突然難民の子どもが家にやってきたら、どういうことになるのだろう。
戦争から逃れてやってきた子どもを預かるという、そのような取組みについて知らなかったので、そこでつまづいてしまった自分です。
マルガレータの親は、ビックリさんだなんて言わずに、あらかじめ同意形成する必要があったのではないでしょうか。
ともあれ戦争が起こって親と離れたシッカの心も、望んでやってきたわけではないので、明るいわけではありません。
いろんなことを考えさせられる絵本として、あまり感情表現をしていないヴィルセンの絵は、効果的かも知れません。
何よりも、戦争が終わって両親と再会できたシッカの喜びにほっとしました。
それだからこそ、シッカとマルガレータは「きょうだい」でいられるのですね。
ぬいぐるみの犬の名前トイボの意味も、素敵なエッセンスでした。
久しぶりに読んだウルフ・スタルクの作品です。
どの作品も、子どもの心理をとてもきめ細かく描いているので、好きな作家の一人です。