絵本の中から話しかけてくる?!
参加型読み聞かせにぴったりのユニークな絵本です。
絵本のタイトルからして
「お〜しまい!・・・かな?」って
どういうこと?
表紙には白い歯をむき出して笑う青のクマ
ドーナッツくん。
一体、どんなおはなしなんでしょう。
ページを開くと、絵本が話しかけてきます。
「このこはクマのドーナッツくん。さあ、ごあいさつして。」
すると、ページの中にいる青いクマがモジモジしながら、
「おいら・・・」。と黙ってしまいます。どうしたのでしょう。
心配して次のページをめくってみると、
突然、なんと「ゲーップ!」しちゃうのです!
「ちょっと!なんで いまゲップするのかな」
みんなの心の声を絵本が代弁するようにクマをせめると、
「ごめんごめん。」口をふきながら悪びれた様子もないみたい。
絵本は、そんなお行儀の悪いコには、お話をさせないと言い張ります。
あの手この手で、絵本の中の主役で居続けようとするドーナッツくん。
この漫才のような楽しいやりとりに思わず笑ってしまいます。
本当は、絵本を読んでるみんなに自分のお話をしたいドーナッツくん。
ちゃんと、みんなの前で話せた・・・のかな?
読み手が参加して楽しめる斬新な絵本は、ここ最近増えてきています。
絵本とその主人公の軽快なやりとりは、まるで絵本の中でトークショーの観客席にいるような臨場感があります。これは是非とも子どもたちの笑いのリアクションをみてみたい。作者は、独特のユーモアセンスをもった「キョーレツ科学者・フラニー」シリーズ(あかね書房)などを手掛け、数々の賞を受賞している作家のジム・ベートンさん。
今後も新しい絵本の時間を提供してくれそうです。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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