
山あいの小さな村にお母さんと二人で住んでいた女の子、雪の物語。一冊だけ持っていたのが龍の絵本、いつもいつも読んでいたのでぼろぼろでした。雪の置かれている境遇、そのひとつひとつの描写、そして雪に訪れる悲しい出来事・・・どれもがせつなく、笑顔のラストシーンもやはりせつないのです。「美しくも哀しい」という言葉がまさにぴったりの作品です。 漢字かな混じりの文章でもあり、まずは大人の方向きではないでしょうか。

「雪や、お母さんは月に行ったよ。もう帰ってこないんだよ」「じゃあ、雪も月へ行く。どうやったら月に行けるの。教えて、おじさん」大好きなお母さんを失った少女・雪が、心に決めたこととは……。母子の絆を描く、美しくも哀しい、大人も楽しめるファンタジックストーリー。ホームセンターの歌を作った著者が、今度は絵本を作りました。
著者プロフィール ●米田博志(よねだひろし)/文 ホームセンターDCMカーマに勤務。 2002年にカーマの歌を作詞作曲。 「カーマの歌を作りましたが、今回、絵本を作ることになりました。ただ、カーマの歌とは関係のない内容です。カーマの歌はかわいい歌ですが、この絵本は大人も読める、ちょっと切ない内容になっています」 「読み終わったら、部屋のどこかに飾ってください。そのつもりでカバーを作りました」
●金斗鉉(きむとうげん)/絵 1953年、韓国ソウル生まれ。 1971年に来日。 グラフィックデザイナーを経て、フリーランスイラストレーターとなる。 博物館の解説画、絵本などに幅広く活躍している。
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