「きんぴらきょうだい」 自信を持っておすすめしたい みんなの声

きんぴらになりたい一心で、行動する、ごぼうとにんじんがおもしろいです。口調も楽しい！　歌のところでは、思わず、笑ってしまいました。きんぴらになりたい気持ちが、とにかくすごいです！　あまりに楽しい兄妹だったので、もっと読んでいたかったですが、ふたりにとったら夢かなってのハッピーエンドですもんね。斬新でおもしろい絵本でした。

八百屋で出会った人参と、ごぼうは、義理の兄妹になって、共にきんぴらになる旅に出る話。

2020年刊行。巻末にきんぴらの由来や栄養の説明付き。

昭和の浪曲の香りがするお話。苦労に苦労を重ねる旅暮らし。
そんなに深刻なテーマではないのだが、ごぼうとにんじんにとっては、どんなお料理にされるかは、人生の結末だから大変だ。必死のアピールと、捨て身の行動で、大冒険。
流しのギタリストとか、旅芸人とか、そいういう世界。

きんびらとは縁もゆかりもない人のもとへ行ってしまうのが面白い。最後はあっさり決まって、良かったと思うけど、もうこれっきり兄妹の姿も見られないと思うと寂しい。
食べることは、命を頂いているのだなあと思った一冊。

私はきんぴらが大好きで、よく作りますが、まさか絵本のテーマになるとは驚きました。
きんぴらって、他の料理と比べると、少し地味ですもんね。
お話の中でも、にんじんが拐われて、カレーの具材になりそうになっていました。
（ちなみに、お話の中で、カレーにごぼうは入れないと意地悪されていましたが、ごぼうが入った根菜カレーは最高だと思います笑）
自分の大好物がお話に出てくるだけで、その絵本が大好きになりますね！

「だいぶつさま」シリーズの作者、苅田澄子さん。「オニのサラリーマン」シリーズのイラストを描く大島妙子さん。どちらも大好きな作家さんなので、読むのが楽しみでした。
ゴボウのお兄ちゃんとにんじんの妹のきんぴらきょうだい。どうしてもきんぴらになりたくて、旅に出ることに。
♪きんぴら〜きんぴら〜ああきんぴら〜　こんなにきんぴらになりたいのにどうしてどうしてなれないの？♪という歌が哀愁漂っていて笑えました。
でも最後の歌はとても明るくて、楽しいです。