子どもたちが大好きな「しかけ絵本」や「音の出る絵本」。なかでも三起商行(ミキハウス)さんから出されている「ポカポカフレンズ」シリーズは本当に多彩なテーマとしかけで子どもたちを喜ばせてくれます。その「ポカポカフレンズ」の新作「ポカポカフレンズのしかけと音のえほん」シリーズもまた、ちょっと驚きの仕組みが使われていて…一体どんな内容なのでしょう?
そのみどころやこだわりについて、制作担当の方と、絵を担当されているさつきねむさんにお話をお伺いしてみました!
右ページのしかけを引っ張ると、ライオンやイルカ、恐竜などのイラストに合った鳴き声が流れます。左のページにはいろいろな動物が隠れています。
【鳴き声】ライオン・象・キリン・パンダ・イルカ・ニワトリ・豚・犬・猫・恐竜
右ページのしかけを引っ張ると、掃除機の音や電話の呼び出し音、花火の音などイラストに合った効果音が流れます。左のページには生活に関するクイズの答えが隠れています。
【効果音】トイレ・電子レンジ・掃除機・電話・トランペット・バイオリン・デジタルカメラ・傘・自転車、花火
─── 新シリーズ「ポカポカフレンズのしかけと音のえほん」のみどころを教えてください。
制作担当者:ずばり、右ページ全てに、引っ張ると音が鳴るしかけが付いています!しかけは「光センサー」を使用しており、全見開きに付けた仕様は業界初となります!引っ張るしかけにも一工夫。横や上、斜めや弧を描きながら引き出したりと、単純に引っ張るだけではないので、子ども達を飽きさせません。
さらに、左ページにも全て、動物やかわいいキャラクターが隠れている、楽しいめくるしかけが付いていて、全部で36個のしかけと10種類の効果音入りという大ボリュームな内容になっています!
─── ミキハウスさんの「音の出る絵本」がいつもすごいなぁと感じるのは、子どもたちが必ず喜ぶということ。大好きな動物の声が登場したり、毎日の生活で耳にする音が登場したり…。この新作シリーズの音もとってもリアルですよね!
「音の出る絵本」を制作する際のこだわりや制作秘話などを教えていただけますか?
制作担当者:“ミキハウス=クオリティ”と良く言われますが、洋服に限らず絵本も高品質、高機能が「ミキハウスの絵本」の最大の特徴と言えます。
全ての「ミキハウスの絵本」がそうですが、生産時にしかけの耐久性や機械部分の検品を何度も行い、“音”に関しても音質は問題ないか、ノイズは入っていないか、ちゃんとした発音に聞こえているかなどを慎重に検査しています。実際にお客様からも「ミキハウスの絵本は、壊れにくく長持ちで、音声やメロディもとてもきれいに聞こえる」と言うお声を頂きます。
また、高品質と合わせてこだわっている事がもう一つ。毎回「他社にはない絵本作り」を目指して新刊制作に取り組んでいます!今回の新刊でも、業界初の機能搭載や(上記回答参照)、子ども達が聞いた事がないような「キリン」や「パンダ」の鳴き声を入れる事で、遊んだときの驚きと思わず何度も繰り返して音を聞いてしまうようなしかけ作りを目指しました。
余談ですが、先生から音(鳴き声)の了解が得られず、何度も音源メーカーに通って担当の方に鳴き声の細かなニュアンスを鳴きマネで伝えたのですが、なかなかうまく伝わらず苦労しました。
─── 「ポカポカフレンズ」シリーズのもう一つの大きな魅力は、とっても元気で可愛らしい絵。
しかけにもぴったりなのです。その絵を描かれているさつき ねむさんにもお伺いします!
しかけ絵本の絵を描かれる時のこだわりなどはありますか?
さつきねむ さん:しかけ絵本に限らず、幼児の絵本の絵を描く時、幼児は年齢によって分別できる事がかなり変わってきますので、対象年齢に合わせて子どもに理解できるように描くことや、シンプルでわかりやすく描くことに気をつけています。
─── しかけ絵本を制作される場合、先にしかけのアイデアが決まってから制作されるのでしょうか、それとも、テーマや絵が先なのでしょうか。また、しかけ絵本制作で難しいところはどんなところでしょうか。
さつきねむ さん:今回は、しかけの方でしょうか…。
絵本のしかけの世界でも技術が新しくなっています。おんがくえほん「ピアノ」の制作時は、和音が出せるようになっていました。
新しい本では、引っ張ると音が出るというしかけができました。
難しいところは、初めてチャレンジするしかけだけに手探り感があり出来上がるまで心配がたえないことですね。
─── 一緒にしかけのアイデアを考えられることはありますか?
さつきねむ さん:アイデアは、かかわっている制作スタッフみんなで考えています。
いつも楽しく制作させていただいています。
─── しかけ絵本を作られる時の楽しさを教えていただけますか?
さつきねむ さん:しかけ絵本に限らず楽しく作っていますが、毎回「子どもたちが楽しんでくれるかな」という不安や心配でいっぱいです。
出版されて、子どもたちが本を広げて、いろんな表情をして遊んでいるのを見るのが、いちばん楽しいです。
─── 子どもたちにはどんな風に楽しんでもらいたい、と思われながら制作されていますか?
さつきねむ さん:どんな風に楽しんでもらいたいというよりも、この本で子どもたちと一緒に遊ぶとしたら、飽きずに、長時間、楽しんでいられるかどうかを考えながら作っています。
─── 新作『だ〜れかな?いきもの』『なにしてるの?せいかつ』のおすすめポイントを教えてください!
さつきねむ さん:ひっぱって絵と音が出て、めくって絵が出て…手でさわったり、耳で聞いたり、新しい発見ができたりする楽しい本ができました。
全ページの動物やものを、本から飛び出させて置いた風景は、けっこうスゴイです。
音が出るので、子どもたちの方が私達が考えつかないような思ってもない遊びをしていそうで…そこを見てみたいです。
─── (制作担当の方にお伺いします)「ポカポカフレンズ」シリーズ全体のこだわりのテーマや特徴、おすすめポイントなどを教えていただけますか?
制作担当者:テーマは“お友達”!登場キャラクターは当初3人でしたが、新しい絵本が刊行する度に少しずつお友達が増えていき、現在は12人が仲間入り!今回の新刊でも、かわいい羊のウールちゃんが初登場。絵本の中で皆が待っています。12人のキャラクターの中からお気に入りを見つけて、是非お友達になって一緒に遊んであげて下さい!また、現在新刊も企画していますが、次はどんなお友達が登場するのか、私自身が一番楽しみです。
「ポカポカフレンズ」シリーズ作品一覧はこちら>>>
─── 絵本ナビ読者の皆さんにメッセージをお願いします!
制作担当者:子ども達に絵本を通じて、いろいろな世界を感じ楽しんでもらえる絵本作りを目指しています。子ども達の心身の健やかな成長をサポートし、さらに親子のコミュニケーションのお手伝いをする事が、ミキハウスの願いです。