動くことのできないならの木は、ただ待つことと見まもる事しかできません。
そして長い年月をゆったりとおくっていくのです。
少年は、父親に連れられ、大好きなならの木と別れ、住み慣れた土地を後にします。
ならの木がゆったりと送る年月とは対照に、少年は様々な経験をし、成長し、老いて行きます。
何度かならの木を訪れる少年。
懐かしいだけだったけれど、年老いて少年はやっとならの木と交わした約束を思い出すのです。
夢のような物語です。
「祭り」というキーワードが、祭りの楽しさと、祭りの後の寂しさを暗示的に表現していました。