欲をかいてはよくないという昔話風のお話の中に、乱れた治世への不信感や批判のようなものも感じられました。
その象徴として登場するのが、シンジャギョンがかけじくをもらうチョンウチ道士という謎の人物です。
前半、シンギジョンがかけじくの蔵番から少しずつお金をもらうより、たくさんのお金を一気にもらおうとする展開は読めましたが、後半はどうなるのかがわからずハラハラしました。
時代設定が古いお話であるのに、訳語が「しんぞうバクバク、のうてんひりひり」などの現代的な口語が混じっているのが読んでいて気になりました。
お話としては、とても魅力的で起伏に富んだ展開がおもしろいと思います。