
山の入り口。女の子は十数えるまでには帰ろうと決め、足を一歩踏み入れる。
「いーち、にーい、さーん、しーい。あっ」
そこはぽーんぽこやま。緑の葉っぱが生い茂り、あちらこちらに伸び放題の枝や根っこ。小さな生き物たちも見えています。
「ごぶぶっ、ろろろろろろろ……」
続きを数えようとするけれど、気がつけばぐるぐるどこかへ落ちていき、なんだかわからないままあっちへこっちへ飛んでいき、大量のハチに出くわして!さらにさらに!?
おそろしいような、面白いような、とんでもないことが起こる魅惑の山。女の子と一緒に読者も迷い込み、心配になってきた頃、目の前には違う景色が見えてきて……。
まるでジェットコースターに乗ったような、はちゃめちゃで爽快な気持ちにさせてくれるこの絵本は、シンガーソングライターとして活躍されている柴田聡子さんが初めて手がけられた作品。理解不能な響きの言葉が並んでいるようで、声に出して読んでみればテンポ良く、不思議と状況や展開を感じることができるのです。
その響きの後ろに広がるのが、画家ハダタカヒトさんの描く濃厚で怪しげ、かつ可愛くて美しい山の世界。いったい何が起きたのか!? 読んだ後、山に行きたくなるような、ならないような。今までに出会ったことのない、クセになる山登り絵本の登場です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

歌手・柴田聡子初の絵本! 絵描きハダタカヒトと贈る、声に出して読むと楽しい「はちゃめちゃジェットコースター山登り絵本」!
よんでいるうちに、迷いこむ…… おそろしくてかわいくて、とんでもない山!
柴田聡子の躍動感にあふれたへんてこなことばに、絵描きのハダタカヒトが渾身の絵をのせました。 よむとなにがなんだかわからずとも、なんだか不思議とハイになる! 主人公は10数えるまでに山からおりてこようともくろむ女の子。はたして無事に帰ってこられるでしょうか……? 山のおそろしさも気持ちよさも、この一冊のなかにたっぷりとつまっています。
購入特典:柴田聡子 with ハダタカヒトの「ぼーんぽこ山周遊記」が限定視聴で見られます。絵本の読み語り映像も!
●絵本雑誌「さがるまーたVol.1」に掲載された同タイトルのおはなしを、新たな装丁と描きおろしページとともに単行本化しています。
|