
主人公は、ひとりぼっちな気分の、くらげ。 「だれも おいらを わかってくれない」と落ち込むくらげが、ある日たどりついたのは……くらげホテル。 ホテルの主人がやってきて「おいら様! おまちしておりました!」と迎えてくれます。
どうぞこちらへ、と通された1番目の部屋は、あったかい土の香りがする部屋。 2番目は、木の葉がサラサラ風にゆれる、さわやかな風のふく部屋。 3番目は、冷たい水に魚が泳ぐ部屋。 4番目、5番目と、おいらは次々、しあわせな気持ちやいい気持ちを思い出します。 次の日、ホテルの主人がやってきて、おいらに伝えたことはなんだったでしょう……?
ひとりぼっちな気分のとき、さびしい気持ちにはまり込んでいるとき。 そんなときはつい見えなくなってしまうけれど、本当はそばにあるはずのささやかなしあわせ……。 ちいさなくらげがそんなしあわせに気づく、くらげホテル。 さみしいときにふっとページをめくれば、まわりにいる人たちへの思いも振り返りたくなります。
(大和田佳世 絵本ナビライター)

孤独を感じているくらげのおいらは、「くらげホテル」にたどりつきます。ホテルでは毎日違う部屋が用意されていて、これまでの癒されたこと、楽しかったこと、うれしかったことなどを追体験していきます。宿泊の最終日、おいらはあることに気づきます……。しあわせについて、ひとつのこたえを提示する絵本。優しい色合いで描かれたかわいらしいイラストにも注目です。
|