、活気が出てきて……

ひとくちに子ども部屋と言っても、ただ部屋を作ればよいわけではありません。暮らしているのはどんな子どもなのか、性格や生活環境を想像しながら作っていきます。今回初めて、部屋の住人を、姉と弟のふたりきょうだいにしました。だから二段ベッドです。いす、棚、洋服ダンスのひきだしなど、ふたりのものはピンクとグリーンで色分けしています。すべり台つきのベッドやテント、バレリーナの服など、自分が子どもだったらほしかったなあと思うものも入れました。

「どこ?」シリーズすべてに共通していることが、もうひとつあります。冒険を終え、もとの部屋に戻ってきた最後のページには、それまでに見つけたもののなかから各ページひとつずつ持ち帰った「おみやげ」が増えているのです。

▲左が始まり、右は終わりのページで、窓からのぞいているだれかさんも「おみやげ」です!

最初と最後のページの子ども部屋は同じジオラマを使っていますが、ライティングを変えています。カメラマンさんには、最初のページは朝の光、最後のページは夕方の光を表現してもらいたいとお願いしました。本当にイメージ通りにしあがっていて、「お〜!!」と叫んでしまったほどです。
朝にはちらかっていた部屋も、夕方に帰ってきたときには、きちんと整頓されています。やっと自分の部屋に戻ってきたという安堵感と達成感、そして物語の最後を感じてもらうような演出ができればと、毎回、意識しています。

ところで、「制作日記その6」に登場しためいろのTシャツは、そもそも子ども部屋に置かれてあったという設定なのですが、本物の子ども用Tシャツに手を加えて作ったものでした。でも、今回の子ども部屋のジオラマの床面積は、90cm×60cmくらいですから、そのTシャツをそのまま置くわけにはいきません。同じデザインで10分の1くらいに縮小させたTシャツを作る必要がありました。もちろん、スケッチブックや車のおもちゃも同じように、小さいサイズのものを作り直しました。
そして、ぜひ注目していただきたいのは、床の模様です。めいろのTシャツが置かれていた床と同じ木目模様を、子ども部屋の床にも一筆一筆描いて再現させているんです。ぜひ見比べてください。

▲同じものに見えるように、小さくてもそっくりに作らなくてはいけません!

最新作『どこ? めいろでさがしもの』は、「めいろ」もできて、今までどおり「さがしもの」も楽しめます。最初のうちは、立体でめいろは作れるかしらと不安でいっぱいでしたが、作り始めたらどんどん楽しくなって、新鮮な気持ちで取り組むことができました。
今回の「どこ?」は 少々忙しいです。「めいろ」と「さがしもの」、両方楽しんでいただけたらうれしいです。

(山形明美)

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