
「きんの かんむりを いただくぜ。」
ハリネズミのチクリン警部の元に届いたのは、カメレオンどろぼう・ドロンからの予告状! 警察署に予告上を送り付けてくるとは、さすが世界一の大泥棒、やることが大胆です。
チクリン警部が金の冠は絶対に渡さないと決意した頃、ドロンは秘密の隠れ家で余裕の笑み。秘密の隠れ家なのに真っ赤でカラフルなおうちなのも、ドロンの自信のほどのあらわれでしょうか? ドロンは体の色を自由に変えられます。砂漠でも、海でも、花畑でも、雪山でも、ドロンの姿は景色に溶け込んでしまいます。金の冠を盗むために美術館に忍び込んだときも、絵や彫刻の一部に姿を変えてまんまと近づき、長くてよくくっつく舌を伸ばして、ぺたり。
そのとたん「か、か、から〜い!」。 なんと金の冠には、げきからカレーが塗ってあったのです。さすがチクリン警部、お見事。
チクリン警部に捕まって牢屋に放り込まれたドロン。まだまだあきらめていません。体の色を変えてまんまと脱走したドロンは、再び金の冠の元へと向かいます。それを追いかけるチクリン警部。
そんな二人の前に現れたのは、大きな袋を抱えたハリネズミ警察隊。このハリネズミ、なーんかアヤシイ。あやしいハリネズミを追いかけるドロン、ドロンを追いかけるチクリン警部。チクリン警部はドロンを捕まえられるのでしょうか? そして、あやしいハリネズミの正体は一体何者なのでしょうか?
おはなしの謎解きと一緒に、あちこちで姿を隠すドロン探しにも挑戦してみてくださいね。
(近野明日花 絵本ナビライター)

ハリネズミのチクリン警部のところに「金の冠をいただく」と挑戦状がとどいた。カメレオンどろぼうのドロンからだ。体の色を変えられるドロンは、だれにも知られぬ間にどこへでも忍びこみ、お宝を盗む。チクリン警部は美術館の守りをかためたけれど、ドロンは絵や彫刻の中に身をかくし、金の冠に近づく。ところが……。ドロンとチクリンたち警察の追いかけっこがゆかいなお話。ドロンが姿を消す場面では、絵さがしも楽しめる。

びっくりの展開
楽しそうな表紙にひかれて読んでみました。カメレオンらしさを全開にしたどろぼうドロンがおもしろいです。無敵かと思ったら、チクリン警部の作戦になるほど! そこから思ってもみなかった展開にびっくり。楽しかった! 色鮮やかな絵もきれいです。シリーズのようなので、他の巻も読みたいと思います。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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