
暑い夏の日、赤く長いしっぽを光らせた彗星が地球に向かって進んできます。
このままでは、地球がこなごなになってしまうかもしれません。
ムーミントロールと友だちのスニフは、この危険な星について調べるため、たったふたりで遠い天文台へと出かけることになりました。
スナフキンやスノークのおじょうさんと知り合い、友だちになる間にも、ぐんぐん彗星は近づいてきて……。
ムーミンの物語は全部で9冊あります。この『ムーミン谷の彗星(原題 KOMETEN KOMMER)』は、幻の第1作『小さなトロールと大きな洪水』が発表されるまでの長い間、第1作とされていたものです。国際アンデルセン賞作家であるトーべ・ヤンソンが何度も推敲し、書き直した、愛着深い1冊でもあります。
ながく愛読されてきた児童向けのハードカバー版「ムーミン童話集」(1990年初版)の改訂版「ムーミン全集[新版]」が2019年に刊行されました。「おなべ」を「パンケーキ用フライパン」、「さかずき」を「カップ」、「レモン水」を「レモネード」にするなど、いまの言葉にあわせた、より読みやすいムーミンの物語になりました。
講談社文庫では、1978年からムーミンの物語をご紹介してきました。2025年の今年、小説ムーミン誕生80周年記念として、講談社文庫版も[新版]となりました。トーベの手になる82点もの挿絵とともに、ムーミンの物語をお楽しみください。
《収録》 解説……下村隆一 附記……山室 静 ムーミン谷の魅力 1『ムーミン谷の彗星』風変わりでも、かまわない……冨原 眞弓
*中学生以上漢字にふりがな *この本は『ムーミン全集[新版]1 ムーミン谷の彗星』(2019年講談社刊)の文字づかい等を改めたものです。
ⒸMoomin Characters TM 2025

投げやりになんてならない
ムーミン谷の彗星は、シリーズで一番最初になるお話のようです。
この本で初めて、ムーミントロールはスナフキンに出会い、
スノークとスノークのお嬢さんと出会い、切手収集に夢中のヘムルと出会います。
のどかで美しいムーミン谷、スニフとムーミンの真珠集めや洞窟探しから始まりますが、彗星の出現で地球滅亡の危機が数日で訪れようとしています。
その数日間のお話ですが、一番感動するのは、やはり、落ち着いて
誰にもやさしく丁寧なムーミンママです。
こんな母親って素晴らしいって思えます。
冷静なスナフキンもすばらしい。スニフのあどけなさはかわいい。
スノークのお嬢さんのきっぱりしたところも良いです。
教訓とか、色々いっぱい詰まっていて、読み返したい一冊です。 (capellaさん 60代・じいじ・ばあば )
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