あとがきを読むと、この物語は85年前に書かれた物語を基にしていて、別の意味あいを持ってくるのですが、私は現在の異常気象に関連づけて読みました。
冬から春に向かう時に夏日の日が加わりました。
冬と春と夏が同居する世界を体感してしまったのです。
暑い日から冬の寒さに戻る時に通過するのは秋でしょう。
こんなことが続くと、冬に蝉が鳴きかねません。
渡り鳥はどうしていいのか分からないでしょう。
冬に春と夏と秋が同居したら、季節によって変わる世界は大混乱です。
物語では、それぞれの季節は自分の居場所に戻っていきました。
自然界の季節は、そんなに物分かりは良くないようです。
そんな異常気象に振り回されて、不安は増すばかりです。
さて、あとがきを読むと、この物語は85年前にウルリッヒ・アレクサンダー・ボシュヴィッツというドイツ系ユダヤ人によって書かれたことがわかります。
ナチスのユダヤ人政策を恐れてドイツを脱出したウルリッヒでしたが、イギリスでは敵国から来た人間として収容所に入れられてしまいます。
この作品は収容所で書かれたということなので、込められた別の思いが見えて来ました。
何よりも、争いと混乱のない世界を望んだ作品なのではないでしょうか。