
今日はお留守番。
「だれが きても、ドアを あけては だめよ」
かあさんぎつねにそう言われたけれど、こぎつねはひとりぼっち。からすの声とすずめのさえずりが外から聞こえてきます。そんな時、ドアをノックして「しずけさ」がやってきた。誰でもない、「しずけさ」ならいいかと、こぎつねはドアをあけて部屋に招きいれます。
「しずけさ」は、部屋いっぱいになるほど大きくて、二つの目があって、透明。最初は落ち着かない気持ちのこぎつねだったけれど、一緒におやつを食べ、音楽なしで踊り、楽しく過ごします。「しずけさ」がきてから、外で音がしなくなったみたい。床で丸くなりながら、こぎつねは思うのです。
「しずけさが きてくれて よかったな」
第16回コンポステーラ国際絵本賞、2024年度クアトロガトス財団賞を受賞したスペイン生まれの美しいこの絵本。「しずけさ」が示してくれているのは、自己を見つめることの大切さと、孤独と静寂を楽しむことの大切さ。
まるで音のしない時間や場所を見つける方が難しくなっている、今の世界。孤独と向き合い、それを受け入れ、楽しむことが必要なのは大人ばかりではないはずです。子どもたちだって、静かに耳をすまし、自分の心臓の音を聞き、じっと心の声を聞いてみる。そんな経験ができたなら、きっと自分と向き合う力がついていくのではないでしょうか。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

こぎつねが留守番をしていると、「しずけさ」がやってきました。一緒におやつを食べ、踊り、楽しく過ごして…。「しずけさ」は、自己を見つめることの大切さ、孤独と静寂を楽しむ大切さを子ぎつねに教え、去っていきました。

私がママだったら
読み進めるうちに心が静かになっていくような内容でした。
寝る前に読み聞かせしたら、子どもさんたちがすぐに寝てくれそうです。
誰が来てもドアを開けてはだめよ、と言われていたけれど、子ギツネは開けてしまいましたね。
誘惑に弱いところが子どもらしいです。
帰ってきたママに、新しい友達ができたと報告した子ギツネ。
私がママだったら、訪問者が良い相手ではあっても一度しっかり怒るだろうなと、少し笑いました。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子22歳)
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