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2009.01.21

絵本『したのどうぶつえん』
あきびんごさんが絵本ナビオフィスに遊びに来てくださいました!

こんな絵本があります。

したのどうぶつえん

したのどうぶつえん
作・絵:あき びんご
出版社:くもん出版

”うえの”どうぶつえんの下には、”したの”どうぶつえんがあった!
ある日、上野動物園に行こうとしたぼくは、動物園前駅から下におりる階段をみつけます。階段を下っていくと、そこには“したのどうぶつえん”があったのです。驚いたぼくが、したのどうぶつえんに入っていくと、そこにはふしぎなどうぶつがたくさんいて…。
 りんごりら、れいぞうこぞう、きりんご、わらいおん、かばなな、もしもしかもしか。声にだして読むだけで、思わずププッと吹きだしてしまう、だじゃれどうぶつの数々。

“うえのどうぶつえん”ならぬ“したのどうぶつえん”!
一体“したのどうぶつえん”にはどんな動物がいるのでしょう?
こんな事を考え出した作者とは一体どんな方なのでしょう?

あきびんごさん 先日、絵本ナビオフィスに作者のあきびんごさんが遊びにいらして下さいました。

あきびんごさんは1948年生まれ!
還暦になられた今年、「したのどうぶつえん」(くもん出版)で絵本作家デビューをされました。
そして今月発売された雑誌MOE2月号の中で発表された「2008年絵屋さんが選んだ」絵本のランキングの中で、「新人賞」部門3位にも選ばれました。

わたしは今年60歳になったのですが、かねてから、還暦になったら新人賞をとりたいと思っていました。」
(くもん出版HPに掲載中の入選によせてのコメントより。詳しくはこちら>>>

こんな粋なコメントを読んだだけでも、とてもパワフルな生き方をされている方なのでは・・・と
想像してしまいますよね。

実際にお会いすると、想像以上にパワフルで個性的でユーモア溢れる方でした。
豊富なご経験のもと、次から次へと飛び出す様々なテーマやエピソードに、こちらは感心したり
笑わされたり、とにかく圧倒されっぱなし!

あきびんごさん あきびんごさん
とても濃くて刺激的な楽しい時間を過ごさせて頂きました。

■ 絵本を出されるまでの長いみちのり・・・。

広島県尾道市で生まれ育ったあきびんごさん。
東京芸術大学日本画科に入学する為に上京されました。
学生時代には、その活気と文化に強烈なショックを受け、かなり刺激的な毎日を過ごされたそうです。具体的には・・・今回は割愛しておきますね(笑)。

ちなみに東京芸術大学というのは「上野動物園」のすぐ隣にあります。
動物園とはかなり深い縁があったそうで、当然スケッチをされる為に通われたそうですが、更にアルバイトでも、動物園の鳥類の絵と名前をプレートに描く仕事もされていたそうです。
(かなりの数を描かれたそうですよ!)
現在はもう使われていませんが、絵本の冒頭に出てくる博物館動物園駅、あきびんごさんは実際に通学に使われてたそうです。
「階段を上がると『うえの』動物園に着く・・・。じゃあ、下に降りていくと?」
なんて事を毎日体感されていたのですね。

卒業後は広告代理店での仕事を始め、様々な出会いがもとで幼児教育の研究者として教材・教具・文具などの開発もされてきたそうです。
実は私も子どもの頃にその教材にお世話になっていたようで・・・!?
その頃の明快で目標のはっきりしている仕事が「面白くて仕方がなかった」そうです。
確かに、人と少し違っているその野生的な勘(勝手に言わせてもらっています。)は、新しい事、新しい教育法を生み出すにはぴったりくるような気もしてきます。

その後も絵画や染付けなどの作家活動をされたりと枠にはまらなない幅広いご活躍をされてきたあきびんごさん。
今回もこんな素敵なお土産を持ってきて下さいました。

お土産
この可愛い動物の絵付け。
何と、注射器を使って絵付けをされているそうです!自由です。

その後、絵本作家という新しい道をスタートされるのですが、そのきっかけというのもかなりユニーク!
「還暦というのはそのお祝いに赤い物を贈る風習があるでしょ。
それは(干支が一回りして)赤ちゃんに還る・・・という意味もあるんだよね。」

とあきびんごさん。
一生に一度しかない60歳。だから還暦であるこの年に生まれ変わってみたい・・・と思われたそうです。
村上潔という名前で活動されていましたが、あきびんごと新しく名前もつけ、
したのどうぶつえん」で見事絵本作家デビューを実現されたのです。

■ 「したのどうぶつえん」をつくったきっかけ

この「したのどうぶつえん」を描かれるきっかけとなったのは、前述にもある通り学生時代に関わってきた上野動物園との関わりが大きかったそうです。その頃から、「上野があるなら下野動物園があってもおかしくないな。」
というアイデアはずっと温められていたそうで・・・。
また、子どもの頃から動物が大好きで小学生の時に『動物紳士録』という本を読み込んでいた事も現在の大きな原点となっているのでしょうね。

「この絵本はだじゃれ満載で『おふざけ』のようにみえるかもしれないけど、
 僕はいたって『まじめ』につくっているんです。」

したのどうぶつえん

「ことばが豊かな子どもはだじゃれが得意である」という考えがテーマであるのはもちろん、その他にも、「子ども達に、『うえの』世界があれば必ず『したの』世界があるという事を知ってほしい。」という事もおっしゃっていました。
物事には「いい」「悪い」だけの判断だけでなく、違ったものの見方、考え方もあるのだという事。
「したの」世界の存在を知る事で、強さやしぶとさを学んで行ってほしい・・・と。
独特ですが、とても面白い考えだと思いませんか?

■ 楽しくて仕方がない!

続いての新作は「したのすいぞくかん

したのすいぞくかん

したのすいぞくかん
作・絵:あき びんご
出版社:くもん出版

ある日、ぼくは上野動物園にあるモノレールにのりました。すると、モノレールは“したのすいぞくかん”に入っていって…。  どちらから読んでも同じ、おつかいかつお、まんざいさんま、でーとひとで、まぐろぐま。そして、すいかめ、きゅうきゅうしゃち、もっきんぎょ、たつのおしごと、にんじんにしん。声にだして読むだけで、思わずププッと吹きだしてしまう、だじゃれどうぶつの数々。

こちらも、子どもにしか気が付けない様な細かいしかけが沢山隠れており、「あきびんごの絵本は油断ならない」ともっぱらの評判だそうです!
更に新しい絵本も制作中だそうで、原画とともに構想も語って下さいました。

あきびんごさん 本当に楽しそうに見せて下さいます。

「僕は面白いと思った事をどんどんやっていくので、今とっても幸せだし、楽しくて仕方がないのです。僕みたいな大人がたくさん増えてほしいと思ってます。」

なんてシンプルかつ力強い言葉でしょうか。
大人である私達も嬉しくなってきますね。
子どもの頃に、芸術に触れたり、広い価値観を知る事でより豊かな人生になっていくとおっしゃるあきびんごさん。
この絵本も子どもの世界を広げる一つのきっかけになるのではないでしょうか。
ますます今後のお仕事に期待がかかります!

最後に頂いた花瓶とともに記念撮影。
記念撮影

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あき びんご【あき びんご】

  • 1948年、広島県尾道市生まれ。東京芸術大学日本画卒。絵画や染付などの個展活動を行っている。また、幼児教育の研究者でもあり、さまざまな教材・教具・文具の開発をした。著書に、村上潔の名で『北風ママと太陽ママ』『太陽ママになろう!』(PHP研究所)がある。絵本に『したのどうぶつえん』<第14回日本絵本賞受賞>『したのすいぞくかん』、『あいうえおん』(くもん出版)がある。


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