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連載

『ぐりとぐら』の作者が贈る、ママたちへのメッセージ  『ママ、もっと自信をもって』出版記念連載

日経BP

2016/11/03

【連載】第4回 料理研究家 コウケンテツさんインタビュー

【連載】第4回 料理研究家 コウケンテツさんインタビュー

今回、お話を伺ったのは、料理研究家のコウケンテツさん。6歳の男の子と3歳の女の子を持つ子育て真っ最中のお父さんです。「『ぐりとぐら』は料理本としても素晴らしいと思います」と語るコウケンテツさんが、『ママ、もっと自信をもって』を読んで、どのように感じたのか、ご自身の子育てエピソードも交えてお話してくださいました。
●子どもたちに毎晩読み聞かせをしています。
――『ママ、もっと自信をもって』を読まれた感想を教えてください。
ぼくは普段から子育てイベントに呼んでいただく機会が多いのですが、そこに参加されるお母さん方の多くが、子育てに悩みを抱えていらっしゃいます。この本には、そんなお母さんたちの悩みひとつひとつに中川さんが丁寧に答えていらして、その答えもとても勉強になるなぁと思いました。
――コウケンテツさんご自身も働きながら子育てをしている「イクメン」だと思います。『ママ、もっと自信をもって』の中で、ご自身の子育ての参考になると思った部分などはありますか?
やはり、父親と母親、そして子どもたちそれぞれが自分の意見を持ち、それをお互い尊重しているという「三権分立」の考え方ですね。ぼくも、子どもが母親に怒られているときは、一緒になって叱ることはしないようにしようと常に気を付けています。……なかなか、実現するのは難しいですけどね(苦笑)。
――本の中には、中川さんの自伝や「著作リスト」も掲載されています。中川さんの作品を読まれたことはありますか?
もちろん! 我が家では毎晩、ぼくが子どもたちに読み聞かせをしています。中川さんの『ぐりとぐら』(絵: 大村 百合子 出版社: 福音館書店)や『いやいやえん』(絵: 大村 百合子 出版社: 福音館書店)は鉄板絵本のひとつ。とてもお世話になっています。特に『ぐりとぐら』は料理本としても優れているなぁと思います。あれほどワクワクして、美味しくて、作る側も食べる側もみんな幸せになるおはなしって珍しいと思うんです。

――『ぐりとぐら』を料理本として考えるなんて、コウケンテツさんらしいですね。
物語と食べ物は密接に関わっていると思います。映画でも本でも、多くの人に愛されている作品には美味しい食事が出てくるシーンが必ずあります。『ママ、もっと自信をもって』の中に『ぐりとぐら』の制作秘話が載っていますが、あれを読んだとき、中川さんも食を根幹に置いて子どもたちと接していらっしゃったんだなあと感じました。
――食とつながっているところが、中川さんとコウケンテツさんの共通点ですね。先ほど、読み聞かせの話が出ましたが、コウケンテツさんがお子さんへの読み聞かせ担当なんですね。
はい。ぼくは読み聞かせはお父さんがした方が良いと思っています。だって、子どもたちに読み聞かせをしている間に、お母さんは次の日の準備や後片付けなどができますから。最初はうまくいかないかもしれないけれど、ぼくも6年間、毎日読み聞かせを続けてきて、自分で言うのもなんですが、かなりうまくなっていると思いますね(笑)
――読む絵本は、ご自分で選ぶのですか?
子どもたちが、自分たちの本棚から読んでほしい本を持ってくるんです。ぼくも忙しくないときは2冊読みますが、ときどき、「今日は1冊にしてくれない?」とお願いすることもあります。そうすると、きょうだい2人で話し合って、1冊にしてくれるんです。
――コウケンテツさんご自身も、子どもの頃はご両親に絵本を読んでもらったのですか?
ぼくに読み聞かせをしてくれたのは姉でした。ぼくが3、4歳くらいの頃、姉は小学生くらいだったと思うのですが、『さんびきのこぶた』や昔話など名作絵本を読んでくれたんです。今でもよく覚えていますね。
――小さいころから、絵本が身近にある環境だったんですね。
そうですね。ぼくは「シャーロックホームズ」などの推理小説が好きなので、息子にも早くこの面白さを共有したいと思っていました。でも、まだ小学校に入ったばかりだから、一緒に読める年齢になるまで待とうと思っていたんです。今回、中川さんの本の中に「お母さんが気に入ったを一緒に読んで楽しむのがいちばん」と書いてある部分を読んで、「ぼくへのアドバイスかも?」とビックリしました。もちろん、息子にはまだ少し早いかもしれませんが、少しずつ、ぼくが好きな本も一緒に読んでいこうと思います。

――息子さんもお父さんと同じ作品を好きになってくれると良いですね。そのほか『ママ、もっと自信をもって』の中で、印象に残っている場面はありましたか?
以前、駒沢公園の近くに住んでいたので、中川さんが「みどり保育園」に勤めていたときはこんな感じだったのかな、子どもたちはこの辺で遊んでいたのかな…と、当時の情景を思い浮かべながら読みました。
●若いお父さんにもぜひ読んでもらいたいです。
――第2部では、「悩めるママと中川李枝子さんの子育てQ&A」として、ママの悩みに中川さんが応えていらっしゃいます。パパの目線で読んで、気づきや発見などはありましたか?
ぼくも講演会で、子育て中のお母さんたちとお話させていただく機会がありますが、皆さん同じような悩みを抱えているんだと、本を読んで改めて思いました。ぼくは関西出身だからか、子育てにはユーモアを忘れないようにしようと思っています。特に子どもはひとつこだわりを持ったら、なかなか発想の転換はできないので、ユーモアを使って、違う視点に持っていくようにしています。

――なるほど。
最近、我が家ではきょうだいげんかがよく起きています。でも、いよいよヒートアップするぞというときを見計らって、妻がことわざを言うんです。「馬の耳に!」とか。突然言うので、その場で子どもたちもハッとフリーズしてしまうんですが、次の瞬間には「念仏!」と元気いっぱい答える。そうやってことわざの問題を出していくうちに、自然とケンカも収まってしまいます。
――ケンカも終わって、ことわざの知識も身につく。一石二鳥の方法ですね。
これは我が家の方法ですが、中川さんも「ダメ」というタイミングについて、書かれていますよね。
――「どういう状況を“ダメ”と判断するか、それぞれの基準とやり方でいいんじゃないかしら。」(p150)という部分ですね。
そうそう。まさにその通りだと思うんです。ぼくは自宅と職場が一緒になっていて、常に子どもたちと接することのできる環境にいます。でも、それってレアケースだと思います。本の中で「わが子の成長をつい、ほかの子どもと比べてしまいます」という質問に対して中川さんは「目の前にいる子どもをそのまま見て、そのまま受け止めればいい」と答えていらっしゃいますよね。子どもはもちろんそうですが、その家庭、その両親ごとに違いがあるのが当然だと思うんです。最近、ぼくが講演会に行くと、50〜60代の男性に多く声をかけられます。その方たちの話を伺うと、「ぼくたちの時代は子育てをしたくても、男は仕事をするしかなかった。でも、君はバリバリ仕事をして、育児も家事もバリバリこなして、うらやましい。本当はぼくもそうしたかった」「子育てをできるころにやらなかったらとても後悔するからと、若いお父さんたちに伝えてあげて」とおっしゃるんです。

――そうなんですね。なんだかとても意外です。
社会的にそういう時代だったこともありますし、家庭環境やご自身の立場などで子育てができないこともあったと思います。でも今、そういう子育てしたくてもできなかったお父さんたちがいることは、若い世代のお父さんたちにとってはとても心強いことだと思うんです。会社の上司が、子育てにすごく理解を示してくれるかもしれないじゃないですか。
――たしかに「イクボス」という言葉も生まれていますよね。
ただ、若いお父さんたちは、お母さんが抱えている不安や悩みに気づくことができない方も多いでしょうから、そのときは『ママ、もっと自信をもって』を読んでいただくことをオススメします。この中には、誰もがハッと気づかされ、同時に子育てで疲れた心をホッと癒してくれるワンフレーズが、必ずありますから。「読んで良かった」とぼくも思いましたし、多くの方にも思っていただけると思います。
――ありがとうございました。

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