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宮沢賢治の絵本 水仙月の四日
作: 宮沢 賢治
絵: 黒井 健 出版社: 三起商行(ミキハウス) ![]() 在庫あり 税込価格: ¥1,650 絵本ナビ在庫 残り2点
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作品情報
発行日: 1999年11月
出版社のおすすめ年齢:6歳〜 |
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里から山につながる雪野原を、赤い毛布をまとった男の子が、山の家を目指して登って行くところから物語は始まります。
春の訪れを告げる雪嵐の日の激しくも美しいできごと。そのとき雪童子がぷいっとなげつけたヤドリギは、生命のシンボル。雪嵐の中、死にかける子供の生命はまさに、その雪によって守られた。冬の中には春がひそみ、死の中には生命が宿る。子供は雪の中で、目覚めと再生の時を待つ。大いなる自然へのおそれと感謝を込めた宮沢賢治の傑作!春への予感をふくんで冬の終わりを告げる花、それが水仙。透明感のある青い世界がここにあります。 ![]()
個人的なベスト絵本です!宮沢賢治作品は文章から受けるイメージが強く読む人それぞれの持っているイメージに合うか合わないかで 好ききらいが完全に決まっちゃう…って感じがするんですが この本はそういう意味で、ワタシの 「ベスト・オブ・水仙月の四日」です。 黒井健さんって どの作品を読んでもブレなく絵が美しいのですが 個人的には、そこで終わっちゃってる作品も多い気がして はがゆい気持ちになったりすることがあって。 もっとこの先まで描ける方ですよね?と。 (描きもしない絵本読みが何をゆーかってアレなんですけど★) なので この作品を見たときは 「やったー!!!」でした。 色が! 風景が 雪婆んごが!雪童子が! 悲鳴が上がりそうなほど透明感と冷たさにあふれていて 素晴らしいという言葉が陳腐に感じるほど感激しました。 こどもの赤毛布のあざやかなこと。 やどりぎの生き生きしていること。 これがまた、風景の冷たさの中のコントラストでハッと魅せる!のですよ〜。 (とはいっても、黒井さんの描くこの作品では 主人公はあくまでも冬と雪と雪童子ですけども) 天気が変わり 明るい雪の合間の天気から 吹雪になる色合いもドキドキするような不安さで。 雪婆んごが、雪童子が、雪狼が飛び回るその様子 雪童子のほっぺがほんのり紅くて、いかにも童子らしくて。 乱れた髪に風の強さ、激しさが感じられます。 (雪婆んごがまたコワいんだ★ 小さい子だと夢に見そうw) そして 雪がやんだ後の静けさ。夜の澄んだ空気。 風どころか、星のまたたきまで止まっているような。 翌朝の冷たい太陽と 雪童子によって掘り起こされたこどもに それを迎えに来たのであろう人影まで。 いやもう たっぷり堪能いたしました! こんな名作はなかなかお目にかかれないと思います。 未読の方にはぜひ!ご一読いただきたいです。 (しろいまちこさん 40代・その他の方 ) |
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