
1962年、日本からネパールへお医者さんの夫婦がやってきた。山間の病院に、遠い町や村からやってくる人々、病院に来ることができない病気の人たちへの診療と、健康相談のために奔走したドクターのお話。

7歳の息子と読みました。
1962年、当時の平均寿命が40歳に満たないネパールに、
日本人のドクター岩村が派遣されます。
病院に来れる人はまだ元気な病人だ。
本当に病気の人は病院に来れない。
そう気付いた岩村医師は、
ネパールの山奥まで数日かけて往診へ。
私はてっきり、ドクター岩村の献身的な国際協力の話だとばかり
思っていましたが、
もう一人、主人公がいました。
それは、歩けないおばあさんを、タンセンの病院まで運んでくれた、
名前も出てこないとあるネパール人の若者。
謝礼金も受け取らず、「サンガイ・ジウナコ・ラギ」と言い残し
去っていったネパール人の若者の姿に、
涙がでそうになりました。
今まで、「サンガイ・ジウナコ・ラギ」と思って生きてきたことが
あっただろうか?
服もボロボロ、はだしの若者が
謝礼金を受け取らずに去っていった姿に、
深く心を打たれた一冊でした。
「サンガイ・ジウナコ・ラギ」
みんながこの言葉をちょっとでも胸に抱いて、
毎日を生きていけたら、
世界がちょっとずつ変わる気がしました。
7歳の息子も、本を読み終わった後は、
「サンガイ・ジウナコ・ラギ」を繰り返していました。
この絵本に出会えて、この言葉を知ったこと、
いつまでも覚えていてほしいと思いました。 (ムスカンさん 30代・ママ 男の子7歳、女の子3歳)
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