
「はじまったよ、はじまった!」
この感じ、絶対そうだ。女の子は玄関にランドセルを置くと、すぐに外へ飛び出します。通りを歩けば目に入ってくるのは麦わら帽子にビーチサンダル、サーフボードにひなたぼっこをするカメさん達。みんなはしゃいでるね。さあ、ねこちゃんも一緒に、トンネルをくぐれば……。
「うみ!」
『ぼく』(作・谷川俊太郎)の絵を担当し、鮮烈絵本作家デビューを果たした合田里美さんの初の創作絵本。鎌倉を舞台に描きだすのは、夏の始まりの気配。胸の高まりを感じる風、におい、日差しとともに、うれしくなって海へ走り出したくなる、そんな一日。海辺で暮らすって、こんな感じなのでしょうか。印象的なブルーを基調とした絵本の中の景色には、終始心地の良い風が吹いているようです。
潮の香り、波の音、子どもたちの声とともに目の前に広がる青い空とキラキラと光る海。貝がら、カニ、夕焼け……そうそう、これこれ。もう、今日から夏でいいよね! 主人公の女の子のワクワクする気持ちと重なり、読むたびにみずみずしい喜びに心が満たされていくような爽やかな一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

かぜ さらさら きもちいい このかんじ ぜったいそうだ はじまったよ はじまった! 日差し、風、におい、海の色、五感で感じる初夏の1日。
『ぼく』(作・谷川俊太郎)の絵を担当した、合田里美、初の創作絵本。

ひきこまれた
表紙の女の子の表情に、目を奪われました。なんていい笑顔! そして、ページをめくれば、初夏の一日が躍動感たっぷりで、さわやかに描かれていて、一気にひきこまれます。季節がうつりかわるときのわくわくするような気持ちで読みました。初めて読む作家さんですが、本当に素敵な絵で、すっかりファンになりました。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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