
王様が求めた、ふたつの太陽とたくさんの星くずが輝くパンとは!? 見ているだけで幸せになりそうな、おいしい絵本を召し上がれ!
本書『ふたつの たいようと ほしくずの パン』は、1986年に発刊された「おはなしひかりのくに 2」にはじめて発表されました。
町外れに新しくできた、小さなパン屋さんが大繁盛。 それを快く思わない大きなパン屋さんが、王様に「あの店のパンはウチの店のマネをしている!」と告げ口をします。 小さなパン屋さんは、身に覚えのないその疑惑を否定するも、牢に入れられてしまいました。 「もしパン作りの技術を盗んでいないのなら、ふたつのたいようとほしくずのパンを作ってみなさい」 王様からそう命じられた小さなパン屋さんは試行錯誤しながらも、ついにパンを完成させますが…。
お話の内容もさることながら、手に取った人の印象に残っているのは、作中に登場するプレッツェル(ドイツ語:Brezel)かもしれません。 いまではパン屋さんで目にすることのできる、ドイツ発祥の焼き菓子パンは、独特な結び目の形に作られており、日本でも人気も高いパンの一つになっています。
本の中でも、それは かりっとして いて、かむと、ほしくずが くちの なかで とけ、ワインで のみほすと、あたたかい たいようの かおりが くちいっぱいに ひろがりました。 と、詳細な描写で描かれています。
もともと作者のまつむらまさこさんと松村太三郎さんは、旧西ドイツに在住され、現地で絵本制作に取り組まれていたことから、当時としてはまだ珍しかったプレッツェルを“ふたつの太陽と星くずのパン”として描きました。
このたびの復刊にあたっては、貴重な原画をスキャンし、新たに版面を起こす形で、新装版絵本として製作を実施します。 図書館にも所蔵がなく、約40年ぶりによみがえる、『ふたつの たいようと ほしくずの パン』。
ぜひ、本書を手に取って素敵な感動をもう一度味わっていただければと思います。
(c)まつむらまさこ/松村太三郎

幸せな気持ちになる
40年ぶりに復刊された絵本としり、読んでみました。タイトルの「ふたつのたいようとほしくずのパン」とは、どういうパンなんだろうと不思議に思って読み進めていくと、なるほど! パンを作っている過程や、食べたときの描写が素敵で食べてみたいなあと思ってしまいます。あたたかみのある絵も魅力的で、ほっこり幸せな気持ちになるような絵本でした。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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