
テディベアのコールテンくんは、リサが出かけるときはいつも一緒です。リサに抱えられてランドリーへ行ったコールテンくん。夕方のランドリーは混んでいて、リサはお母さんの手伝いをするため、コールテンくんを椅子に座らせ「ここでしずかに待っててね」といいました。
はじめはおとなしくしていたコールテンくんですが、リサたちの話を聞いて「ぼくのズボンにはポケットがないよ!」と気づきびっくり。ポケットになりそうな布を探しはじめます。一方、コールテンくんがいなくなってしまったと思ったリサは……。
好奇心旺盛なコールテンくんときたら、閉店したランドリーで洗剤が倒れても、洗剤に流されても「ぼく、ずーっと前から雪で遊びたいなって思ってたんだ」「雪の上をすべってみたいなって思ってたんだ」と楽しそうです。
世界中で愛されるドン・フリーマンの名作『くまのコールテンくん』(偕成社・刊)に続くおはなし。前作では夜のデパートでボタン探しをしていたコールテンくんが、今作では夜のランドリーでポケット探し……。さてポケットは見つかるのでしょうか? そして大好きな優しいリサの元に戻れるのでしょうか?
働くお母さんといった雰囲気のリサのお母さんや、間違えてコールテンくんを洗濯しそうになった絵描きの男の人もいい味わいです。ペンで引っ掻いたようなスクラッチの線によってキャラクターは命を吹き込まれ、コールテンくんの毛並みも人の輪郭も立体的に感じられます。 最後はリサとコールテンくんの信頼のこもったまなざしの交換にグッときてしまいました。コールテンくんは、幼い子どもたちには決して忘れられない心の友だちなのです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)

リサとおかあさんといっしょに、ランドリーへ行ったコールテンくん。リサたちの話をきき、自分の服にポケットがないことに気が付きました。店の中で、ポケットになる布をさがしはじめますが、リサはコールテンくんがいなくなってしまったと思い込み…。 ドン・フリーマンの名作『くまのコールテンくん』(偕成社・刊)のつづきのお話。好奇心旺盛なぬいぐるみのコールテンくんが、今回もちいさな探検に出発します。

クスッと笑え、ほっこりします
コールテンくんシリーズには、息子が本当に小さかった頃に出会いました。初めて読んだ時から、クスッと笑えながら、最後には最高に温かい気持ちになれる話で、大好きです。
この『コールテンくんのポケット』でも、コールテンくんは、おきまりの「迷子」になり、そして、決まりセリフの「ぼく、ずっと前から〜だったんだ」が出てきます。
小さなお子さんが目を輝かせて、コールテンくんと小さな冒険を楽しめること、間違いないです。作者のドン・フリーマンさんのやさしさがとっても詰まった一冊だと思います。お薦めです。 (汐見台3丁目さん 50代・ママ 男の子17歳)
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