町の外れにたたずむ、『Life(ライフ)』という小さなお店。
そこは誰かが働いているわけでも、何かを売っているわけでもない。
でも間違いなく、町の人々に愛されている場所でした。
『Life』を訪れる人達が、それぞれ大事にしていたものを持ち寄って、気に入ったものを持ち帰るというシステム、とても素敵ですね。
自分が愛着を持って大事にしていたものが、持ち手が変わった後も宝物でい続けられる。
ものがあふれている今の時代に、ちょっと立ち止まって読んでみてくださいと語りかけられているような気がしました。
でもそれが、全然押しつけがましい感じじゃなくて。
ひとつのものを通して、一人一人の人生の一部が交わっていく。
悲しい思いがいっぱいで前を向くことができなかったおばあさんが、穏やかに微笑んでいるシーンがとても印象的でした。
お話を最後まで読んだら、作者くすのきしげのりさんのあとがきもぜひ読んでみてください。
すべてを読み終わった時、ほんわり幸せな気分になれる一冊です。