とっても可愛い白毛に黒のぶちのねこ、それが小児科医のお医者さん「ローベルト」です。
五十嵐大介さんの描いてくれるこのローベルトの表紙絵につられて、思わず手にしてしまいました。
このお話は、例えば、あまんきみこさんやあんびるやすこさんの作品のように、人と人以外の生き物が当然のように共存している世界観なのかなと、思っていたら、ちょっと違っていました。
ローベルトは普段は普通にねことして生活していて、夜中に急病の子どもの連絡が入ると、お医者様に変身する。というちょっと変わった設定でした。
ローベルトは、医者としてのスキルも信念も素晴らしく、患者である子どもも、その周りにいる大人たちも安心して見てもらえる先生だったのが、印象的でよかったです。
各ページに程よく挿し絵が入っているので、文字を追うのが苦手なお子さんでも読みやすい作りです。
(「絵童話」とか「幼年童話」とか呼ばれているジャンルでいいと思います)
ねこを含む、動物が好きなお子さんとか、医者が苦手なお子さんなどにお薦めしたいです。
ただし、物語の中で、ローベルトが貧しい国の子どもたちが病気にかかったときの話をしますので、この部分を読んで内容を理解できる年齢の子どもたちに届けたいです。